もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

生方議員と立民へ

2021年10月12日 | 野党

 立憲民主党の生方幸夫副幹事長の発言が波紋を呼んでいる。

 発言は、今年9月23日に千葉県松戸市で行われた会合で、「北朝鮮による拉致被害者というのはもう生きている人はいない」、「客観的情勢から考えて生きていたら(北朝鮮は)帰す帰さない理由はない」、「1977年に拉致された横田めぐみさんが生きているとは誰も思っていない。自民党の議員も」とされている。また、過去にも、日朝首脳会談の直後に日本に帰国した被害者5人については「北朝鮮との約束に従って一度北朝鮮に返すべき」、北朝鮮から返還された横田さんの遺骨が別人であると判明した際にも「遺骨からDNAを鑑定して、横田さんであると判断できる技術はない」とも主張した経緯もある。
 発言が報道された後、生方議員は自身のツイッター(全文)で「9月の市民フォーラムにおいて、不適切な発言をしてしまいました。発言を撤回するとともに、拉致被害者の家族の皆様及び関係者の皆様にお詫び申し上げます。生方幸夫」と謝罪し発言を撤回したが、情勢判断した根拠等には触れられていない。
 改めて過去の発言を含めて考えると、生方議員の発言中の赤太字部分の修辞を見ると北朝鮮報道官の発言としても成立するもので、かって拉致問題が注目され始めた時代に、土井たかこ社会党が展開した「拉致は日米の謀略」の延長線上にあるように思える。
 立憲民主党は、「不適切な発言ではあるが、個人的見解であり厳重に注意した」としてツイッターによる撤回と謝罪で十分であるかの対応であるが、陣笠議員ならともかく、衆議院議員6期、党副幹事長、立民千葉県連代表と要職・中枢にあることや、旧民主党時代以来一貫して急進左派とされる赤松派に属していることを考えれば、立民若しくは赤松グループの対北観の一端を示しているようにも思える。さらに、そのことに由来するからであろうか、立民お得意の「説明責任」なるものも無いようである。

 生方議員には過去にも、日比友好議員連盟の一員としてフィリピン訪問中の公務中ゴルフ、選挙運動費用収支報告書の虚偽記載・・・等、曰く付きの人物との評価が定着しているらしい。
 国会議員に対して金銭的「井戸塀」までの犠牲は求めないが、野党議員であっても日本の国益を守る信条については「清廉な井戸塀」であって欲しいと願うものである。


カープ・死に馬考

2021年10月11日 | カープ・スポーツ

 自分の記憶では、昭和30年代後半、ペナントレース最終盤に優勝目前の西鉄ライオンズは、最下位の近鉄バッファローズとのダブルヘッダーに連敗し、結果的には優勝を逃すことになった。この試合後に「知将」と呼ばれていた西鉄三原脩監督が記者に対して「死に馬に蹴られたようなもの」と吐き捨てた言葉が、今ならば流行語大賞になるほど流布されたと思っていた。
 ブログ作成に際してネットで検索してみると、死に馬発言は《1962(昭和37)年、優勝争いしていた大洋ホエールズの監督であった三原氏が、最下位に低迷する対国鉄戦の、それも8番打者の平岩嗣朗捕手に、先制と中押しのタイムリーを打たれて負けた際、「1年に3回しかヒットを打たない打者にタイムリーされるようじゃ、死に馬に蹴られたのと同じだ」》と発言したとされている。
 いずれにしても、対戦相手や個人を「死に馬」に例えることは、現在では間違いなく侮辱罪・名誉棄損・慰謝料請求に該当する発言であろうが、憤懣やる方の無い表現としては秀逸であるように思う。また、「死に馬に蹴られる」は博打場の慣用句として古くから使用されていたともされているので、麻雀好きの三原氏にあっては日常から使い慣れた言葉であったのかも知れない。閑話休題。

 今年のペナントレースも終盤であるが、カープの直近の上位3球団との対戦成績は「阪神戦3連勝」、「ヤクルト戦3連敗」、「巨人戦3連勝」であり、ヤクルトのマジック点灯はカープの戦績の結果であるように思える。昨日のプロ野球ニュースで解説者の金村義明氏が「巨人の3位も黄色信号」としていたが、カープファンと雖もそれほどの展開までは期待していない。
 ともあれ、温厚な紳士である阪神の矢野監督や巨人の原監督は広島戦の3連敗について、「死に馬(カープ)に蹴られた」とは絶対に口にしないであろうが、三原監督に由来する諸事を知っているオールドファンの家庭や仲間内の酒席では、この言葉が飛び交っているのではないだろうか。

 ここに来て、打線の援護を得られなかった森下投手が後半戦初勝利、栗林投手が新人王当確の連続セーブ、坂倉選手若しくは鈴木誠也選手の首位打者、と心浮きたつ昨今である。


アフガンの自爆テロに思う

2021年10月10日 | アメリカ

 10月8日に起きたアフガニスタンのイスラム教シーア派モスクでの自爆テロは、死者46人、負傷者140人以上とされるが重体患者が多く、死者はが更に増える恐れがあると伝えれれている。

 スンニ派過激組織イスラム国(IS)系の「ホラサン州(IS-K)」の犯行声明は、「自爆実行犯は中国が弾圧するウイグル人で、標的としたのはアフガン国内で少数派のシーア派と、中国の要求に応じてアフガン国内のウイグル人を迫害しようとしているタリバンの双方を標的にした」としている。
 タリバンが首都カブールを制圧して約1か月が経過したが、逸早く中国の支援を取り付けたタリバンによって誕生した新政権は、当初内外に宣言したような「国内諸勢力を糾合した”穏やかなイスラム法に基づく”統治機構」とは裏腹なタリバン単独政権であった。
 諸情報から現在のアフガン国民生活を推測すれば、旱魃や武漢コロナの影響で人口の3割に当たる1200万人が深刻かつ緊急の食糧不安を抱えているとされている。
 国連等による人道支援について調べて見ると、既にアメリカ6,400万㌦(70億円)、日本6,500万㌦(71億円)を始めとして、各国から総計11億㌦(1200億円)の拠出が表明されているようであるが、グテレス事務総長が「国内での支援物資配分のためのインフラが崩壊」、各国も「タリバン政府による支援物資の配達妨害」を理由に、支援を躊躇している現状に思える。
 現在でもアフガン国内で国連の世界食糧計画(WFP)や難民高等弁務官事務所(UNHCR)を始めとして日本のNPO「JEN」等が活動を継続しているとされているが、過去のアフリカ諸国で国連の支援物資が政府によって強奪されるケースがあったように、善意の人道支援⇒タリバン(テロ・独裁)支援となる危険性が極めて大きいと観て各国が支援を躊躇する現状もやむを得ないものかと思える。
 力の空白地帯に浸透して漁夫の利を得ることを得意とする中国は、ソ連・アメリカが失敗したアフガンに対して、現在のところ経済支援やコロナワクチン供与を表明するに留まっているが、今回の自爆テロが「ウィグル族への紐帯による反中国」を標榜していることから、IS-K討伐のための軍事支援にまで拡大を余儀なくされることも予想される。
 このような現状から、アフガンの安定とアフガン国民の救済は、前途遼遠とする以上に近未来では不可能であるようにも思える。

 アフガンの混乱(タリバンとISの主導権争い)の原因の一つが、国を安定・繁栄させるための最適な統治機構という理念を共有しない勢力が、単にアメリカの駆逐という一事でのみ協調したことにあるのではないだろうか。アメリカが去って協調する意義が無くなれば、最適な統治機構の相違による衝突は必然であるように思える。
 自分は、本ブログで立共の選挙協力は「あってはならない愚挙」と云い続けているのは、まさしくこの点である。論が分かれる功罪は別にして、明治維新で「革命から国造りまで」一貫し得たのは薩長が、「幕藩(軍閥)体制否定・天皇親政」という理念を共有したことが大きいと考える。
 我々は、理念を共有しない便宜的野合は、一時的な勝利は得ることができても長期的に見れば混乱の原因となることをアフガンから学ぶべきと思う。


施政方針演説に思う

2021年10月09日 | 与党

 岸田総理の施政方針演説が行われた。

 紙面に掲載されている全文を読んだものの靄のかかった頭では、お世辞にも熟読・完全理解とは言えないが、新資本主義と銘打った「成長と分配の好循環」を目標に、新自由主義的は成長戦略から一歩引いた経済政策を掲げた以外は、目新しいものは見当たらないように思った。
 岸田型新資本主義は、来週にも発表される自民党の選挙公約にも盛られると思うので、これまで新自由主義打倒による富の再配分を最大公約としていた立憲民主党と、「餅の配り合い」的な展開になってしまった。そんな事態への警鐘であろうか、財務省の事務次官が月刊誌に「与野党のバラマキ合戦は、タイタニック号が氷山(財政破綻)に向かって突進しているようなもの」と寄稿しているらしい。
 そういえば、予算審議の通常国会での定型句「財政再建」「赤字国債圧縮」が聞こえなくなって久しい。

 昨日のブログで「それみたことか」と乱暴にタイトルしたことを痛く反省している。
 これまで、「選挙後の政権では協力しない前提での選挙協力は、議会制民主主義と有権者を愚弄するもの」と度々書いてきたことを顧みれば、枝野氏の「選挙協力の延長としての共産党閣外協力」明言は論理としたは正しく、そうなければならない選択である。このことによって、今回の総選挙は社会(共産)主義と資本主義の戦いであることが明確になって、有権者は選択し易くなったと思っている。
 ソ連邦の崩壊や東西ドイツの統一で決着したと思っていたイデオロギー対立が、30年の時を経て日本で再現されることになる。
 現在、資本主義・自由主義社会での階層化が顕著になり、持てるものと持たざる者の分化・固定化が進んだ結果、仏・伊では共産党が息を吹き返し、共産主義信奉者は社会から排除されるとされていたアメリカでもBLMが「我々は訓練されたコミュニスト」と公言している。さらに、コロナ禍のような国難では、共産主義社会の強権が自由主義に勝る一面が明らかになった点も大きいと思っている。
 枝野氏は、衣を一枚脱ぎ捨てて隠れコミュニストを窺わせる姿態を一部露わにしたが、投開票までには全ての衣を脱ぎ去って、枝野政権の大きな政府が目指す「統制の対象や限界点」まで明らかにして欲しいと願うところである。


それみたことか

2021年10月08日 | 野党

 真偽のほどは不明であるが、恐るべきニュースが報じられた。

 本日の産経新聞記事の一部を転記すると、【連合推薦候補者の選対に共産党が入り込んで、両党の合意(閣外協力?)を盾に、(野党4党と市民連が合意した6項目以外の?)さらなる共産党政策をねじ込もうという動きがあるとの報告が、各地の地方連合会から為されている】とされている。
 事実であるとすれば、あってはならないことで、重大な選挙干渉であるとともに、思想・信条の自由まで侵す危険な行為であるのは明かであるが、枝野氏がパンドラの箱を開けた時点で、当然に起こり得る事態でもあるように思う。。
 温和な顔をした共産主義者が組織に入り込んで密かに内部で増殖し、気付いた時には組織全体が共産党の薬籠中に取り込まれていることはこれまでにも仄聞され、共産党のオルグ活動の典型としても良く知られている。日本学術会議や教科書検定委員会のような任期の定まった活動についても、一旦染め上げた細胞色を維持するために辞任する際の後任者推薦権を獲得して、今や慣例として外部の容喙を排除できる仕組みにまでしてしまった。
 枝野代表は、既に政権奪取後の初閣議で決定する7項目の一つに、菅政権で忌避された学術会議会員候補の任命を公約して共産党に秋波を送ることに加え共産党の閣外協力まで明言したことで、共産党は小躍りしていることだろう。
 連合新体制は、立民との選挙協力違反と不快感を示し、一部候補者への推薦取り消しまでほのめかしている事態を考えれば、今回の一連は共産党の独り勝ちは明白で、おそらく総選挙結果に於いても、立民は自民党との競合区の幾許かでは共産票の積み上げによって制することができると思うが、全体として見れば失う票の方が大きいと観ている。一方、これまで共産党が善戦・惜敗している選挙区では立民票の嵩上げで当選できるであろうし、政党獲得票の急伸で比例当選も倍増することが考えられる。これらのことから、選挙結果を大胆に予測すれば、立民(現有議席68+20)、共産(現有議席12+10)と予測するものである。

 真偽は定かではないニュースであり共産党本部はフェイクと一蹴することだろうが、末端までの一糸乱れぬ統制を党是として一片の跳ね返り者すら除名する「鉄の規律」が売り物であれば、立民候補の選対に乗り込んだ共産党員の行動は本部の意を受けたものと見るのが妥当である。
 紙面を通して、「下三白の悪人面をした枝野氏が、自分の手のひらで躍る様を見てほくそ笑む志位委員長」の顔が透けて見えるのは自分だけだろうか。