前回のブログでお伝えしたように、「役割等級人事制度」については、
適格退職年金の移行コンサルティングを始めるにあたって、勉強する
機会がありました。
関西生産性本部の西村聡先生の集中講義に参加させて頂きました。
「役割等級人事制度」は、「同一役割・同一賃金」がベースとなる制度
です。役割が変わらなければ、賃金も変わらないということで、人件費
の膨張を抑える効果のある制度です。
が、そういった側面だけでこの制度を捉えるのは問題です。
「役割等級制度」は、なによりも人事制度と経営戦略をリンクさせる手段
です。「役割等級制度」の目的は、経営戦略の実現であり、マーケット
での競争に勝ち、企業が成長発展することにあります。
「役割等級制度」を構築するには、企業の内部環境・外部環境を分析
することから始めます。その上で、企業の基本戦略、長期目標を設定
し、ビジネスプロセスの構築→必要なプロセス機能の選択→経営資源
の配分の検討→個別ビジネスプロセスの確認→職務行動の明確化→
役割成果の明確化→役割成果の評価などといった過程をとって設計し
ます。
「役割等級人事制度」は、賃金抑制を目的とした制度ではなく、企業が
市場で勝ち残り、成長発展していくための経営戦略を実現することを
目的とした人事制度です。
そして、大切なのは、「役割等級人事制度」は、従業員のモチベーション
アップを促すとともに、従業員にとって分かりやすい、公平感のある制度
であることが必要だということです。
西村先生の講義で使ったテキストは、今でも大切にしています。
人事制度で分からないことがあると、紐解いて読んでいます。
市販されている本としては、
「役割等級人事制度 導入・構築マニュアル」
西村 聡著 三浦 眞澄構成
日本法令発行 2,000円+消費税
があります。
こちらの本も、時々読み返して参考にしています。