褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 翼よ!あれが巴里の灯だ(1957)リンドバーグの自伝です

2017年03月26日 | 映画(た行)
 人類史上、初めて無着陸飛行でニューヨークからパリまで大西洋横断に成功したのが、日本の音楽グループの名前の由来にもなっているチャールズ・リンドバーグ。そんな彼の伝記映画が今回紹介する翼よ!あれが巴里の灯だ。名匠ビリー・ワイルダー監督の演出の巧みさが光る傑作だ。
 リンドバーグが単独飛行で大西洋を横断したことぐらいは多くの人が知っているが、そのいきさつについてはあんまり知らないだろう。なんせその偉業が達成されたのは今から90年前の1927年のこと。そんな時代の飛行機でニューヨークからパリまで無着陸で、しかも一人ぼっちでたどり着こうなんて現在に生きる我々が想像しても無謀という言葉がすぐに浮かんでくる。

 なぜ彼は命を懸けてまでチャレンジ精神を発揮することができたのか?、そして彼はなぜ奇跡的に大西洋横断に成功したのか?それでは行動力抜群のアメリカ人らしさを大いに感じさせてくれるストーリーの紹介を。
 1927年において、ニューヨークからパリまで(パリからニューヨークまでもオッケイ)を無着陸飛行で、最初に成功した飛行士に贈られる2500万ドルの賞金を目指してリンドバーグ(ジェームズ・スチュアート)は挑戦することを決意する。しかし、彼の前にも何人もの飛行士が挑戦するのだが多くのパイロットが志半ばで失敗していた。
 その時は郵便配達の飛行士に過ぎなかったリンドバーグは全くの無名であり、スポンサー募集、飛行機設計に苦労するのだが、誰もが大西洋横断に成功していないうちに、ようやく飛び立とうかというところまできた。
 自らが設計に携わった飛行機にスピリットオブセントルイス号と名付け、いよいよニューヨークを飛び立ちパリを目指すのだが、前日から興奮して寝れなかったことによる睡魔に襲われたり、飛行機全体に氷が付着して重さで墜落しそうになったり、今どこを飛んでいるのかわからなくなって迷子同然になったり、様々な困難に飛行中に出遭うのだが・・・

 当時の飛行機の様子が映画の中でも見られるが、これがかなり危ない。機械工学や物理学などなんだか非常に怪しい当時において、こんな飛行機で飛んだのかと唖然とする。だいたい飛行中に前が見えない飛行機って何だ!
 しかし、アメリカ人のでっかい賞金をぶら下げられて飛びついてしまうチャレンジ精神はあんまり褒められるような気がしないが、優柔不断で奥ゆかしい性格の俺から見れば少し羨ましい気になったりする。
 しかし、リンドバーグは運が良いのは確かだが、それだけでは寝ずに33時間以上も掛かって大西洋を横断できるわけがない。
 飛行機を運転しながらも地図を見て、距離、時間、燃料の必要数をアッと言うまにしてしまう計算力、どこを飛んでいるかわからなくても経験と知識によって導かれる方向を把握する力、まるまる三日間ぐらい寝なくても一人で飛行機を操縦してしまう(当時の飛行機は二人乗りが常識)恐るべき体力、どれだけ孤独でもハエ一匹とでも仲良くできる交友力・・・等によって彼は偉大な功績を遺すことができた。彼の一人だけの力では無理だったということだ。

 前述したハエ、女性から渡される手鏡など小物の使い方が抜群にうまいし、ところどころでリンドバーグの過去の出来事を挿入したりする構成が非常に巧みな映画。丹念に描かれ、重苦しい感じはなく、ユーモアも入れたりで、それでいてちょっとしたスリルも味わえたりで、この手慣れた演出は流石はビリー・ワイルダー監督だ。
 今まで自分はチャレンジすることがなかったと思ってる人、スリルと笑いと感動を一つの映画の中だけで求めている人、お金にどん欲な人等に今回は翼よ!あれが巴里の灯だをお勧め映画として挙げておこう

翼よ! あれが巴里の灯だ [DVD]
ジェイムズ・スチュワート,マーレイ・ハミルトン,バートレット・ロビンソン
復刻シネマライブラリー


 監督は前述したビリー・ワイルダー。サスペンス、コメディ、社会風刺など幅広い分野で名作を残しているのが凄い。とりあえず俺の大好きな映画として今回はアパートの鍵を貸しますを挙げておこう。
  

 
 

 
 
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