飛鳥Ⅱの船内火災が報道された。
出火原因は特定されていないが、火災は最上階(12階)の暴露部にある資材庫とされている。船舶は浸水・波浪被害局限のために各区画は水密・気密に作られており、出入り口も少なく、そのことが火災の拡大防止には繋がるものの消火活動を制約する原因にもなっている。映像で見る限り消火活動は横浜市の消防がイニシアティブを執ったようであるが、鎮火に3時間を要したことからなかなかに手強い火災であったことが窺える。自衛艦の消火活動は、火勢が強かったり爆発の危険性が有る火災に対しては水密ドアを閉鎖して空気を遮断して密閉消火する場合もあるが、酸素呼吸器(OBA)を装着した隊員が火災現場に侵入して直接消火することが一般的である。筒先の隊員が高温や炎に曝されることを防ぐためには、別の隊員が水霧で筒先の隊員を防護しつつ消火活動が行われる。
「百聞は一見にしかず」とは程遠い描写力であるが「護衛艦の火災」と題する1枚を紹介させて頂きたい。煙が充満して火元も見えぬ船火事と消火に当たる乗員の危険性を御理解いただけたら幸いです。