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《本記事のポイント》
- 3年前のマレーシア航空370便の行方不明の真相はいまだ分からぬまま。
- マレーシア当局の公式発表の真偽を検証した結果、機体がインド洋に墜落した証拠はないことが判明。
- 犠牲者のためにも、航空産業の安全性向上のためにも、真相究明が必要。
2014年3月8日未明、マレーシアのクアラルンプールから中国の北京に向けて飛び立ったマレーシア航空370便が、乗員乗客239人とともに行方不明になってから、3年が過ぎた。真相究明の手がかりがないまま、2017年1月に捜索が打ち切られ、人々の記憶からも忘れ去られようとしている。
マレーシア政府の公式発表では、同便は離陸から約40分後に南シナ海上空で姿を消した後、予定の航路とは真逆の南インド洋の方に飛んで行き、燃料切れで墜落したとされている。しかし、12万キロメートルという広い海域で捜索が行われたが、南インド洋では同便の機体発見の手がかりは見つからなかった。航空史上最大のミステリーと言われている370便の行方不明事件。機体はいったいどこにあるのか。
豪政府機関「情報漏らしたら2年間刑務所行き」
日本では同事件についての報道は少ないが、世界中のメディアでは現在も370便の行方について報じられている。
例えばオーストラリア運輸安全局(ATSB)は2016年12月、370便について新たな調査結果を発表。それによると、370便の機体は、これまで捜索していた南インド洋ではなく、「北インド洋にある可能性が高い」としている。
しかし、ATSBの情報を全面的に信頼することはできない。2017年4月17日付のフリー・マレーシア・トゥデイの記事によると、ATSBは、370便の中国人乗客の家族が同便の関連情報の公開を求めたところ、これを拒否。その上、「もしATSBの職員が同便の情報を外部に漏らした場合、交通安全調査条例に違反したとみなし、2年間、刑務所行きになる」と発表している。この脅迫めいた発表を受け、中国人乗客の家族は、オーストラリア当局を「マレーシア政府による隠ぺい工作の共犯者だ」と批判している。
情報開示を拒み続けるマレーシア当局
全国書店で発売中の「ザ・リバティ」6月号では、マレーシア政府が「370便はインド洋に墜落した」と断定した経緯を振り返り、その根拠となる情報を検証した。その結果、マレーシア政府ならびにマレーシア航空は、同便が行方不明になった後、意図して捜索場所を南シナ海から南インド洋に変え、事件の幕引きを急ぐかのような動きを見せていた事実が浮き彫りになった。さらに同便は行方不明になった地点である南シナ海に墜落した可能性が高いことが分かった。
239人の犠牲者とその遺族のためにも、航空史に同様の悲劇を繰り返さないためにも、この事件の真相を明らかにする必要がある。
※詳しくは、本誌2017年6月号「マレーシア航空370便 謎の行方不明から3年 誰が何を隠しているのか」をお読みください。
(小林真由美)
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