健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

マウスES細胞から精子

2016-03-11 08:30:43 | 研究
中国の研究チームが、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)を用いて、正常に機能する精子の作製に成功したと発表したそうです(AFPBB NEWS)。この精子を雌マウスの卵子に注入したところ、繁殖力のある正常な子孫が誕生したそうです。研究チームは、未成熟な精子様細胞(精子細胞)を生成するために、マウス胚由来の幹細胞を用いて、化学物質の混合物に曝露して、始原生殖細胞に誘導。次に、別の種類の細胞になることが可能な前駆細胞に似たこれらの始原生殖細胞を、精巣細胞や男性ホルモン「テストステロン」などの性ホルモンに曝露したそうです。このような環境に曝すことで、始原生殖細胞が正確な核DNAと染色体を持つ精子様細胞に変化する助けになるそうです。そして、この精子様細胞をマウスの卵細胞に注入して作製した胚を、雌マウスに着床。その結果、この雌マウスから生まれた子孫は、後に交尾をして次の世代の子孫を産んだとも。今回の研究について専門家らは、ヒトへの適用はまだ程遠いと注意を促しているが、男性不妊の治療につながる取り組みへの一歩となる可能性もあるとも。
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