老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

毛糸編む

2016-11-29 12:11:21 | 俳句
     💐    毛糸編む碧落しんと村の上    飯田龍太
               甲斐の山々の澄んだ空気が伝わる。
               農閑期の女性の姿が彷彿とする。


パソコンに写真を取り込めない。
縫いかけの洋服の仕上げにかかる。
写真が入っていない私のパソコンのつまらないこと。
表現力は無いし、培っている心情や学が無い。
つらつら考がえながら 思うこと。ちょうど 毛糸編みのシーズン。

歳時記のページを開く。

何と歳時記に載っている句でも、類想の、類句 のオンパレード。
これから、毛糸編むの季語を使って句を作る時はよっぽど心して作らなければならないと思った。
     
     💐    毛糸編にはじまり妻の黙はじまる     加藤楸邨
     💐    毛糸編みつづけ横顔見せつづけ    右城暮石


     💐    久方の空いろの毛糸編んでをり    久保田万太郎
     💐    ふるさとの海のいろ買い毛糸編む    西田志乃江
     💐    毛糸選る欲しき赤とはどれも違う     山下千津子
     💐    毛糸屋にわが好む色ひとも買ひぬ     及川貞   

     
     💐    白指も編棒のうち毛糸編み    鷹羽狩行
     💐    毛糸あむ指の小さな傷がじゃま    今井つる女


     💐    ルノアルの女に毛糸編ませたし    阿波野青畝
             真っ先にこの句が浮かぶ。



句作りの時は一番に類想を思う。
これが難題、難問だ。
いままで毛糸編むの句は何句か、、、
     
     🍒    毛糸編む既視感ありぬ風の音

毛糸編む時はいつも傍に猫がいて、夫の影があって 仕上がればさてどこへ着てゆこうか、などなどとりとめのないことを思いつつ針を動かす。
子供が小学生の頃はセーターはずっと手編みであった。
ラグラン袖にしておいて、袖や丈を編み足して着せたものだった。


コメント
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