レッスンのテキスト用として使用している読み物が毎回、とても面白く、感心してしまいます。特に中学3生用と、高校&社会人対象の長文読解やアクセスハンドブックに掲載された小話。
昨日は、時期的には 何故、今? とも思うのですが、April Foolに関するお話でした。(ECCジュニア中3用テキストBreakthrough)
いくつか説はあるようですが、その内の1つによれば、April Foolって16世紀頃、フランスで始まったのですね。昔、1500年頃、フランスでは新年を4月1日に祝っていたそう。カレンダーが1月1日に変更になった後も、そのことを知らず、4月1日に新年を祝い続ける人々のことをApril Fool と呼ぶようになったことが始まり!らしいのです。 へえ~ですよね。500wordsの長文読解問題は、これだけにとどまらず、中学生二人が今年はどんなApril Fool のジョークをクラスメイト達にやろうかって計画を立てるところまで… 実に笑えます。質問の中には、〇〇は、これまでに何度、April Foolのtrickをしましたか? というものも。 自分はどうかな~と、予習の段階で ふと考えてみた時、確実に1回だけ、超ウケたものがあったことを思い出しました。同時に現在のスピードとは明らかに違う「時間の感覚」についても考えさせられました。忙しい現代人はとにかくスピーディーさが求められますが、これは まだ それほどではなかった昭和のお話。。。
私がこれまでに出会った人の中でも、一番のジョーク好きといえば、フィリピン出身のReyでしょう。朝ドラ「わろてんか」が放映中ですが、とにかくよく笑い、楽しい人でした。そして私にとっては、人生初のフィリピン人の友人ということもあって、特別な存在でもありました。今から3年前になるのかな、フィリピンへ行った際、Reyと共通の友人達とは24年ぶりに再会できましたが、Reyの連絡先を知っている人は誰もおらず、会えなかったことは今でも心残りです。彼と同姓同名が多すぎて、FBで検索しても分からないんですよね…
そんな彼には、いつもジョークを仕掛けられてばかり。いつかジョークでお礼を…と思っていた私。12月の暮れにフィリピンへ帰国した彼に続き、ジュンが帰国。更にはラミールとアートも3月に帰国。いよいよ親しかった人達がいなくなり、寂しく思っていた4月1日。彼らとは文通をしていたので、まずはReyに手紙を書きました。近況報告のあと、「実はね…私、結婚することになりました」実にさら~っと。その方がより現実味が増すかな~と思って。 そして手紙の最後に、こう付け足したのです。
「追伸:この手紙の日付けを見て下さい♪」
1st of April, 1991
賢いReyが、これで気付かない訳がありません!手紙の内容の内、どの部分がジョークかも。これは、きっとウケた筈。実際、海の向こうでは、爆笑ものだったらしく…。 ただ、その前に、流石、Reyというか… 私が全く予期していなかった事態になりました。
ある日、ラミールから手紙が来たのですが、その内容が… なんだか怒っているようでした。
なんでもReyから電話があり、私から手紙が届いたと興奮状態で話していたのだとか。会話の最後の方で、「あ、そういえば、彼女、結婚するらしいよー!」とReyはいい、「じゃ、仕事へ戻らなきゃいけないから、また!」と最後は慌てて電話を切ったらしいのです。
You NEVER mention this to ME!!!
そんなこと、自分には一度も話してはくれなかったじゃないか~!!!
ご立腹の様子で、これには、こちらが困惑しました。まさか、ジョークがラミールにまで飛び火するとは…
同時に、可笑しくもありました。さて、どうしよう… あれは、実はジョークで… と返事を投函してから数日後…。私の返事を待たずに、新たな手紙が届きました。ラミールからです。数日、遅れてReyからも! 当時は日本からフィリピンまで、エアメールで片道5日。往復10日。 すぐに返事を出しても、それだけの日数がかかるため、私がApril Foolの手紙を書いてから、二週間ほどが経過していたことになります。今ならインターネットで海外だろうが、宇宙だろうが、瞬時に相手に届くのでしょうけれど。
私は、当時のタイムラグが好きです。 長く楽しめる! 相手との やり取り1つひとつが今の何倍も貴重で喜びも大きかった気がする。手紙を書くのも、読むのも、今より じっくり時間をかけて、相手のことを思い浮かべる時間も その分長くて…
ラミールの手紙には、先に送ってしまった手紙については、忘れてほしい。恥ずかしいから、とありました。そりゃ、そうでしょう。冷静な彼にしては、理性がぶっ飛んでしまったかのような内容だったかなぁと、女子大生だった自分も思いました。そして、「その後」の出来事についても 詳しく書かれてありました。
「Reyから再び電話がかかってきて。その時も、また、Mayumiから手紙が来たよーと大はしゃぎしていたよ。そして、☎の向こうで読み上げてくれたんだ」
…と、一瞬、顔を上げ、驚く私。Reyったら、私信なのに、読み聞かせするのねぇ。これじゃ、二人に全く同じ内容は書けないなぁ。まあ、いいけど。
「それから、Reyが言うんだ。 この一つ前に届いた手紙も読んで欲しいか?と。 勿論!と答えたさ。 いよいよ最後の追伸の部分までReyが読み終えた時…」
ここで、一旦、深呼吸して、読む前からこみ上げてきそうな笑いを押さえつつ、再び手紙に視線を落とす私。
「きっと、想像できると思うけど。 Reyも自分も二人で大爆笑したよ!」
「完璧なジョークに大笑いすると同時に、あんなに慌てた自分自身に対しても可笑しくなって笑ってしまった。」というラミール。
時間をかけて手紙を書く。返事を楽しみに待つ。ポストに届く「ストン」という音。海外から運ばれてくる土の香り。返事は今より、ずっと長い時間をかけて手元に届く。形ある手紙として。(現在も棚にあります、エアメール)こんな時間間隔や空間の中で生きてきた私。 このテンポはそうそう簡単には変えられないかなぁ…。
人は記憶の中で生きている。頻繁に会えなくても、たとえ生涯、会うことがなかったとしても。(たとえばReyのように)一度、育んだ友情は記憶の中で永遠なんですよね、きっと。
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