花鳥風月

生かされて行くもの達の美しさを見つめて,
ありのままの心で生きている日々の、
ふとした驚き、感動、希望、

北大の銀杏並木

2008-11-03 21:58:43 | Weblog
  
         銀杏の樹は
         特別の樹。

         「生きた化石」といわれている程太古の命。

         まるで人間の男女のように
         雌雄異株で、レディファースト。

         「葉擦れる音」で「恋を語る樹」!

         中国から日本に帰化して多くの弟子に
         御経を伝えた御坊様の杖に根がついていて
         いつしか大きな銀杏の樹になったそうな、、、、!

         昔、本で読んだことがあった。
          
         他の植物には仲間がいるのに
         銀杏の樹には仲間の
         「属」も「科」も無いという。

             唯一の樹

     大学卒業して、偶然のことから
     東京大学に勤めた時
     銀杏並木の美しさに見とれた日が懐かしい。

     「東大の学生さんの校章」が銀杏の葉だった。

     「銀杏の葉が黄色くなる前には試験勉強を済ませた。」
      勤務先の実験室に遊びに来ていた学生さんが話していた。

    和歌山県の古座川町のお寺には巨大な銀杏の木がある。

     「ギンナン」がいっぱい落ちていたからオスなのだろう!
     しかし、
     この雄の銀杏の樹には大きな垂れ下ったオッパイガある。

     夕焼けの中で美しい女の人に見えるときもあった。

    お寺の和尚さんは
    「銀杏の樹」のお乳には、食べても食べても無くならない
     白いお団子がいっぱい入っていてな、、、
    子供たちの豊かさを見守ってるのじゃよ、、、。

     秋野日に、たった数時間で音をたてながら
     一斉に葉が散ってゆく
     南紀の銀杏の大木。

    小学校の時、
      和尚さん先生は教えてくれた
     「銀杏の樹」の「おっぱい」の話です。

     あれから55年も過ぎました。

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    今日は「北海道大学」の銀杏並木を見にゆきました。
     
    さすがに歴史の新しい
    北海道の銀杏並木は
     まだまだ
   「巨木の銀杏の樹」が見られませんが

    「公孫樹」と言われるだけあって、
     ゆっくりと育つ銀杏は、
     青年のような若いしっかりと未来に向かう並木道です。

    並木道を金色の葉を踏みながら歩いていると

     『これから「銀杏の樹の下で」という映画をするというので
     ぜひ観ていってください。』

     中央ローンの中の講堂に入った。

     北大の学生だったころ、
     埋めた思い出のタイムカプセルを
     掘り起こしにやってきた老人が、
     すっかり新しくなった大学の校舎を見て茫然としている。

     50年前に埋めたタイムカプセルが見つからない。

     女子学生が一生懸命サポートしても
     「さびしい顔」である。

     そして、銀杏並木にさしかかった時、
     「昔と同じ景色だ、、、」と。

     笑顔になる、、、

     抒情詩のような映画であった。

     人間はたった100年に満たない人生を
     自分が主体でせせこましく生きている。

     悠々と千年を単位に輝きながら学生を励まし
     煌きながら、言葉を伝えてくる銀杏の並木。

     フランスには田中角栄首相の名前がついた
     ボケ防止の薬がありましたが、、、今もあるでしょうか?
     奥さんを亡くされて、、、ボケそうになったら
     銀杏並木を散歩しましょう!

     亡くなったあなたの恋しい人が
     銀杏の木になって
     ヒラヒラ、、、キラキラ、、、葉を煌く言葉に変えて
     あなたに囁くでしょう。
     「私は、、、ここにいます、、、。」

     北大のキャンパスの美しさは
     比類なき美しさだと伝えられています。

     結婚間もないころ、
     東京から母が来ました。

     「どんな処へ行きたい?」と聞いたら、
      迷わず言いました。


     「ボーイズ ビ アンビシャス」の「北大を案内してネ!」

     最近台風で折れたポプラ並木が、
     まだ北大のシンボルとして健全な頃

     母は北大のポプラ並木に感動していました。

     そして、銀杏並木にさしかかると
     銀杏は「長寿の象徴の樹よね、、、。」と

     葉を「しおり」にすると言って持ってつきました。

     母が亡くなって、母の一冊の本の間から

     一枚の「銀杏の葉のしおり」が見つかりました。

     太古から生き続ける
     銀杏の樹の見続けた
     何千年のドラマの中に
     母の「北海道大学の銀杏並木の思い出」が
     しおりになって、白髪の私に届けられました。

     「本州から嫁ぎし娘と母親の思い出の並木道。」

     銀杏の樹の下で、人間ドラマが繰り返されて、
     思い出がヒラヒラト翻る扇の舞。

     北海道大学の学生さんの成長を
     見つめ続けるだけではなくて

     銀杏並木とともに
     北大の歴史が
     札幌市民皆の思い出になっているのですね。
     
     今日もまた
     卒後50年の、妻を亡くした
     白髪の、
     もと学生さんが、
     銀杏の葉擦れの「言葉を聞きながら、、、」

     「お前、、、と此処で踊ったステップを、、、」

     ツン、、タッタ、、、ツン、、タッタ、、、。
     懐かしい思い出のダンスのステップを踏みながら
     いつしか心が軽やかに笑顔で歩いてゆきました。

    北海道の北大の銀杏並木は、、、
    本州生まれの私の思い出の道でもあるのです。