もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

韓国の前のめりを考える

2020年06月03日 | 韓国

 昨日書いたG7拡大の続編である。

 トランプ大統領のG7拡大の観測気球に対する、G7各国と招待を名指しされた各国の動向が伝えられた。ロシアの参加については英・加が早々と反対を表明したが、トランプ大統領は意にも介していない様子でロシアとの電話会談で意向を伝えるとしている。興味あるのは韓国の文大統領が招待を快諾する以上に、招待の4か国とブラジルを正式メンバーとし、「G7」を「G12」とするように要求したと報道されていることである。トランプ大統領は今回のサミットで中国問題を主要議題として討議することを既に明言しているため、全体会議では対中国包囲網の構築が討議されることは確実で、各国の思惑が絡む微妙な問題であるので共同声明にまで盛り込まれるかは不透明であるが、少なくとも、中国の香港政策・台湾の地位・南シナ海の領有についての議長声明は出される可能性が有る。また、韓国には在韓米軍の駐留経費増額問題やTHAAD配備の停滞という対米課題があるため、2国間会議で相当の譲歩を迫られる可能性も有る。文大統領の招待快諾には、サミットを米中経済戦争の板挟み状態にある韓国経済打開の思惑に基づくと観られているが、悪し様に云えば、経済成長著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の枠組みにも入れない韓国が、一足飛びにサミットに招待され、あわよくば正式参加して世界の一等国と肩を並べる期待を抱かせる申し出は、望外以上・将に有頂天の気持ちであるものとも考えられる。しかしながら、故なき対日批判、輸出管理という通商問題をGSOMIAという軍事協定に絡める手法、日本との2国間協議を飛び越えてWTOに提訴する一方で徴用工問題では協議にすら応じない手法、韓国の二重基準・二枚舌手法は、「自由、民主主義、法の支配、人権と言った基本的な価値観を共有する主要国の枠組み」とするG7の共通認識とは相容れないものではないだろうか。

 過日のGSOMIA破棄予告で「アメリカも了解している」としたが、アメリカの政府・軍幹部が挙って否定したことがあった。5月30日に韓国軍と在韓米軍が韓国国内のTHAAD基地に大量の設備を搬入したことについても、韓国国防部は「事前に中国政府に通知し、了解を取り付けていた」と説明したが、中国外交部報道官は「われわれのTHAAD配備に反対する立場は一貫しており、韓国にはわが国との共通認識を順守することを望む」と反論した。THAAD配備に同意し北朝鮮がICBM?を発射したことで増備にまで言及したが、いざ受入れとなると一転して妨害とともとれる対応に終始している現状は、中国との共通認識の密約によるものであろうか。G7のロビーには、確執にも西側社会共通の理念と言語で対話・会話できる国を招き入れて欲しいと願うものである。文大統領や韓国世論が操る言語は韓国人にしか理解できないもので、彼等の理念(怨念・報復)は言語以上に理解不能であると感じている。