騒ぐほどの記事じゃないです

　Donovan McNabbが雑誌の取材の中でPhiladelphia時代に付いて語った内容を全部読みました。
　ドラフト時にブーイングを受けた事から始まり、チャンピオンシップ3連敗、スーパーボウルでの敗戦と最後泣きながら吐いていたと言う噂、怪我が増えJeff Garciaに取って代わられそうだった事、OTの引き分けルール、Micheal Vick入団、そしてトレードでの放出までの内容なのですが、どこかで読んできた内容をまとめただけで初めて聞く事はほとんど有りませんでした。
　トレードに対する感想については、これまでの建前ばかりから やや本音や裏側の部分が語られています。
　トレードされるかもしれない、そう言われ始めたKevin Kolb入団後の流れに対し、Andy Reid以下コーチ・フロント陣はMcNabbにそんな事は無いと言っていたのに、対外的にはトレードの噂を否定するコメントを一切出さなかった事、そして結果的にトレードされた事に対してReid以下建前だけで励ますふりをしていただけだった。結局責任を自分に全て押し付けて首を切ってコーチ陣は居座り続けている。
　こう言う形で公式に批判したのは初めてではないかと思います。もっと言いたい事を言って良いキャリアの持ち主だと思うのですが、同地区にトレードされたと言う事は実力を低く見られているのではないか？こう挑発された時も上手く逃げていますし、本音が聞けるのは引退後になりそうです。

ルーキー達

　ファーストチームが前半終了までプレイした@CIN戦も終わり、試合後の記者会見を聞いているとルーキー達の評価が大体分かります。

　1巡ルーキーBrandon Grahamは昨日の練習でファーストチームに入りました。これまでも時々Jaqua Parkerと交代でファーストチームに居たのですが、Grahamの方がファーストチームに長く居たのはキャンプを通じて初めてのようです。
　2巡Nate Allenに付いてSean McDermottは 実質的に初めての実戦テストをクリアした、ランパス両方で良いプレイもしたし悪いプレイもしたけれど開幕までに修正出来るだろう。無難と言えば無難なコメントですが、今後もファーストチームで使って行く事になりそうです。
　3巡Daniel君はニッケル時にDTとしてTrevor Lawsと組んだ時のプレイを高く評価され、今年はDEとしてよりもニッケルDTでの起用が多くなるかもしれません。DEとしてもサードチームでは頭1つ抜けたプレイ振りですしDE5番手として53人枠に入るのは確実です。
　4巡Keenan ClayonはWLBとして起用され、2試合連続でINTを記録しています。コンバインでの記録でLB最速の40ヤードを記録したスピードはプレイでも表現できていますが、ファーストチームにはまだ遠く、ST要員でしょう。
　4巡Mike Kafka　JAC戦はまずまずでしたがCIN戦は酷かったです。Micheal Vickがバックアップを務められないなら中堅・ベテランQBを3番手に入れるでしょうし、PS行きでしょう。
　5巡Clay HarborはCornelius IngramとTE2番手を争っています。記者会見ではブロック型TEが必要ではないかと聞かれBrent CelekとHarborは良いブロッカーと答えています。レシーブ専用のIngramとどちらが残るのか（去年はTE2人で戦いました）両方残るのかはまだ分かりません。
　5巡Ricky Sappは残念ながら今シーズンはPSで育成されるかPSにすら残れないのかの状況のようです。ドラフト前は2巡候補だったのですが、ここまで残ったのはどのチームのスカウトも良く見ていたと言う事なのでしょう（3-4OLBで使いたいチームが有るかもしれません）
　5巡Riley CooperはWR4番手をキープしました、少なくとも53人枠は当確です。
　6巡Charles ScottはRBからFBへのコンバートをキャンプで行いました。悪く言えばRBとしてボールを持たせるのが無理だからFBでの生き残りを考えたと思われます、MornhinwegはRBでもFBでもプレイ出来ると言っていますがここまで2試合はFBでの起用ですし、FBとさしてのブロックは水準以下です。
　7巡Jamar Chaneyはどうやら53人枠には残れないようで、まだ勉強中と試合後コメントされています。
　7巡Jeff OwensはCIN戦では目立ちませんでした。Trevor Lawsの評価が高いですし3番手はLawsになるでしょう、DTの4番手をAntnio DixonとBoo Robinsonの3人で争います。
　7巡Kurt Colemanは練習では素晴らしいとコーチ・ファン共に好評なのですが、JAC.CIN戦を見ていると全然良く見えません。

　13人も指名したドラフトですが、53人枠に残れそうなのはGraham.Allen.Daniel君,Cooper.
Clayton.Harbor.Colemanでしょうか、半分残れれば上出来と思います。

Herremans KC戦出場予定

　CIN戦で負傷したJeremy Maclinは肩の挫傷で済み、練習に復帰しています。CIN戦を欠場したAsante SamuelとCIN戦のウォーミングアップには参加したものの試合には出なかったMike Bellも練習に復帰しています。今週のKC戦には3人とも出場する予定になっています。

　3年前の膝の手術、去年はキャンプ直前に足首を手術して怪我が増えているTodd Herremansですが、PUPからアクティブロスターに復帰後は順調に調整が進んでいるようです、Andy ReidがKC戦に出場する予定と発表しました。練習再開から10日も経っていないのに試合に出ると言う事は怪我の程度は軽い、と思って良いでしょう。


　CIN戦ではEllis HobbsとJoselio HansonがCBのスターターとして出場し、ニッケルバックにはDimitri Pattersonが入ってていました。そのニッケルパッケージでT.OをマークしていたDimitriがINTを記録しています。Asante-Hobbs-HansonでCBの上位3人は確定しているとは思いますが、Hansonはディープで千切られる失態が2試合続きました。ニッケル専用ならば使える（使ってきた）と考えているのでしょうけれど、スロットに小型快速WRを入れて縦に走らされる事が増えるかもしれません。
　DimitriはSTのエースとしてガンナーを引き受けているのですが、CBとしてのプレイを私は好きでは有りません。去年怪我や出場停止が重なり一時的にCBとして出場しましたが、縦には速いが横には動けないように見えました。それでも、4番手争いをしている他のCBよりも評価が高いからニッケルとしてファーストチームに出たと言う事ですし、そしてINTを決めたのですから、喜ぶべきなのでしょう。


　JAC,CINと2試合続けてSTのカバーが酷いです。先週はDavid Akers温存とKen Parrishを試す為にキックオフを蹴らせ、滞空時間が短かった事も稼がれた一因と見ていたのですが7回で平均32ヤードもリターンされ、今週はAkersが普通に5ヤード程度まで蹴りこんでから4回で平均30ヤードもリターンされました。
　今ではBALのHCに出世したJohn HarbaughがSTCを辞めて以来STの質は落ち続けています。結局Harbaughの弟子達が結果を残せなかった（他所に引き抜かれた弟子は頑張っているのですけれどね）為にBobby Aprilを獲得しました。BUFのコーチ全員解雇が無ければ失業するようなコーチではない、リーグ屈指の実力者と評価されているのですが、これまでの所良い所が全く有りません。リターナー候補のDeSean JacksonとEllis Hobbsを温存している事も理由でしょうからリターンはまだ評価をするべきではないのでしょうけれど、カバーチームの酷さは2試合続いてしまった事で言い訳が出来ません。STメンバーが当落線上の若手なのはお互い様でしょうし、このままではSTの改善ではなく更なる悪化を招く事になるかもしれません。

決定力不足

　この後外出しなければならないので簡単に印象だけ書いておきます。

　Kevin Kolb（と言うよりMarty Mornhinweg）はプレッシャーが掛かり始めるとブーツを使ってパスラッシュ強化しても空振りに終るぞ、ブリッツ入れてきても無駄だぞ。と、アピールするプレーを使うのですけれど、そのプレイの時に悲しいくらいパスが通らない・・・。そこでクイックの7ヤードでもディープに決め打ちの25ヤードでも決まれば相手は慌てるのでしょうけれど、そのブーツが決まらないから次にロングが残った所をブリッツ入れられてポケット内で苦しむ事になります。ブーツを見せてブラインドサイドからのブリッツをけん制するのは悪くないと思いますが、このプレイの精度を磨かなければ意味がありません。
　ダブル、トリプルチームに投げ込むのも悪くは無いと思います。実際Winston Justiceのプレイとほとんど関係ない所での反則が無ければTDだったJason Avantへのパスもダブルチームの真ん中を射抜いています。ただ、Donovan McNabbよりパスのスピードが有りませんし、ダブルチームを打ち抜くよりも1対1で相手の届かない所に投げるような判断が必要です。

　DeSean Jacksonは誰がマークしていても簡単に振り切ってパスを受けています。McNabbとのコンビで50ヤード以上を量産していた時のような事にはならないでしょうけれど、よりオールラウンドでの仕事が出来るようになるはずです。
　Jeremy Maclinは膝かと思い一瞬重症かもしれないと心配しましたが左肩の怪我のようです。ヘルメットが当たったようなので骨折しているようだと復帰に時間が掛かるかもしれません。
　Raily Cooperは前半どれだけ出てきたのか不明です。Maclin負傷後のSEとして出ていたのがCooperだったのかもしれませんが、カメラが反対側だった事もあり確認できていません。言い換えるとターゲットになっていなかった、と言う事です。セカンドチームでは高さ勝負のパスをジャンプして簡単に競り勝っています。

　LeSean McCoyはスクリメージを抜けた瞬間の加速は素晴らしく、3ヤードを8ヤードに変える事ができるのですが、スクリメージを抜けられない時は力を出し切れずに終ってしまう印象です。もう一瞬早くギアチェンジが出来れば安定して3-4ヤード出るようになると思うのですけれど。
　Eldra BuckleyはMike Bellが居ない間にセカンドチームで素晴らしい動きを見せ続けています。問題はファーストチーム相手だと全く通用しないタイプに見える事です・・・
　
　OL陣はパスプロテクトは普通、ランブロックは押せてないです。ゾーンブロックを取り入れたような動きを見せたり、トラップやプルアウトを見せたりと去年までのただ前に押すだけからは変化が見られます。それでもランが出ないのはまずいです。Todd HerremansとNick Coleが戻ってきた時にどう変化するのか、ここに期待するしかなさそうです。

　ディフェンスではNate Allenのカバーの遅さが気になります。ミドルゾーンでのパスを投げられた際にボールを取られてから反応するような場面が有りました。投げた瞬間に動き出しても間に合わないのに捕球体制を取って始めてボールが来たのに気が付くような感じでは守れるはずが有りません。ただ、Ellis Hobbsとコンビで守ったショート/ディープの分担カバーの時は良いカバーを見せています。また、ランディフェンスで正面からぶち当たって突き倒されるプレイが有りました。代わりが居ないから仕方が無いですし、使って伸ばすしかないでしょうけれど、まだNFLのスターターとしてのプレイをする能力は無いと判断します。
　Brandon Grahamは素晴らしいプレイを連発しています。ファーストチームでもQBの所まで届くパスラッシュを見せ、セカンドチームでは対面を相手にせず打ち倒し続けました。Jaqua Parkerが素晴らしい動きを見せている為にセカンドチームですが、年齢的にも近いうちにGrahamが取って代わるでしょう。新旧交代の準備を考えてもGraham指名は正解だったと思います。
　個々の選手にもタックルが出来ずに当たっているだけ、1対1で抜かれない事を意識しすぎて（他からフォローが来るのを待ちすぎて）飛び込んでくる相手に押されて1-2ヤード余計に取られる場面が去年から相変わらず見られます。3rdで2なのか4なのかで大きく違いますし、1ヤードを大事に止めに行く所と安全に抜かせない所の判断が出来ていない（判断をさせていない）ように見えます。
　Joselio HansonとT.Oのロングパス、これもQuintin Mikellのフォローが遅かったですが、もう1人ディープに走っていましたし仕方が無いです。ここでもHansonの縦のスピード不足が表面化しました、そうでなくても怪我が多いAsante SamuelとEllis Hobbsがスターターですし3番手のHansonがスターターをやる場面が来そうなのにニッケルでしか使えないとなると大きな問題です。

　締りの悪いファーストチーム同士の前半でした。つまらない反則、気の抜けたタックルミスで点と取れず取られずで終っただけ、収穫と言える部分は少ない試合だったと思います。

　Micheal Vickは酷かったです。なんでフックで動きが止まってるレシーバーの横1メートルの所に居るCBに投げ込むのか、レシーバーの5ヤード先4人もDBが居る場所に山なりのパスを投げ込むのか（レシーバーがそこに飛び込むパスだったのを、レシーバーがDBが複数居るのを見てルートを変更したのでしょうけど）理解に苦しむ2INTでした。

　前半はT.Oへの一発からの1TDに押さえました。こっちもFG2つと先週同様にTDが取れない（これまた先週同様にTD未遂のプレイが有りました）のはKolbの決定力不足と言う意味でも問題です。

明日もチャットに居ます

　明日朝の@CIN戦の見所を挙げてみます。

　Asante Samuelが欠場予定の為、Ellis HobbsとJoselio HansonがCBのスターターで出場する事になりました。去年バックアップだった2人がChad OchocincoとTerrell Owensを相手にする事になります。先週酷いプレイを見せてしまったHansonとあっという間にセカンドチームに代わったHobbs、共にCIN戦でのプレイ振りが今シーズンのCB陣にとって大きな影響を持ちます。
　ある程度やられても仕方が無い相手なのですが、全く歯が立たないような形にはなって欲しくないです。パスラッシュ強化でDBをカバーする、正しい理屈ですがある程度カバーで投げさせないように出来なければパスラッシュをしても届く前に投げられてしまいます。


　今年のルーキーFAでの拾い物Austin Howardが通用するのかも見たい所です。1巡候補だったルーキーCarlos Dunlapとセカンド・サードチームで対戦する事になります。
　この試合でもファーストチームに入るMike McGlynnですが、Jamaal Jacksonの予定より早い復帰と怪我で出遅れているNick Coleが来週からCのファーストチームに戻りそうな事を考えるとこの試合でファーストチームディフェンス相手に戦える所を見せなければなりません。
　Jason Peters.Todd Herremans.Nick Cole,Stacy Andrews.Winston Justiceの開幕スターター候補、怪我人続出の中スターター経験を積んでいるMax Jean-Gillesに怪我から復帰中のJamaalでOL枠の中の7人は確定でしょう。多分OL枠は9です、現在上記の2人が8.9番目としてファイナルカットを潜り抜けると予想します。


　そして言うまでも無くNate Allenです、CB陣が不利なマッチアップなのをどうフォローするのか、そして課題のゾーンカバーをどうするのかを実戦でテストする事になります。最近多く見られるCBがショートSがディープと片側を2人で分担するディフェンス（反対側は必然的にマンカバー）の時にディープでWRと1対1になりますしカバー能力の有る無しは戦術に大きく影響します。


　リーグ屈指のCBコンビを持つCIN相手ですが、DeSean Jackson.Jeremy Maclinのコンビが通用しないと言う訳には行きません。WRがカバーされた時にKevin Kolbがどう対処するのかが見物です。TEとRBへの5ヤードばかりになってしまうのか、ラッシュを避けつつディープに投げる事が出来るのか、ポケットの中でのステップワークを含めプレイが壊れた時の動きがどれだけ成長したのかも見たいです。


　ファーストチーム同士の戦いがやはり気になります、53人枠最後の1人がどうかも気になりますが戦局に大きく影響する事は無いですから。ハーフタイムで勝っている様ならば今年のチームは期待していいと思います。CINは3試合目で仕上がりが早い事と去年AFC北の優勝チームですし良いテストマッチになるでしょう。