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イギリスがついに「EUからの離脱」を決断した。「歴史的瞬間」と言える。
同国では23日、EUからの離脱の賛否を問う国民投票が行われ、離脱の票が多数を占めることが確実になった(イギリスの公共放送BBCより)。これを受け、EU残留を強く呼びかけていたキャメロン首相は記者会見で、辞意を表明した。
イギリス内のEU離脱派の主な主張は、「国家としての主権を回復したい」「移民をこれ以上受け入れられない」というもの。
一方、残留派の主な主張は、「EU域内の人・モノの自由移動という利益を享受できなくなる」「金融センターの役割も果たすイギリスがEUから離脱すれば、国内経済も国際経済も混乱する」といったものだった。
1990年に予言されていた「EU離脱」
実は、大川隆法・幸福の科学総裁はこのイギリスのEU離脱を26年前に予言していた。以下は、1990年12月に行なわれた講演「未来への聖戦」からの抜粋。なお、文中のECは「欧州共同体」のことで、EUの前身。
「ECの統一、すなわちヨーロッパの通貨、国境、経済、政治、それらすべてを一元化して、統一国家的にしようとする動きがあります。 (中略)このECの統合は必ず失敗します。まず、脱落はイギリスから始まるでしょう。イギリスという国は、このECの通貨的な統一、政治的な統一に反対し たサッチャー首相を退けました。この趨勢自体はいかんともし難いですが、サッチャーの霊的な直感そのものは当たっています。このEC統合のなかに呑み込ま れると、イギリスは確実に衰退するのです。これはもう、はっきりしているのです」(『神理文明の流転』所収)
EUが各国の主権を奪う
イギリスのEU離脱により、一時的には、ポンドの為替レート下落や、金融市場の混乱などはあるだろう。しかし、今回の決断はそれ以上に、EU全体の問題点を浮き彫りにしている。
国家を構成する重要な要素に「主権」がある。「自主的な判断で国家政策を決めて行動がとれる」ということだ。しかし、EU加盟後、イギリスの法律の半分はブリュッセルにあるEUの欧州委員会で決められてきた。
イギリスが国家としての主権を失いつつあったことへの危機意識や不満が積み重なり、今回の結果に結びついた。
サッチャーもEUには反対だった
イギリスがECに加盟する時、サッチャー元首相は反対していた。
彼女は、ヨーロッパ大学ブリュージュ校で1988年に行った演説で、「ECは理想主義的、中央集権的・統制的であり、各国の自由を奪うものだ」という主旨のことを述べていた。
大川隆法・幸福の科学総裁は2013年4月9日、死後わずか18時間のサッチャー氏の霊を呼び、「他界第一声」を収録した。サッチャーの霊は、EUについてこう述べていた。
「ある種の集産主義でしょう。ただ、集産主義には、何らかの中心概念が要りますが、EUには、中心概念が何もないのです」
「集産主義」とは、社会主義に近い概念。サッチャーが信奉した、自由主義経済学者のハイエクが使った言葉だ。
確かにEUは、ギリシャなどの貧しい国々が、イギリス、ドイツ、フランスのような豊かな国に依存することで成り立つ「弱小国家集団」のような状況。この互いに依存し合う姿は、社会主義国と似ている。
そもそも、言葉も民族も違う、20カ国以上の国々を、明確な理念なしに、一種の強制力でまとめるのは、始めから無理な話だったのかもしれない。
EU各国への精神的自立のススメ
今、EU各国の発展に必要なものは、イギリスが誇った「サッチャリズム」だ。各国が「お金を稼いで、自分たちの国をもっと素晴らしい国にしよう」という意志を持ち、それぞれが発展のために努力し、切磋琢磨する中で地域の繁栄を実現するべきである。
(小林真由美)
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