恐らく10年以上も前に、一度、上巻を読んでいるのですが、その後、図書館で下巻が見つからず、まぁ、たまたま貸し出し中だったという訳で、続きはお預けのまま時は流れました。
主人公は小学校5年生の男の子ですが、中盤まではテーマが重く、当時の自分には耐えがたいものでした。今でも児童虐待に関するニュースを耳にするだけで、或は新聞の見出しを見ただけで怒りと共に胃が痛くなります。ブレイブストーリーに登場する両親は、今日の日本で見聞きする事件ほど残虐ではありませんが、親の理屈は子供には通用しないんです!…と本気で書きだすと止まらなくなりそうなので、ここには書かないことにして…。
昨日の夕刊には、韓国の翻訳本が紹介されており、(テーマは女性差別、そして人権)そこには次のような言葉がありました。だいたいですが、
「現実が小説を超えてしまった」と。
現実の方が小説より酷い、ということですよね。
Be brave, Wataru! そして現実を生きる、すべての子供たち!
物語の後半は、ファンタジーの世界ですが、そこで主人公の男の子が体験する数々の困難は、たとえば アパルトヘイトや朝鮮半島の南北問題など、現実世界の問題を小学生にも理解出来いるよう、上手く描かれています。流石は宮部みゆきさん!
本好きなら小学校高学年から~成人まで。
上巻だけで620ページを超える長編です。(下巻はまだ読んでいません)
忘れかけていた小説を再び思い出させてくれた友人に感謝!