11.4 アメリカ中間選挙 国の未来を変えられるか
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アメリカで11月4日、議会の上院100議席中33議席と、下院435議席すべてをめぐる、中間選挙の投開票が行われる。
現在、議会は、下院で共和党が、上院で民主党が、それぞれ多数を占めており、選挙の最大の関心事は、上院で共和党が多数を占められるか否かという点だ。現在、上院は民主党53議席、共和党45議席だが、アメリカ国内のマスコミはこぞって、「共和党有利」と指摘している。
民主党所属のオバマ米大統領は、シリア、イスラム国(ISIS)、エボラ熱などそれぞれの問題で、すべて対応が後手に回り、有権者の間に統治能力に対する不信感が広まり、支持率も42%と低迷している。
その結果、民主党議員の面々は、オバマ氏から距離を置くことに躍起になっている。中には、2012年の大統領選でオバマ氏に投票したかどうかを明かさない議員や、オバマ氏の名前を口にすることすら拒んでいる議員がいる始末だ。
では、もし共和党が勝利したら、アメリカの政治はどのような影響があるだろうか。
まず、オバマ氏のレームダック化が加速するだろうが、それと同時に、アメリカの国内政治が、さらに硬直化していくかもしれない。すでに市民の間で、福祉政策の拡大と軍縮を求める側、福祉の削減と軍事増強をうたう側との間で世論が割れ、それを反映するように政治も両極化、硬直化が進む。
大統領は、議会が提案する法令に対する拒否権をもっており、これに対し、共和党が勝った場合にコントロールする議会は、大統領の政策をブロックすることができる。共和党は、軍事力強化、国民皆保険の撤廃、環境保護庁の影響力削減、福祉政策全般の削減などをかかげており、これらは民主党がもっとも力を入れている政策であることを考えれば、今後も政治の膠着状態は続くだろう。
特筆すべきは、アメリカ国民が、オバマ氏の「失敗」にレッテルを貼り始めていることだ。オバマ氏が福祉・軍縮・増税路線を取り始めて以降、有権者は、国の歯車が狂い始めていることに気づき、ブレーキをかけようとしているわけだ。アメリカは、これまで自国の繁栄を支えてきた「自助努力の精神」や、「世界の警察官」としての強さを取り戻すことができるだろうか。選挙の結果に注目したい。(中)
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