先日のことになるが、歌手であり女優としても活躍されていたドリス・デイさんがお亡くなりになられた。享年97歳、合掌。彼女が出演した映画で最も有名な作品と言えば今回紹介するアルフレッド・ヒッチコック監督の知りすぎていた男。歌手である彼女の持ち味が十二分に発揮された作品であり、彼女が歌う主題歌『ケ・セラ・セラ』(どんな歌かググりたい人はこちら♪→ケ・セラ・セラ)は有名だ。
常に悩み事が多い俺なんかは自分自身によくケセラセラと言い聞かせていることが多いのだが、悪夢のような出来事が起きる本作の主人公に、このような言葉をかけるのは流石に不謹慎。小さい子供を抱える夫婦にとって、最も恐ろしい出来事が襲い掛かる。
サスペンス映画の神様と呼ばれることが多いアルフレッド・ヒッチコック作品群の中でも非常に楽しめる部類に入るストーリーの紹介を。
医者であるベン(ジェームズ・ステュアート)は元歌手であり妻であるジョー(ドリス・デイ)と息子の三人でアフリカのモロッコに観光しに来る。バスの中でアラブ人といざこざに遭ったときにフランス人のベルナール(ダニエル・ジェラン)に助けられたことから、彼を夜の夕食に誘う。しかし、ベルナールに急用ができてしまい夕食はベンとジョーの2人だけと思いきや、後ろに座っていたイギリス人の老夫婦から話しかけられて意気投合。翌日、この老夫婦と市場に行き見物をしていると、何やら周りが騒然としだす。アラブ人が倒れ込みながらベンの耳元で囁く。『某国の政府の要人の暗殺、アンブローズ・チャペル』と謎の言葉を残して間もなく死亡。実は死んだ男はアラブ人に変装していたベルナールであり、彼はフランスのスパイだったのだ。
地元の警察に参考人としてベンとジョーは呼ばれたために、老夫婦に息子を預けてホテルへ先に帰らす。しかし、ベンは警察の取り調べを受けている最中に息子が老夫婦に誘拐されてしまったことを知り、絶望的な気分になりながらも息子を助けるためにロンドンへ飛ぶのだが・・・
何気ない普通の市民である夫婦が、暗躍するスパイから聞きたくもない超重要秘密事項を知らされて息子が誘拐されてしまう。しかも、自分たちには全く関係のない国際的な陰謀に巻き込まれてしまうオマケ付き。この設定がヒッチコック監督の得意とする巻き込まれ型サスペンスだ。息子を助けたいのは当たり前だが、要人暗殺計画阻止の役割まで背負わされてしまう不運。さすがにコレは見ていてケセラセラなんて言葉を掛けられない。息子が誘拐されたことを知った時のドリス・デイの絶叫は、実際に息子を持つお母さん達なら彼女の気持ちがよくわかるだろう。
冒頭での打楽器のシンバルを叩くシーンが、後半での演奏会でのクライマックスシーンで抜群の効果を発揮する。この演奏会が10数分ぐらいのシーンだと思うが、このスリルを感じさせる演出方法が抜群の出来で大いに感心させられる。そして、主題歌のケ・セラ・セラがこの映画を盛り上げる。渾身のドリス・デイの歌声を是非映画で聴いて欲しい。
ショッキングな展開なのだがユーモアが他のヒッチコック作品より多く入ってくる。笑いとサスペンスが上手くミックスしていて、イギリス流のブラックジョークを見ることが出来るのもお勧めポイントだ。
そして本作がヒッチコック監督らしいと感じさせるのが、殆ど頼りにならない警察、見ていて危なっかしい主演女優の行動力、短剣が背中に刺さる殺され方、ボケをかますギャグ、観光名所の活用、スパイ映画、意外性のある配役等など、随所に他の作品でも観ることができる彼らしさがたくさん出てくるのが良い。
ドリス・デイがケセラセラを歌っているシーンを見たい人、実はヒッチコックの映画を観たことが無いのだがどれから観たら良いのか迷っている人、名匠の熟練のテクニックを感じたい人、サスペンス映画が好きな人等などに今回は知りすぎていた男をお勧め映画として挙げておこう。
監督は前述したアルフレッド・ヒッチコック。お勧め映画が多数で人によって彼のベスト3が変わるだろうが、個人的に好きな順で5本だけ挙げると、北北西に進路を取れ、ハリーの災難、見知らぬ乗客、バルカン超特急、疑惑の影って感じです。
常に悩み事が多い俺なんかは自分自身によくケセラセラと言い聞かせていることが多いのだが、悪夢のような出来事が起きる本作の主人公に、このような言葉をかけるのは流石に不謹慎。小さい子供を抱える夫婦にとって、最も恐ろしい出来事が襲い掛かる。
サスペンス映画の神様と呼ばれることが多いアルフレッド・ヒッチコック作品群の中でも非常に楽しめる部類に入るストーリーの紹介を。
医者であるベン(ジェームズ・ステュアート)は元歌手であり妻であるジョー(ドリス・デイ)と息子の三人でアフリカのモロッコに観光しに来る。バスの中でアラブ人といざこざに遭ったときにフランス人のベルナール(ダニエル・ジェラン)に助けられたことから、彼を夜の夕食に誘う。しかし、ベルナールに急用ができてしまい夕食はベンとジョーの2人だけと思いきや、後ろに座っていたイギリス人の老夫婦から話しかけられて意気投合。翌日、この老夫婦と市場に行き見物をしていると、何やら周りが騒然としだす。アラブ人が倒れ込みながらベンの耳元で囁く。『某国の政府の要人の暗殺、アンブローズ・チャペル』と謎の言葉を残して間もなく死亡。実は死んだ男はアラブ人に変装していたベルナールであり、彼はフランスのスパイだったのだ。
地元の警察に参考人としてベンとジョーは呼ばれたために、老夫婦に息子を預けてホテルへ先に帰らす。しかし、ベンは警察の取り調べを受けている最中に息子が老夫婦に誘拐されてしまったことを知り、絶望的な気分になりながらも息子を助けるためにロンドンへ飛ぶのだが・・・
何気ない普通の市民である夫婦が、暗躍するスパイから聞きたくもない超重要秘密事項を知らされて息子が誘拐されてしまう。しかも、自分たちには全く関係のない国際的な陰謀に巻き込まれてしまうオマケ付き。この設定がヒッチコック監督の得意とする巻き込まれ型サスペンスだ。息子を助けたいのは当たり前だが、要人暗殺計画阻止の役割まで背負わされてしまう不運。さすがにコレは見ていてケセラセラなんて言葉を掛けられない。息子が誘拐されたことを知った時のドリス・デイの絶叫は、実際に息子を持つお母さん達なら彼女の気持ちがよくわかるだろう。
冒頭での打楽器のシンバルを叩くシーンが、後半での演奏会でのクライマックスシーンで抜群の効果を発揮する。この演奏会が10数分ぐらいのシーンだと思うが、このスリルを感じさせる演出方法が抜群の出来で大いに感心させられる。そして、主題歌のケ・セラ・セラがこの映画を盛り上げる。渾身のドリス・デイの歌声を是非映画で聴いて欲しい。
ショッキングな展開なのだがユーモアが他のヒッチコック作品より多く入ってくる。笑いとサスペンスが上手くミックスしていて、イギリス流のブラックジョークを見ることが出来るのもお勧めポイントだ。
そして本作がヒッチコック監督らしいと感じさせるのが、殆ど頼りにならない警察、見ていて危なっかしい主演女優の行動力、短剣が背中に刺さる殺され方、ボケをかますギャグ、観光名所の活用、スパイ映画、意外性のある配役等など、随所に他の作品でも観ることができる彼らしさがたくさん出てくるのが良い。
ドリス・デイがケセラセラを歌っているシーンを見たい人、実はヒッチコックの映画を観たことが無いのだがどれから観たら良いのか迷っている人、名匠の熟練のテクニックを感じたい人、サスペンス映画が好きな人等などに今回は知りすぎていた男をお勧め映画として挙げておこう。
知りすぎていた男 [DVD] | |
ジェームズ・スチュワート,ドリス・デイ,ダニエル・ジェラン | |
ジェネオン・ユニバーサル |
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監督は前述したアルフレッド・ヒッチコック。お勧め映画が多数で人によって彼のベスト3が変わるだろうが、個人的に好きな順で5本だけ挙げると、北北西に進路を取れ、ハリーの災難、見知らぬ乗客、バルカン超特急、疑惑の影って感じです。
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