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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

アスピリンでがんリスク低下の新しい根拠

2016-03-30 08:30:53 | 研究
アスピリンを定期的に服用することで、主に大腸や胃などの消化管がん発症リスクが有意に減少するとの研究結果がJAMA Oncologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。定期的なアスピリン服用が大腸がん予防の助けになることは、これまでの研究でも示されていたそうですが、あらゆる種類のがんに対するアスピリンの予防効果はそれほど明らかにされていなかったそうです。研究チームは、看護師や医療従事者13万6000人近くを対象とする健康調査で収集された32年分相当のデータを分析。その結果、常用量または低用量のアスピリンを週に2回以上服用している人々は、アスピリンの定期的な服用を報告しなかった人々に比べて、あらゆる種類のがんの発症リスクが3%低いことが分かったそうです。アスピリンの予防効果は、標準錠剤を週に0.5~1.5錠または低用量錠剤を1日1錠、5年間継続して服用した後に現れたそうです。そして、アスピリンの使用は、大腸がんのリスクを19%、各種の消化管がんのリスクを15%、それぞれ減少させたとも。一方で、今回の調査では、乳がん、肺がん、前立腺がんなどの一般的ながんでは、アスピリンの使用による発症リスクの減少は認められなかったそうです。アスピリンは出血や脳卒中などのリスクを伴うため、誰でも服用してよいわけではないとも。米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、多くの米国成人の大腸がんと心臓血管疾患を予防するために、アスピリンを推奨しているそうです。
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