健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

握力が強い程長生き!?

2012-02-24 08:30:01 | 研究
先日、握力が強いほど長生きする傾向があることが、厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査で明らかになったという報道がありました(YOMIURI ONLINE)。死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたそうです。したがって、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるという。調査は、福岡県久山町在住の2527人(男性1064人、女性1463人)を対象に行われ、男女別に握力が弱い順から人数が均等になるように各4組に分け、年齢や飲酒状況などを補正し、死亡原因との関係を調べたそうです。握力の最も弱い組(男性35キロ・グラム未満、女性19キロ・グラム未満)を基準に各組を比べたところ、男女とも握力が強いほど死亡リスクが下がる傾向があったそうです。最も握力の強い組(男性47キロ・グラム以上、女性28キロ・グラム以上)の死亡リスクは、最も弱い組より約4割も低かったそうです。でも、この結果の解釈には注意が必要だと思います。握力を鍛えたからと言って、長生きになるとは限らないのです。おそらく、様々な因子が日常生活の行動パターンなどに影響を与え、その結果として握力に差が出たのだと思います。ですので、握力を鍛えるトレーニングをしても、あるいは握力を使うような仕事をしている人たちが長生きするとは考えにくいでしょう。
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