…前回の続き
現役監督の発言はインパクトが強く 開幕前に開かれたセ・リーグ監督会議で初めてスパイ行為が
取り上げられました。例年なら1時間ほどで散会となる、形式的な定例会議ですが今回は様相が
違っていました。「充実しきった話し合いの場」との事でメインテーマは「スパイ活動」でターゲットは
広島東洋カープでした。広島は当然 スパイ活動を否定しましたが広島に在籍していた選手の話が
紹介されました。 スコアボードから望遠鏡で捕手のサインを見て打者に伝達、その方法は急所を
保護するカップに信号の受信装置が付いていて、電流の刺激で球種を教えるというものでした。ただ
全選手がその装置を付けているのではなく中心打者だけだったそうです。この方法には親会社の
「マツダ」の技術が応用されていたそうです。
巨人はサインが盗まれていると判断して、次の試合ではサインを逆にしました。すると ある打者は
普段なら 何の苦もなく避けられる内角球をモロに体に受けました。「次はカーブ」で踏み込んだ所に
シュートが来て死球。ヤクルトは広島対策で乱数表を使うようになり広岡監督は 「試合時間は増々
延びる、でも広島戦は こちらのサインは筒抜けになる、使わざるをえない」 スパイ活動を無くすには
全面禁止にして違反球団には重いペナルティを課すしかないと提言しました。
この騒ぎの発端となったパ・リーグでは南海と阪急が特に盛んだったそうで、野村監督は大阪球場の
至る所に秘密兵器を設置してフルに活用していました。その野村の下でコーチをしていたブレーザーが
広島に移籍しノウハウを伝えたというのが定説になっていました。ブレーザーがこの年 阪神の監督に
就任したとたん、甲子園球場の銀傘の最前部にビデオカメラが設置されました。フォーメーションを研究
する為で他意は無いとしていますが他チームの監督は誰一人 信じていませんでした。