日本というよりも世界映画史に燦燦と輝く映画が今回紹介する七人の侍。その凄さはハリウッド映画が本作のリメイクとして荒野の七人という映画を撮るなど現在に至り影響を与え続けていることでわかる。俺が本作を初めて見たのは30年以上前になるが、その時まで日本映画に見向きもしなかったのに本作を観て衝撃を受けた。ハリウッドの大作よりもダイナミックさで優っているではないか。この映画の面白さはクライマックスのアクションシーンは勿論だが、巧みなストーリー展開と単なる勧善懲悪で済まされない奥の深さ。今まで何回か観ているがその度に新しい発見がある。
黒澤明監督ってストーリーテラーだったんだと、思い知らされるストーリーの紹介を。
戦国時代の農村において。そこは米の収穫が終わると野盗と化した野武士に襲われ、米だけでなく女も連れ去られたりしていた。村の人々は今年もこのままでは野武士に襲われることを恐れて、村を守るための侍探しに出る。しかし、飯を食わせるだけという条件では、なかなか侍を雇うことは困難だった。ある日のこと浪人風情ではあるが知力を備えた勘兵衛(志村喬)を雇うことに成功する。そして、勘兵衛の素晴らしい人柄のおかげもあり七人の侍を雇うことに成功。七人の侍と農民たちは一致協力して襲ってくる野武士たちと激闘を繰り広げるのだが・・・
前半の侍を雇うシーンからして楽しめる。当時の侍達は浪人と言っても野心があり、中には一国一城の主になることを諦めてない侍もいる。しかも、侍の中には農民を馬鹿にしている奴も居たりする。米だけを食わすという条件がどれだけ割に合わないかということが巧みに説明されているために侍探しの絶望感が伝わってくる。しかし、侍の中にも百姓の辛さを知っている者がいた。
そして、雇われる七人の侍が非常に個性的。知力とリーダーシップを持ち合わせている勘兵衛(志村喬)、ニヒルでクールな剣豪である久蔵(宮口精二)、ちょっと怖そうだが馴れ馴れしい面も持ち合わせている菊千代(三船敏郎)と名乗る男など。菊千代が侍の格好をしているのだが、実は百姓上がりだったことがバレるのだが、そのことが悲劇性をもたらすストーリーも胸をうつ。
七人の侍たちが農村に初めて来たときの。農民たちの態度に驚く。農民たち全員が侍たちが来ることを歓迎していないのだ。農民たちの中には侍の中には野盗のような奴が居ることに警戒感を隠せないでいる。そして、百姓の方でも落ち武者狩りをしているのに、侍たちも嫌な気分を持っている。彼らは最初から一体感になれていないし、百姓の中にも自己中なのが居たりでまとまったいない。そんな百姓たちを訓練していくシーンも興味深く見れる。
そして、野武士が襲ってきたときの農民達の描き方にも興味が惹かれる。威勢よく馬に乗ってやって来る野武士にビビッて逃げる農民もいるが、そんな奴に限って馬から落ちた野武士に対しては一斉に鍬などの農具で滅多打ちにしているシーンが出てきたりする。寄って高って弱い者いじめする卑屈な社会を感じさせる。
クライマックスのアクションシーンもリアル志向で興味深い。雨が降り出し、泥だらけの戦場と化すが、泥に足を取られるシーンがあったり、また刀をたくさん用意しておいて1人切ったら刀を取り換えるシーンが出てくる。よく時代劇で1本の刀で大勢の敵を斬りまくるシーンがあるが、あんなのは嘘。本当はよく斬れて2人ぐらいまで。このような本物にこだわった演出は好感が持てた。何と言っても全身全霊で戦っているように思えるのが良い。これで超人ハルクみたいな奴が登場して1人でバッタバッタとなぎ倒していくシーンなんか見せられたら興ざめしてしまう。
そして激闘が終わって、ラストシーンが印象に残る。まるで今までの戦いが嘘だったように農民たちが楽しそうに田植えをしている。その姿と犠牲になった侍たちをオーバーラップさせて、勘兵衛(志村喬)が吐く台詞が、『勝ったのは、あの百姓たちだ』。結局のところ、農民達にとって自分たちのために死んでいった侍たちのことなんか眼中に無い。単なるハッピーエンドではない憐れみを感じさせられる終わり方が余韻に残る。
それから意外にもギャグがいけてるので笑えるシーンもある。特に三船敏郎は大いに笑わせる。他にも野武士が襲ってくるのに対する事前準備が緻密に練られていくシーンも流石は黒澤明監督。本当に色々と丁寧に作られていることを実感できる。そのおかげで3時間半の長時間になってしまったのが辛い人には辛いが個人的にはそれほど苦にならなかった。それ以上に問題なのが昔の日本映画にありがちであるように台詞が聞き取りにくいこと。たくさんの名台詞があったように思うので、聞き逃している名台詞がありそうなのが残念。日本語の映画だが字幕付きがあれば、それを利用した方が良いとアドバイスをしておこう。他にも褒め忘れていることがあったように思うが、日本が誇る世界的名作映画を観ないでどうする⁈ということで今回は七人の侍をお勧めに挙げておこう
監督は黒澤明監督。本当にお勧め多数。本作と同じ時代劇なら用心棒、隠し砦の三悪人ヒューマニズムを謳いあげた作品として生きる、赤ひげ、社会派サスペンス映画として天国と地獄をお勧めに挙げておこう
黒澤明監督ってストーリーテラーだったんだと、思い知らされるストーリーの紹介を。
戦国時代の農村において。そこは米の収穫が終わると野盗と化した野武士に襲われ、米だけでなく女も連れ去られたりしていた。村の人々は今年もこのままでは野武士に襲われることを恐れて、村を守るための侍探しに出る。しかし、飯を食わせるだけという条件では、なかなか侍を雇うことは困難だった。ある日のこと浪人風情ではあるが知力を備えた勘兵衛(志村喬)を雇うことに成功する。そして、勘兵衛の素晴らしい人柄のおかげもあり七人の侍を雇うことに成功。七人の侍と農民たちは一致協力して襲ってくる野武士たちと激闘を繰り広げるのだが・・・
前半の侍を雇うシーンからして楽しめる。当時の侍達は浪人と言っても野心があり、中には一国一城の主になることを諦めてない侍もいる。しかも、侍の中には農民を馬鹿にしている奴も居たりする。米だけを食わすという条件がどれだけ割に合わないかということが巧みに説明されているために侍探しの絶望感が伝わってくる。しかし、侍の中にも百姓の辛さを知っている者がいた。
そして、雇われる七人の侍が非常に個性的。知力とリーダーシップを持ち合わせている勘兵衛(志村喬)、ニヒルでクールな剣豪である久蔵(宮口精二)、ちょっと怖そうだが馴れ馴れしい面も持ち合わせている菊千代(三船敏郎)と名乗る男など。菊千代が侍の格好をしているのだが、実は百姓上がりだったことがバレるのだが、そのことが悲劇性をもたらすストーリーも胸をうつ。
七人の侍たちが農村に初めて来たときの。農民たちの態度に驚く。農民たち全員が侍たちが来ることを歓迎していないのだ。農民たちの中には侍の中には野盗のような奴が居ることに警戒感を隠せないでいる。そして、百姓の方でも落ち武者狩りをしているのに、侍たちも嫌な気分を持っている。彼らは最初から一体感になれていないし、百姓の中にも自己中なのが居たりでまとまったいない。そんな百姓たちを訓練していくシーンも興味深く見れる。
そして、野武士が襲ってきたときの農民達の描き方にも興味が惹かれる。威勢よく馬に乗ってやって来る野武士にビビッて逃げる農民もいるが、そんな奴に限って馬から落ちた野武士に対しては一斉に鍬などの農具で滅多打ちにしているシーンが出てきたりする。寄って高って弱い者いじめする卑屈な社会を感じさせる。
クライマックスのアクションシーンもリアル志向で興味深い。雨が降り出し、泥だらけの戦場と化すが、泥に足を取られるシーンがあったり、また刀をたくさん用意しておいて1人切ったら刀を取り換えるシーンが出てくる。よく時代劇で1本の刀で大勢の敵を斬りまくるシーンがあるが、あんなのは嘘。本当はよく斬れて2人ぐらいまで。このような本物にこだわった演出は好感が持てた。何と言っても全身全霊で戦っているように思えるのが良い。これで超人ハルクみたいな奴が登場して1人でバッタバッタとなぎ倒していくシーンなんか見せられたら興ざめしてしまう。
そして激闘が終わって、ラストシーンが印象に残る。まるで今までの戦いが嘘だったように農民たちが楽しそうに田植えをしている。その姿と犠牲になった侍たちをオーバーラップさせて、勘兵衛(志村喬)が吐く台詞が、『勝ったのは、あの百姓たちだ』。結局のところ、農民達にとって自分たちのために死んでいった侍たちのことなんか眼中に無い。単なるハッピーエンドではない憐れみを感じさせられる終わり方が余韻に残る。
それから意外にもギャグがいけてるので笑えるシーンもある。特に三船敏郎は大いに笑わせる。他にも野武士が襲ってくるのに対する事前準備が緻密に練られていくシーンも流石は黒澤明監督。本当に色々と丁寧に作られていることを実感できる。そのおかげで3時間半の長時間になってしまったのが辛い人には辛いが個人的にはそれほど苦にならなかった。それ以上に問題なのが昔の日本映画にありがちであるように台詞が聞き取りにくいこと。たくさんの名台詞があったように思うので、聞き逃している名台詞がありそうなのが残念。日本語の映画だが字幕付きがあれば、それを利用した方が良いとアドバイスをしておこう。他にも褒め忘れていることがあったように思うが、日本が誇る世界的名作映画を観ないでどうする⁈ということで今回は七人の侍をお勧めに挙げておこう
監督は黒澤明監督。本当にお勧め多数。本作と同じ時代劇なら用心棒、隠し砦の三悪人ヒューマニズムを謳いあげた作品として生きる、赤ひげ、社会派サスペンス映画として天国と地獄をお勧めに挙げておこう
私が今までに観た日本映画約800本の中で、1、2を争う最高作品です。
トラックバックさせて頂きました内容は、リアルタイムで観た時の鑑賞記です。