オレはゴルフをやりてぇんだ
今シーズンはこれ迄おとなしかったライト投手がとうとう暴れた。8月3日に無断夏休み。「先発した翌日はアガリなんだけど球場に来てランニングをしてから休むことになっている。しょうがない奴だ」と神宮球場でライト投手が来るのを待っていた杉下投手コーチは呆れ顔。前日にライト投手がKO降板後に苦情を聞いた佐伯球団常務は「無断欠席を許してはチームの規律が乱れる。厳重注意をして罰金を取ります」とカンカンだ。" 苦情 " とは2日のヤクルト戦で2回KO後にライト投手が佐伯常務に「ゴルフでもして野球のことを忘れたい。明日から2日間休みをくれ」と訴えていたことだ。
佐伯常務はそれ以上詳しいことは言わなかったが、球団関係者によるとライト投手は杉下投手コーチと野手陣への不満を爆発させていたという。どんな理由があれ無断欠席は一種の首脳陣批判であり処罰は必至。だが長嶋監督は「困ったことだねぇ」と言いながらもニヤリニヤリ。「決して褒められたことではないが不甲斐ない自分に腹を立てて発奮してくれればいいけどね」とさほど怒りはないようだ。というのもアメリカではKOされた投手のストレス解消用にベンチ裏にアルミ缶などが置かれている。それを蹴り上げたりするのだ。「日本だとマナーが悪いと批判されるけど外人選手は不満を発散させないとダメなんだよ」と長嶋監督。
とはいえそれと無断欠席は別の話。謹慎中のライト投手の代わりに右目を負傷していた新浦投手が急遽一軍に合流した。「もう違和感はない。視力も落ちてない。良い休みとなって球が速くなったんじゃないの」と新浦投手は元気いっぱい。また消化器官を患っていた加藤投手も先発ローテーションに復帰し完全復調をアピールした。「1人が出てくれば1人がおかしくなる。なかなか全員の足並みが揃わんねぇ」と杉下投手コーチは喜んだり嘆いたり忙しい。長嶋監督は「どこのチームも夏場は苦しいんだ。その苦しさに勝たなきゃプロじゃない」とライト投手の無断サボリを機にチーム全員の奮起を促した。
ヤジ将軍
4打数4安打とか猛打賞とか時たま出場しては固め打ちを披露していた上田選手に河埜選手の背筋痛欠場でスタメンのチャンスが巡ってきた。「急なことで緊張しちゃうよ」とベテラン選手ながら戸惑い気味。ベンチではヤジ将軍の異名をとるプロ14年生。「チョンボだけはしないようにしたい。本音を言えばヤジっているよりヤジられる方がやり甲斐がある」というのがスタメン出場の実感だそうだ。