日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

えーっ? 離婚⁉

2018-09-03 22:00:10 | 読書

そっ…そんな。土曜日には「スタンフォードへ行く。家族を呼び寄せる」といい感じだった律と嫁が… 日曜日を挟んで月曜の今日には、律は帰国し、東京勤務で、何故か一人暮らしをしている。そこへ正人(だっけ?名前)が訪ねて来て…おお~久々の登場だと思ったら… 嫁から電話があり、養育費のみの話題で、「あ、翼…」と息子のことを言いかけた時、ブツリ、と切れる。 

 

一体、どうなってるの!?と思いながら見ていた。あ、ごめんなさい、朝ドラの話ね。海外暮らしはストレスで、律は離婚した、という天国のおばあちゃまによるナレーションが流れ…

「えー? そんな、簡単に離婚しないでよ、律!」と叫んでしまった。翼くんはどうなるの。あのキリキリした母親と二人暮らし?呼吸もまともに出来んわ…と思い切り同情してしまった。それに東京にいるスズメと再会? 出来過ぎている。現実はこうはならない。もし、活字で小説を読んでいたとしたら、土曜日の時点で物語は終了~ あとは読者の想像におまかせします! 残りはいらない、って思っただろうなぁ。

 

正人くんの恋人の写真を見て驚いた律。誰だろ? 私にはボクテのような気が…

 

 

『もしもし下北沢』を読んだ。これは毎日新聞の日曜版で週に一回ずつ連載されていたものだ。 約二週間前に行った図書館で、偶然、目に留まった。 内容は勿論知っていたが、まとめて読んでみたいな、と思い、手にとって読み始めたのは3日ほど前のこと。 吉本ばななさんの小説は、死が近い。今回は、主人公の父親が見知らぬ女と心中し、あとに残された”よっちゃん”と、彼女の母親の物語だ。よく、予期せぬ形で身内を亡くすと、「あの日、あそこで、あのまま自分の時間は止まった…」という声を聴いてきた。平成は本当に震災が多かった。この小説は、震災ではないけれど、元気に出かけた父が、突然、心中…という、ショッキングな死。相手の人のことを 娘は? 母は? 頭の中、ぐちゃぐちゃではないだろうか。そんな母娘の心理状態を 長期間に渡り、とても丁寧に描いている。下北沢という新たな町へ越してきた娘、あとで転がり込んだ母。あの日のまま、時間が止まってしまったようでありながら、父が生きていた頃は、見知らぬ人だった誰かに会い、美味しいお料理の店を知り、何も食べたくないと思っていたのに、こんなに美味しいと感じながら二人でカレーを食べていでたりする。心と食欲をうまく結びつけて描写するのは、やっぱり、ばなな作品だと、ちょっとほっとする。 町は変らないようで、自分も変化がないようで、何かが移り変わり、前へと歩んでいるのだ。 

 今回、文庫本用に 吉本ばななさんが「あとがき」を書いている。そこには、「よく実際の身内を亡くした大人たちは、もっと色々とやることがあって、よしもとばなな作品のように 気持ちだけで… 略 …という訳にはいかない」みたいな批判を受ける、らしい。初耳だ。 彼女の父も物書きだが、その父が生前、この連載を読んで 「自分の父親のことを書いている」「長すぎる」etc…と語ったというから、興味深い。 実際に実の父をその後、亡くしたばななさんは、自分が書いた小説「もしもし下北沢」に癒されたという。「少なくとも自分と似た感性の人を癒す小説が書けるレベルにはなったかな、と思う」みたいなことを書かれていて、くすっと笑ってしまった。 ずっと前から、最初に手にした小説、「キッチン」からエッセイまで、ずっと癒されてきましたから~ ばななさんには そのように伝えたい。 そして今も、さくらももこさんを失った悲しみから少しは癒されていますように…。

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