マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

道頓堀の洋食でクラシカル気分

2020-02-02 15:45:53 | 大阪ミナミ
茫日南地。ひとたび洋食の口になっては、他のもので代用利きません。
そんなわけで、男同士で道頓堀の角をめざすことに。

  


まだ正月気分抜けきらぬ界隈とあっては、どこを覗いても
えらい人混みで、カレーショップも覗きましたが満席。
ここも少し待ちましたよ。


   


今回はすき焼き屋の隣にあって目立たぬ入口の方。

待つ間に、落ち着いた客層を見るともなく見るもまた愉し。
お、松竹座の正月大歌舞伎に出てる松嶋屋さんが粋筋のお客と差し向かい。
結構ですなぁ。こういうのがいかにも芝居町。

ささ、我等、いたって色気はないけれど、とっとと注文いたしましょう。


  

 マカロニグラタン ¥1000 クラシカル洋食の幕開けにふさわしい。

 さて「はり重本店」は戦前は新世界市場の入口、ちょうど阪本精肉店の辺りに
 あった。戦後、道頓堀の角の一等地へ来るにはなかなかの政治力というか、
 生半可な商売人では真似のできない知恵があったのだと思う。
 大正8年に堺で最初の店を出したという。

  

 タンシチュー ¥1450 たっぷりのドミグラスソースがうれしい。
 付け合わせも手を抜いていない。


  

 ビーフカツレツ ¥2200 きょうびの東京から入って来た牛カツとはちがう。
 なんだね、ありゃあ。 関西では昔っからカツといえば牛肉と決まってた。

  

 ビーフスパゲッティ ¥1350 インデアンを思わせる茹で置きスパに
 ごろりとした肉のシチューがかかっている。 悪かろうはずなし。

  

 ハンバーグステーキ ¥1750 
 半分呆れ顔のギャルソンが、次から次へと運んできますよ。
 我等、それを次々にペロペロと平らげていくのみ。 
       

 
 カレーライス ¥850 御堂筋沿いにカレーショップもあるが、やはり、
 ここで食べると一段気持ちが違います。

 カレーライスに卵黄が載って来るあたり、古いミナミスタイルですな。
 そもそもマイルドなのだから、無くてもいいんですがね。



  カツカレーライス ¥1400
  カツカレーの場合の玉子の処遇はいつも悩み。どうしたって格好がつかない。
  こんな案配で出てくると、躊躇なく上からカレールーをかけられる。
     

  たまりませんな。
  誰にでもイメージしやすい味。
  海馬あたりがズルズルに液状化しそうです。

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最期の徳家と女将大西さん 天の巻 

2019-06-24 01:47:50 | 大阪ミナミ

   数多の番組でお世話になりました。女将の大西睦子さん

   いつもきちんと和服を着て、IWC国際捕鯨委員会に乗り込んで

   日本の食文化を理解してもらうアピールをされていた。


    
     



  はりはり鍋は水菜がおいしくなる大阪の冬の味。

  鯨の身は片栗粉をうって、さっと熱湯にくぐらしてある。

  こうすると肉の水分が閉じ込められ、軟らかくなる。



    


  ハリハリ鍋 ¥3600


    



  長いこと忘れてた味・・・やっぱり旨い!
 


    



    



  大阪の鯨食文化を守らなあかんと張り切って来た大西さんも76歳におなりになる。

  そりゃこっちも歳をとるわけだ。

  日本は今年、商業捕鯨を再開することにした。 自分の活動も終えるいい機会と

  思われたようだ。跡継ぎもいないようだし。
    


      


  水菜追加 ¥1000  かのこを追加 ¥1400 
     

    

  このデザインは不気味ではあるが、うまし!

   

    



  え~い、コロも追加してしまえ ¥1400

       

     


  シメはうどんにした。¥400

  別腹など言いたくないけど、スルッと入ってしまうんやねぇ。

  だしが旨いねんなあ。



 

    

   鯨とりのタイル画など、どうしはるんやろ・・・。

   

   おかみさん、長いことお疲れさまでした


   ミナミの名物店のひとつが、また消えました。


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最期の徳家と女将大西さん 地の巻 

2019-06-24 00:42:47 | 大阪ミナミ

  またも大阪ミナミの話になるが、令和に変わった5月。

  平成の世と共に幕を降ろした店があった。

  新聞各紙がとりあげた、徳家の終焉。

 

     
    

 

  最後になるから、大西さんを激励に行こうと一夜、千日前へ。

  何年振りのことだろう。10年は来ていない。

  
      
      
    

 ここに上方旅館という粋な日本旅館が、ビル街の中にポツンとあった。

 いい風情の旅館で、あとで歌舞伎の役者や落語の志ん生・志ん朝親子も贔屓と本人に聞いた。

 ビルになってからもこの中にトリイホール、千日亭があり、落語会や演劇が催されている。

 そんな中に似つかわしくない、徳家があった。 ここへ入る前もうっすら覚えている。
   


   


  
  備忘録を兼ねて、これより鯨料理のオンパレードとなる。

  徳家の思い出と共に、これほど豊かなメニューがあったことを

  胸に刻んでおきたい。
    
     

     


  まずは定番中の定番、鯨ベーコン ¥1500

  これほど上物はなかなかお目にかかれない。


     


  
  これは鯨のタタキだったような・・・ 

     

    


  
  刺身盛り合わせ 尾の身・畝須・脂須の子・赤身・本皮 ¥1200

     

     

 

   生レバー(心臓)


     


   生さえずり ねっとりしているがしつこくない


     



  給食世代は泣いて喜ぶ、竜田揚げ ¥800

 

     


   
  コロおでん ¥1500 コロにはクセが付き物だがこれにはなかった。

  コロをいれることでおでんのだしがガラッと変わってしまう。

  大阪の関東煮(かんとだき)はコロが無かったら成り立たないといわれる。 

 

       

   
  さえずり煮 ¥1200 

  軟らかい!・・・ここまでするのにどれほどの手間がかかってるか。
   
       

       

 

  鯨カツ ¥1000 昔は安いかつ丼というとクジラだったりしたもんだが。

  ぜんぜん、まったく別物。 うまし!



       


  鯨サラダ ¥600


       


  ボコボコ沸騰して出てきたどてやき

  この後は、いよいよ本命のクジラのはりはり鍋に!

   

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ハイカラなり南地の一夜

2019-06-15 22:57:55 | 大阪ミナミ


  法善寺を西へ抜けた表参道。

  アラビヤコーヒー、天ぷら島谷、インデアンカレーなどと並び、

  今も生き残る、バー238。 ふみやと読む。

  
  


  昭和23年8月の創業。

  ここへは映画評論家の滝沢一先生に連れてきてもらった。

      35年は前の話。 その頃、オヤジさんも若かった。

  さてと…ここのスペシャリテがこれ。キャベツいため。


  


 メニューなどあるぢゃなし。 師匠が「キャベツやってくれるか」

 言うてたのを真似て、キャベツやってください…というだけ。

 あれから幾星霜。

 角のハイボールとキャベツ。 かしいだバックバーと共に、ここ238の

 確固たる魅力。


   


 ここで一息いれて…

 精華小学校ウラの洋食店へと向かう。 

 

  


 「重亭」みたいな店で、独りナイフフォーク使いながら、ビールの小瓶を

  やってるような親爺になりたかった。

  たしか戦前にも重亭があったと何処かで読んだが、その直系ではないらしい。

  そもそも自由民権運動から自由ということばが巷で流行り、大阪で最初のホテル

  自由亭ホテルが開業したり、大衆洋食の自由軒本店ができたりした。


  
  


 オムレツ…付け合わせのスパゲティーなどが律儀で好感持てる。


  

  
 コロッケでもポーツカツ、ビフカツでもなく・・・。

 メンチカツ。


  


  シメは典型的スタイルのオムライス。

  半熟オムレツをご飯のいただきに乗せ、ナイフでおなかを切ると、

  半熟な玉子ゲルがご飯の斜面をどどど…と雪崩のように滑り落ち、

  結果的に裏巻きになるというパターンのオムライスもあるが、

  やはり、フライパンをあおり、薄皮一枚巻きあげるオムライスこそが典型。

  さすがでござんした。

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大阪の醍醐味、南地飲み。

2018-05-11 01:41:08 | 大阪ミナミ


茫日、たまに会っては飲む5人で。道頓堀松竹座の裏側からスタート。

一本入るだけでアジアン観光客はグッと減る。

とはいっても、お好み焼き「味乃家」だけは、旅の案内にでも載ったのだろう。大した混みよう。

しかし最近の「インバウンド」というヤツあ。 観光でいいぢゃねえか。 ツーリストで。

海外では通じないらしいから、日本だけで喜んで使ってるんぢゃないよ・・・ったく。

ま、それは、おいといて。






知らないと入りづらい「小料理ともか」。


ビールで喉を湿らせた後は…


女将おすすめの、三連星(甲賀)。 3人だけで酒造りをする小さな蔵。



 

 

南地を愛した芸人といえば、古今亭志ん朝師匠。

上方旅館が定宿で、ビルに建て替わった後も、トリイホールに出演。 

若手に声かけちゃ、連日朝方まで飲んだらしい。


惜しみなく芸談を語ってくれたというから、ああ、その場にいたかった。 

内海英華さんによると「神様みたいな人だった…」とおっしゃる。

我々も南地を仇やおろそかにしちゃいけない。

 





わさびするめ。 なんだ…こりゃ既製品なわけね。

ここは酒飲みには知られた店で、女将高野朋和(ともか)さんは、

関西を代表する日本酒イベント「日本酒ゴーアラウンド」や「愛酒でいと」の常連でもある。



 



大正の鶴(岡山)、白鴻(呉)、あぶくま(福島)…出てきたのを端から。


ちゃんと造り手のことも分かった上で、絞り込んだ日本酒を出す。


酔っ払いにはたぶん厳しいので念のため。







燗酒を所望するとこちら、「白鴻」赤ラベル。







なんだったかの卵とじ。 見りゃわかるってか…?

どこが小洒落たというものでもないが、こういう小料理屋を一軒しっていれば

いざってェ時に必ず、役に立つ。


さて、河岸を変えて~


東心斎橋の「喜鱗」へ。






ミナミの魚好きには知られた店。







店主、山本陽一郎さんひとり。 しゃべりも効いている。

ここは店主の魅力なしにはあり得ないね。







茶色いボコボコしたのは、ミズでしたかね。

 
さて、お造り。 店主は相当なる魚変態である。 もち誉め言葉。


魚は紀州から入るのかな。

 





イシダイ、コブダイ、カマス焼霜、アマテガレイ、大紋ハタ…など。 記憶あいまい。



 


クジラのどて煮。

 



豚足なんか行ったのね。 焼きとんそく。

 



 
なんつう面構えの魚だろう。

名前忘れた。

 





さつまいもチップス。

さて、狭いエリアを何度めか引越して。今は「うろこ屋」に戻り、

三ツ寺通りで相変わらず、珍魚を買い集めているそうだ。

この魚提灯が出てるとと、営業中。






尾鷲産ヒロメと、淡路産わかめの食べ比べ。




魚はニベ。 にべもないはここから来てるのか?

造りより、海藻が主役のしゃぶしゃぶですから。



 



てなことで、記憶が消えて行き、往生したのでありました。


 

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