厚生年金基金や確定給付企業年金(DB)を検討する場合、最低積立基準額に
ついて、理解しておくことが必要です。
まず、最低積立基準額は、「基金・DBが解散(終了) した時点で、受給資格を得る
者に関する受給権を保護する目的で設定された基準」と定義されており、加入員と
年金者の最低保全給付の現価相当額として計算されます。
次に、最低保全給付ですが、これは、計算基準日までの加入期間に応じて発生し
ている、又は発生しているものとみなされる給付のことをいいます。
・年金者の最低保全給付額は、年金給付額です。
・加入員の最低保全給付額は、基準日時点で脱退したと仮定した場合の給付
額を基準として計算します。
要するに、、最低積立基準額は、年金の受給権を持つか持たないかで、金額に差が
でます。
DBでは、年金での受給資格には、加入してから20年という要件があります。
加入後20年を経過している人と、20年未満の人では、最低積立基準額の計算は
違うということになります。
DB終了時における積立金の分配は、DBに加入して20年以上の人に、より多く、
20年未満の人には少なく行われます。
DBを終了させて、DCに移行する場合は、この最低積立基準額を基に考えること
になります。