今年こそ、、、年賀状の一枚は、
お世話になった70年の御挨拶にと
来し方のはがきをめくるこの頃ですが、
しばらく、、見つめ、、、そして、
返事の書けなかった葉書が光る。
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、、、、、、
時の経過が たまらなくいいのです、、、
お誕生日が来て
ひとつ、、、年をとったからって
開き直っている和気ではありません、、、
レコードの ビザンツ聖歌に合わせて
ストーブの上で
シチュウもコトコト、、、
歌っています。
ヘテロホテ、、、デス
ごきげんよう
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絵葉書なのです
美女が3人 ミニスカートで闊歩しています。
雲の上を
彼女たちの顔は
太い角が巻跳ねたセットの髪に見える、、、水牛
首から太くなってる ,、、鰐
笑ってるのか、じゃれているのか?
口を半ばに開いた、恋する獣たちの顔。
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しばらく、、、はがきを裏返したり、
もう一度読んだり、
ジーと獣美女のスリムな足を
小指でなぞったり、、、
1972年という 43年前の
天然のエスニック詩人のような
彼女の「泥色の巻きスカート」が
木漏れ日にあたって、緑がかっているのを見た。
朴の木の大きな枯葉を 思い出した。
71歳になった私は、
43年前に、葉書を受け取った時と
あまり変わらないしぐさで
葉書きを指先で支えて、、、見ている。
やっぱり、ソートしておこう
まして、お年玉付きの年賀状は出さないでおこう。
彼女は「おんな、、、」
私は「女性」
答えが書けないのは
いつも一緒の所に居ても
彼女は「メビウスの輪の上にはいない。」
「メビウスの上を歩いているのは、、私の夫」
「メビウスの裏を歩いているのは、、私」
彼女は、葉書の絵のように
いろいろな顔をして。
雲の上を歩いていた。
40歳の エスニック詩人の
おしゃれな彼女からの葉書が途絶えたのは
遠く海を渡ったと、
人づてに聞きました。
お返事が書けなかった、、、葉書の詩人
そーとして
気配を消して
葉書きの獣美人の絵を見ていた。
、 もしも、お返事を書いたなら
彼女を「おんな」の舞台から、降りるように
手招きしそうになるのです。
素敵な恋する詩人の「おんな」の香りがする
朴の木の白い大きな花弁が
枯れ色の芝生の上で
寝ているのを
あまたの枝が光をさえぎっては
木漏れ日で
「おんな」の口元を射す
イメージを膨らませて、葉書
アルカイックの口元になっている、、、私。
引き出しに入れたままの、、、43年間。
年賀状は、今年も、、、書けない。
部屋着に絵具で、彼女の恋を描きました、
ポケットの中で
彼女の恋は、、、こんな、、、幼い恋とは違うのよ!
、、、て、
私の幼さから、立ち去ってゆくでしょう。
今年も「シクラメンの花」の歌が聴こえてきます。
とうとう「おんな」を、しそこなった71歳が
掃除、洗濯、買い物と、
ドタバタと大晦日を迎えます。
私には、世界で一番の「息子たち」
真昼の太陽が、
ひねもす照らしてくれるから、
日本画のように「影が無い」、、、旅をした71年でした。