健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

僧帽弁膜症の新手術

2016-03-21 08:30:10 | 研究
先日、心臓の僧帽弁膜症患者に対する新たな手術方法を開発されたという発表がありました(YOMIURI ONLINE)。心臓を包む心膜で弁を作製する方法で、従来の「人工弁」より利点が大きいそうです。僧帽弁膜症は左心房と左心室の間にある僧帽弁の働きが悪くなり、血液の逆流などが生じる病気です。治療では弁を修復する弁形成手術を行いますが、全体の約4割の患者は弁のいたみが大きいため、ブタやウシの組織で作る「生体弁」や炭素素材などでできた「機械弁」の人工弁に置き換えます。ですが、合併症のリスクがあるほか、生体弁では再手術が必要になる場合があり、機械弁では血液の塊ができるのを防ぐ薬の服用が必要となるなど課題がありました。今回、患者の心膜を採取し、体外で弁を作製した後、僧帽弁と置き換える手術方法を開発。自分の体の組織を使うので拒絶反応がなく、服薬も不要だそうです。生体弁は1個約90万円、機械弁は約81万円するそうですが、この弁だと約27万円で作製でき、医療費も節約できるそうです。2011年から臨床研究を開始し、12例を実施。今後1年間で同病院など全国6病院で25例を予定しているそうです。国内で年間約5700人の患者に適用可能とみているようです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする