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適年の移行を検討する時に必要なのは、数字の分析、シミュレーションです。

2009-03-10 10:00:00 | 適格退職年金

2年ほど前に、250名の製造業の適年についてご相談を受けました。
機械を製造していて海外への輸出もしている企業です。
適年の積立不足が深刻なので、退職給付引当金の負担も大変重く
なっていました。
会社の中では、確定拠出年金への移行を希望する取締役と、中退共
への移行を希望する取締役に分かれていました。

このような場合、制度のメリットとデメリットを比較するだけでは結論に
達しないことが多いです。無駄に時間だけが過ぎていきます。

また、コンサルタントの立場として、どちらか一方の意見に肩入れする
のも禁物です。まずは両者のお考えを受け止めることから始めます。
しかし移行先を決めないといけません。
両者に共通しているのは、会社の負担は抑えてたいということでした。

そこで、有料でのシミュレーションを承りました。
適年から確定拠出年金への移行プランと中退共への移行プランを作り、
掛金の負担の将来シミュレーションをいたしました。
給与はポイント制になっていましたので、それを生かして、確定拠出年
金での掛金モデル、中退共でのモデルを作りました。役位、年齢、性別
ごとにいくつかグループにわけて計算を繰り返しました。
その結果、中退共の方が掛金の負担が重くなるということをご理解いた
だき、中退共を希望していた取締役も、確定拠出年金への移行を納得し
てくださいました。

中退共の利回りは1%で、確定拠出年金の想定利回りが2%なら、当然
確定拠出年金の方が負担が少ないと、一般的なことを言ってもダメです。
企業からしたら、「うちの場合はどうなんだ。」ということが知りたいのです。

企業年金はお金のかかることですので、それはつまるところ数字です。
適年を移行するとき、移行先制度のメリット、デメリットだけを論じるのでは
なく、数字=企業の負担額が企業財務へ、将来どのような影響を与える
のかを見ることが大切だと思います。

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