
三隣亡と云うべかり日か。
火事こそ無いが私のはまったく何と云う災いの日であったか。
夫の手術は上手くいった。医師の手術の結果を説明されて、夫婦で胸をなでおろした。
まずは、これが良かったことの第一だから、上々の日であった。筈であった。
帰る途中の数々の私の失敗。
> 病院の前から、市内の循環バスに乗って最寄の電車の駅へ行く。これを西回りと東回りを乗り間違えた。バスの窓から見える景色がいつもと違う。あれと思い、隣の座席の人と話ていると、運転手さんが聞きとめて、
「お客さま、どちらへ帰るのですか」と聞いてくれる。
「ああ、それなら、次の停留所で降りて下さい。K駅で乗り換えるとS線に乗り換えることができます」とバスを止めてくれた。
> S線の乗り換え駅で発車のベルが鳴っていたので、急いで階段を降りる。
ああ、足がもつれて、あと階段は四、五段となったところですべる?転げる、どっちだったか、電車は発車をしてしまった。
> 駅を降りると今まで曇っていた空はざんざ降りの雨になっていた。
疲れているは、足は痛いは。家に帰ってもだれも居ないと思うと、惨めになる。
傘は持っていたし秋のコートは旅行用であるから防水が少し効いていのか、寒さはさほど感じないが、心と足の重いこと。

暗くなった玄関の扉を開けると、姫 が「ニャー ニャアーアー」と階段を降りてきてお出迎えをしてくれる。
後ろを振り返りながら (あたしに、ついて来てる)といつもの仕草で顔を見つつリビングの方へ行く。
いっぺんに疲れが吹き飛んだ。
三時に病院を出て、家に着いたのは五時半になっていた。
普段、夫の車で病院までは、二、三十分。
田舎都市で車の免許を持っていないのは、こういう時は不便だとつくづくと感じた。
それから、野良犬に雨の中を餌を持っていつもの木の下へ置く。
猫でも犬でも、私を頼ってしか生きれないないものがいると思うと、少しは救われた気持ちになる。
> 擦り傷一か所。打ち身で紫色にはれ上がっているのを含め、シップ薬を貼っているのは五か所。えらい災難は自分の不注意から。
🍒 爺さまのよく水をきる落葉舟
🍒 電柱に質の貼紙秋の雨
🍒 世が世なら父の口癖日向ぼこ
🍒 秋惜しむ弥勒山から里望み
寂しい夜はしりとり俳句のページに参加。有難いことだ。