健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

肥満が血糖値を発症する仕組み

2011-03-05 07:28:17 | 研究
肥満になると血糖値を高くなり、糖尿病を発症しやすくなりますが、どうして肥満が糖尿病を発症するのかそのメカニズムは明らかになっていませんでした。しかし、とうとう肥満が糖尿病を発症する仕組みがあきらかに。肥満になると毛細血管の働きに異常が生じ、血糖値を下げるインスリンが筋肉に届きにくくなるそうです(毎日jp)。インスリンが届かないと、筋肉へのブドウ糖を取り込めず、高血糖状態が続いて糖尿病を発症しやすくなるというのです。健康な人では、食後に血糖値が上がると、膵臓のβ細胞からインスリンが分泌され、血液により全身に運ばれます。筋肉では、インスリンによりブドウ糖を取り込みを行います。しかし、インスリンが毛細血管から筋肉に届く仕組みはこれまで不明だったそうです。毛細血管の細胞にIRS2という分子を持たないマウスは、通常のマウスと比べて、筋肉に届くインスリンの量が半分程度に減ったそうです。これは、IRS2がインスリンを受容して、それを伝達する鍵分子であることを示しているのでと思います。普通のマウスに脂肪分の多い餌を8週間与えて肥満状態にしたところ、IRS2が健康なマウスの2割程度に減少し、インスリンが血管から筋肉に届きにくくなっていたそうです。糖尿病の治療薬が開発できるかもしれませんね。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする