健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

Editorからの圧力

2012-02-14 08:30:49 | 研究
学術雑誌に論文を投稿する際、その雑誌に過去に掲載された論文を「引用リストに加えるように」と編集者から圧力を受けたという経験を相当数の米国の研究者がしていたとする調査結果が発表されたそうです(ASAHI.COM)。しかも、あのサイエンス誌に。これは、学術誌の影響力の目安に使われる論文引用回数の水増しを示唆する結果とも考えられます。調査は、経済学や経営学、社会学など米国の人文・社会科学系8分野の研究者約5万5千人に電子メールで調査票を送り、約6700人から回答を得たものだそうです。このうち、約1300人が過去5年以内に引用の強要があったと答え、教授クラスより准教授や助教らに多かったそうです。マーケティングや経営学、財政学など実学系の雑誌で目立ち、社会学や心理学は少なかったそうです。学術雑誌は、掲載した論文が他の論文に多く引用されるほど影響力がある有力な雑誌と評価されます。Citation IndexやImpact Factorの算出に使われるもので、研究者は投稿雑誌をこうした数値を考えて投稿する傾向があります。強要への抵抗が少なそうな若手が狙われやすく、いったん「やらせ」が始まると他誌にも広まる、と研究チームは結論づけ、「学術団体が声明を出してやめさせるべきだ」と。
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