安倍政権の支持率が高いのは安倍さんが真正保守だからと保守の人は考えたいでしょうが、残念ながらそれが高支持率の理由のすべてではありません。
安倍政権になってから経済がそこそこ持ち直したのも大きい。
保守の人は警戒することの多いTPPが大筋合意したのが好評だったのも、輸出が増えるとか輸入食品が安くなるなどの期待があるからでは。
逆に、もし経済が悪くなれば安倍政権はつぶれ憲法改正・国防軍創設どころではなくなります。
では安倍政権の経済対策は万全かと言えば実に危なっかしい。
安倍政権の経済政策で一番効いたのは金融緩和でしょう。
円安・株高もこれによる部分が大きい。
ただキャッチで「異次元緩和」というのはサプライズがあって成功でしたが、「インフレ目標」と言ったのは失敗。
まるで物価上昇を起こして庶民を苦しめたがっているような印象を与えました。
あと景気テコ入れ策ですが、うまく言ったこともあるがタイミングや規模に種々問題あり。
今までの自民党政権の行ったテコ入れ策をそれこそ「異次元で」超えるほどのものではありませんでした。
問題なのは財政規律主義と成長戦略。
財政規律主義自体は考え方としては間違っていませんが、景気減速時に消費税増税をやるような杓子定規はやめるべきです。
戦前の浜口雄幸の金解禁みたいになりかねません。
一番問題なのは成長戦略です。
大昔の小泉内閣で既出の政策の順番をいじっただけで再提案するくらいのことしかやっていません。
安倍さんファンは気分を害するでしょうが、これがうまくいかない限り、安倍さんはサッチャーを超えることはできません。
左翼は馬鹿なので経済のことが分からず大した批判ができませんが、安倍さんの支持者が経済に弱いのはちょっと困るのでは。