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Westbrookが居ない分、知恵を絞りました

2009-11-03 07:45:00 | イーグルス
 同地区3連戦の2試合目NYG戦は40-17で圧勝し5勝2敗で地区首位に立ちました。マンデーナイトの@WAS戦から1日少ない準備期間とは思えない戦術転換が全て上手くいきました、コーチングで勝利した非常に珍しい試合です。

 ランの使い方を変えたのが2本のロングゲインの引き金になりました。OL出身のAndy Reidが自分の現役時代の戦術にでも拘っているのか、流行のゾーンブロックを使う事も無く、ただ個人個人の技量に頼って押しているだけなのですが、最近は縦に押さずに横に押して(全員揃えるゾーンブロックではなく勝手に横に押すチームはうちだけだと思います)開いた所にRBを入らせる、RBのスピードを殺す(良く言えばフィールドビジョンと一歩目の速さを活かす)ランを多用しています。
 この試合では普通に前に押すブロックを多用しました、Winston JusticeとBrent Celekのランブロックを信用していないのかこれまで全く使われなかった右オフタックルへのシンプルなランを使っています。ドロー系ばかりのランからテンポの速いランに変更し成功した事がオフェンス改善のキーポイントでしょう。
 2本のロングゲインではTodd Herremansの所が2度開きました。これまで横に押す為にOL-DLの所で隙間が空いてもLBが自由に動いて飛び込んで来たのですが、この2つのTDでは縦に押す事でLBを吸収しスクリメージを抜けた直後のタックルを受けずに走り抜けました。Herremansの復帰でOLを信頼するブロックに変更する事にしたのか、パスラッシュ重視のNYG DL対策なのか、Brian Westbrook欠場でLeSean McCoyに合わせたのかは分かりませんが、シンプルに飛び込ませるランをこれからも使って欲しい物です。

 先週のDeSeanのエンドアラウンドに続き、今週もJeremy Maclinが素晴らしいダウンフィールドブロックを見せています。まだ肉が付いていないカレッジのWR体型なのですが、しつこくDBに組み付き走路を開いています。トップスピードの切れ味よりもトップを維持する能力が高いと評価していますが、ブロックでも走りながら押し続けるスタミナを見せています。全力プレイを笛が鳴るまで続ける事が出来るのがMaclinの特徴なのかもしれません。レシーバーとしてもオープンフィールドでのカットだけでなく、エンドゾーンの競り合いで体を入れてのTDキャッチも有りました、1試合ごとに成長しています。

 ランでボールを持たせてくれるからとEaglesを選んだWeaverですが、本領発揮のTDランでした。これまでの走りながらホールを探すスタイルでは加速の無さで使えませんでしたが、決めた場所に飛び込むスタイルならばパワーとトップスピードのバランスの良さを活かす事が出来ます。Westbrook.McCoyとは全く違うWeaverのランを警戒させる事が出来れば相手は対策に苦慮する事になるでしょう。

 先週と全く同じパターンで54ヤードTDレシーブを決めたDeSean Jacksonのプレイですが、あそこまでディープに釣られてからあんな動きをされて付いていけるCBはほとんど居ないでしょう。連発するとカバーのSに狙われるでしょうが、あれが有ると思い込ませれば別のパターンを使う事も出来ます。カットした後の一瞬の加速で振り切るのがDeSeanの味ですが、ディープに走った後でも切れるのは相手にとっては悪夢でしょうね。

 堅実なCelekとJason Avantへのパスが見られなかったのは最近の苦戦の一因と思っていましたが、この試合では良い所で使われています。ワイドアウトがディープに引っ張り、開いた所にTEやRBが入るのが良い時のパターンですし、この試合では良い形が作れました。

 Osi UmenyioraにJason Petersがやられましたが、他はなんとか抑えました。試合開始直後のオフェンスでスクリーンがきれいに決まり(これも真横に投げるWestbrookのスクリーンではなく、斜め前に投げるMcCoy用のスクリーンが上手くいきました)その後オフタックルが出て、そしてWeaverの41ヤードランで先制した事でNYG側が考えていたであろうブリッツ多用を使わせなかったのも勝因でしょう。ブリッツを漏らしてやる気をなくしていたOAK.WAS戦とはMcNabbの目付きがぜんぜん違いました。


 ディフェンスではBrandon Jacobsに86ヤードと数字上走られていますが、ロングゲインは1回だけでしたし常に3-4ヤードに抑えました。中央の壁が完全に押さえ込みましたし、体格の割にOLを押さえるのが上手いTrent ColeとJaqua Parkerが良く踏みとどまりました。怪我の影響もあったのでしょうが、これまで相手ディフェンスを破壊してきたBradshawを止めたのも勝因でしょう。
 パスディフェンスではターゲットとQBの間に入りながら追走するカバーを多用しました。完璧にコントロールされると高さ不足もあり簡単に取られてしまうのですが、コントロールミスをすればINTが有るのでパスラッシュが掛かっていればQBには大きなプレッシャーを掛ける事が出来ます。TDを貰った場面では見事にコントロールされてしまいましたが、ランを止めてパスラッシュを掛ける勝つ時のパターンに入ることに成功しています。

 オフェンスでビックプレイを出して、ランをしっかり止める、勝つにはこれしかないと言う試合が出来ました。この勝利でOAK戦の負けを取り戻す事が出来ましたし、開幕からの課題をいくつか改善する事も出来ました。Westbrookが帰ってきた時に元に戻ってしまわないと良いのですが。


 STではEllis Hobbsの良いリターンが有った反面、PATをブロックされました。去年も何度か有りましたが、外ではなく真ん中を突破されています。Jon Drenbosがブロック力に問題があるのは分かっているのですから両サイドがフォローする形を作ってあげるのが重要なのですけれどねえ。