6月23日、サンフォルテフェスティバルのワークで「音楽史から見える女たち」がありました。講師は、国立音楽大学の名名誉教授小林緑さんでした。
自家出版された「女性作曲家ガイドブック2016」を参考に、音楽史に埋もれた女性作曲家の紹介と才気ある女性の芽を摘んだ社会構造について説明がありました。男装の麗人で、歯ブラシで窓から女性解放運動を指揮したエセル・スマイス。ファニー・メンデルスゾーン・ヘンセルの曲は晩年一族の名で共同作曲として出版されました。彼女の舟歌を聞きました。とても美しい優雅な曲でした。
「優しい女を得たものはこぞって歓声を挙げよ」という男性だけをたたえているベートーベン交響曲第9。「夫を救ったそのような妻を得たものを歓呼で迎えよう」の歌詞があるレオノーレ。オーストリアの国家の歌詞は、おかしいという声が上がり改定されたそうです。ドイツでも国歌を変えようという動きがあるが首相が反対しているそうです。
映画「未来を花束にして」は、題名や、日本の女性参政権について描いていない、王制への無批判という問題点がある。柳宗悦の妻兼子はコンサートを開き、夫を応援した。彼女は「ベートーベン第9やレオナーレには出ない」とはっきり拒否した。女性の仕事が正当に評価されず、女性差別に気づき、言うべきことをはっきり言うことが大切であるなど、今まで気づかなかった音楽史における女性差別の問題について多く提起していただき、視野が広がりました。気づいたことをこれから若い人に広げていきたい。