花鳥風月

生かされて行くもの達の美しさを見つめて,
ありのままの心で生きている日々の、
ふとした驚き、感動、希望、

雪の連休

2009-01-12 03:07:48 | Weblog
       雪の連休

  40年前、結婚して
  初めて「留萌」の宿舎で
  冬を迎えた時の事を思い出します。

  日本海に面した
  崖の上の老朽宿舎は、

  玄関から雪が吹きこみ
  廊下は長靴のまま歩きました。

  部屋は6畳一部屋で、
  共通の炊事場の
  流しは幅が1メートルで

  水を出して5分後には凍結するのです。

  一回使うごとに
  地面の下に水を落とす
  ハンドルがついていました。

  坂道を降りてゆくと
  小さなデパート?がありました。

  もっと降りてゆくと

  魚がイッパイ荷揚げされる
  船着き場のような港がありました。

  「きゅうり、、」という
   スリムな魚を
  漁師のお兄さんに分けてもらっいました。
  
  しかし、、、

  魚をもらって帰る間に、
  吹雪です!
  1メートル先が見えません。

  まるで
  冬山の天気のように
  きまぐれです。

  この地で、
  海だけ見つめて、
  長男を2歳半まで育てました。

  二人の間には
  言葉は要りませんでした。

  荒波を見つめる日々
  息子は私自身でもあるかのように
  言葉は役に立ちませんでした。
  

  札幌に来てからは、

  雪かきは
  「私の仕事として定着しました。」

  
  留萌の大雪と猛吹雪と
  気まぐれ天気のおかげ様で
  私は、北国の洗礼を受けた思いでした。

  南紀で生まれて、
  のほほん、、、と
  東京の大学で
  ハイヒールで歩いていた、、、娘時代。

  結婚は人生を変えました。

  留萌では、
  初めての妊娠を守り切れずに

  可哀そうな我が子は、
  雪の中で、
  流産してしまいました。

  マイナス28度の冬の日でした。
  雪は真っ赤に染まりました。

  冬を知らなかった
  未熟な私は
  母親になる資格さえありませんでした。

  それから、2年後、
  長男が生まれてくれました。

  強い子供です!
  2月の厳寒期に誕生です。

  感謝です。

  一生懸命「北国の冬」と闘いました。

  スキー教室にも親子で参加しました。

  札幌に
  自宅を持てるようになってからは

  雪かきも
  屋根の雪下ろしも
  車庫の雪下ろしも
  物置の雪下ろしも

  雪を扱えるようになろうと願うあまり
  学習のつもりでチャレンジしました。

  中谷宇吉郎先生の「雪の本」も読みました。
  毎日違う雪の結晶と温度の語るロマン!

  窓ガラスの氷紋の
  模様の織りなす科学のメッセージ!

  雪を搔きながら思うことは
  「同じ雪には会えない」ということです。

  昨日の真夜中の雪は
  キラキラと光りながらふわふわとして
  御伽の国のような雪でした。

  あれから、、、40年!

  60歳を過ぎてはいても
  上腕ニトウ筋は
  青年のように筋肉がつきました。

  三連休の大雪は
  除雪できました。

  やっと、、、
  北国の住民に
  なれたように思いました。

  ただし、、、
  かっては、、、
  こんな事もありました。

  屋根の雪下ろしに
  4時間ぐらいかかってしまいました。
  クリスマスの日だったのに、、、!。

  主人とのコンサートの約束を
  守れずに

  ドレスに着替えたまま
  ソファーで寝てしまいました。

  雪かきのあとは
  汗が滝のように流れます。

  シャワーを浴びて、
  マッサージいすに座ると

  この頃は

  知らないまま、、、
  眠りこけてしまうのです。

  、
  コンサート会場で
  
  券を無駄にしてしまった主人は
  
  あれから、、、
  二度と誘ってはくれません。

  雪かきをとるか?
  レディであることをえらぶか?

  いつも、、、
  心は迷うのですが、

  雪かきで明け暮れた三連休でした。

  
 

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