老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     久ぶりの散歩道

2018-01-07 21:30:47 | 俳句

     

      

 いつもの散歩道とは云え、ここを歩いたのは一か月も前か。さだかではない。
高速道路のフェンス越しの海。今日は暖かだったが、雲っていて海の色はどんよりとしている。

                🍒     海坂の鈍いうねりも初景色

     

 神社に冬桜が咲いていると、毎日ここへ体操に来る夫から知らされていた。

     🍒    知らされて訪ひ来れば冬桜かな

     🍒    表札の新しき家笹子鳴く

     

      🍒    あと一ト月この径椿のトンネルに

 少し車が通れる道を曲がれば美しい椿が咲く径がある。
未だ早かったらしく、一輪だけ咲いていた。莟はぎっしりと付いている。  

      

 馬酔木が早くも朱い莟をつけて遠目にも 馬酔木だと解る。

      🍒    行くところ馬酔木の莟ありにけり

      🍒    野水仙水音たかき暗渠かな

      

     🍒     寒菊や痛む脚なだめなだめては

     🍒     寒菊や今日は誰にも逢わず過ぐ

     

 野面に蜜柑の皮を捨てている。それをめがけて雀が集まってきた。

      🍒    どれが親子はどれ群て寒雀

      🍒    冬田反すあとさき歩む石叩き

歩き慣れた散歩道も一ケ月ご無沙汰をしていれば、吟行まがいとなる。楽しいことだ。

 

  

 

 

 

 

     

 

 

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   一件落着    ?

2018-01-06 08:49:07 | 俳句

     

 テレビにチャンネルを回すと、毎日毎日どこかの放送局で相撲のことでもちきり。
百人おれば百の意見があった。
比べて聞いていると、貴乃花のファンと相撲協会に肩入れをする人達がはっきりと解ってくる。

最初から貴乃花に批判的だったのが 池坊保子女史。
昔は薔薇を浮かべたお風呂に入って笑っていた写真を、、、妖艶な彼女は齢を重ねたとはいえ、今も美しい。
相撲道を声だかに言っていた貴乃花のお株を奪って
「礼をもって礼をつくせ」のセリフが面白かった。

 面白いと云えば、寂聴さん。
正月のテレビ番組で、毎日テレビを観て、週刊誌を何冊も読んでいると云う。
世間の話題は充分に知っていますよと。
「お相撲さんは身体が大きく、力は強いけれど、頭が悪い、、、」
と云った。
司会者がそこで言葉を遮った。
人気商売のアナウンサーも ワイドショーに出てくるコメンテーターも、テレビの向う側にいる視聴者が誰のファンかもわからないので、うやむや、しどろもどろにしか意見を云わない。嫌われて仕事を無くしたら困るから。
寂聴さんは恐い者は無し。歯に衣をきせずに、相撲とりは「頭が悪い」と一刀両断に切り捨てた。

 この二人の人生の先達は経験を積み知名度と大局的に物事を考えている。
貴乃花は、言わずもがな、、、まるで (無理が通れば道理が引っ込む)ような態度の小学生にしか映らないであろう。 
世間におもねないでいられるこの女性の強いこと。
小気味の良い意見であった。

しかしファンは有難い。貴乃花にも身方はいる。
今回のことにこりて少し社会勉強、一般常識を学べば。
まだ若い。「もうお終い」じゃなくて「まだこれから」やり直しはいくらでもできる。

 上がりまで到達をしたけれど、振り出しに戻る 「双六遊び」
何度でも出直しがきくのだから。それにしてもあの硬いこちこち頭ではどうかな~。

ががががが、今度は 行司 の不祥事。
相撲界の浄化はいつになるのやら。

      🍒    双六は雑誌の付録昔恋ふ

                  

 相撲は秋の季語

    ☆     はたかれてあほらしき負力士かな   阿波野正畝

    ☆     八百長のひとつや二つ草相撲    亀田虎童子  

 

   

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    志度寺と藩侯の墓所へ参拝

2018-01-04 13:10:39 | 俳句

      

 寝正月を決め込んでいたが、夫に促されて、近くの志度寺へお詣りに。

 「無染庭」という七つの巨石を置く禅式枯山水の庭がある。
京都の竜安寺石庭を造った細川勝元が完成させた。

立派なお庭である。 
いつも閑なたたずまいで、お正月でもある事から特に淑気の感が一段とする。

      🍒    石庭に日矢はななめに淑気満つ

     

 ここには、曲水の宴を開いたこともあろう、立派な池がある。
現在は草は枯れたままに木も手入れはいつやったのか想像さえつかぬ荒れ放題の庭になっている。
曲水式庭園は室町時代の作庭で、大きな石を組み合わせ、作庭をした当時はどんなに美しかったかと目を閉じて想像をする。

つくずくとこのような庭をそのままにしている、お寺さんの経済状況も想像できることから地元民としては、勿体ない宝の持ち腐れだと思う。

     🍒    三日なる禅林海の凪ひでをり

       

 ここの寺は鳥が沢山いて、賑やかに鳴いている。
鳥の声に耳をすますのは、いつものこと。
これは?何鳥。葉を落とした高木の枝に止まっていた。

      🍒     人日の寺ひきもなく香けぶる

         

 参拝者の中にはこんな方も。寒くて、お腹も二の腕も赤くなっている。
美形のおのこであった。信心は良いことだ。

     🍒     初景色無心となれる石の庭

     🍒     カサブラン供へ三日の海女の墓

     🍒     紅い実を落として何ぞ喬き木ぞ   
     

     

 藩侯をお祀りする寺へ。
お詣りの梯子だなぞと冗談が。           

     🍒     初松籟藩侯の墓所へ石の階

     🍒     谿枯れて巨岩に梵字あらはなる

     🍒     千両の実や鳥どちのにぎやかに 

     🍒     三ケ日寝あきて寺を梯子かな

     🍒     藩侯は水戸のお生まれ梅つぼむ

 

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 お雑煮

2018-01-03 14:25:27 | 俳句

      

 三日続けてお雑煮を食べた。
写真の紅白の餅には餡が入っている。
讃岐は 餡の入った 餡餅を雑煮に入れる風習?習わしがあって、最初は驚いたものだった。
郷に入れば郷に従え、、と餡餅を雑煮に入れるのは始めは抵抗があったが、今では美味しいと感じるようになった。

     🍒    郷に入り餡餅雑煮で健やかぞ

 元日の雑煮の中身は 餡餅、焼いた鰤、くわい、、、他
 昨日は 餡餅、頭の付いた海老、蒲鉾、、、他
 三日目の今日は 餡餅、かしわ、ゆで卵、、、他

 これで今年はお終い。白味噌仕立ての雑煮も三日つづくともう飽きた。

      

 正月になって初めて庭に出た。
南天が朱い実を付けていた。枝をゆする小さな鳥が来ているのだが、何かは、葉に隠れていて見えない。

     

   ☆    しんしんとすまし雑煮や二人住    一茶
            一茶のつかの間の幸せが感じ入る   

   ☆    空たかき風ききながら雑煮膳    臼田亜浪
            まさに今日のような天気。家の中は暖いが外は強風

   ☆    今年から夫婦つきりの雑煮かな    松尾春鈴
            我が家のようである。

   ☆    髯長く雑煮に垂れし父なりし    佐藤紅緑
           佐藤ハチローさんのお父上。眼前に浮かぶ景色。

 

 プレバトのように、作者に「さあ~これは何を詠みましたか?」と司会者がたずねる。作者が一生懸命に説明をする。
説明をやらなければならぬ句はもってのほかである。
三ツ子、や子供が読んで理解できるやさしい句がモットーである。
 

 

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   二日かな

2018-01-02 13:17:15 | 俳句

             

 朝から、テレビの前にくぎ付けになって、箱根駅伝を見ていた。
青山を応援?どこの大学が勝っても、みんな精一杯の努力をしているから、皆頑張れ頑張れ。
                   

 
       言い負けて悩みのふゆる夜長かな    小森邦衛

 お正月であるから、この立派な人の句を、、、
一月号に載っていた句。この方は輪島塗の人間国宝である。

 以前、ある雑誌の対談記事を読んでいた。相手は名だたる女流俳人である。
読み進むうちに 櫂先生 の名前が出てきた。
ずいぶんと昔から 櫂さんの師事を受けていると云う話に。
(俳句雑誌ではなく、写真が主の立派な月刊誌の対談だったと思う。記憶は定かではない。)
超有名な女流俳人の結社では 巻頭 を飾っていたのを、それ以後に見たことがある。
人間国宝など、歌舞伎俳優の人が多く名を連ねているのしか、知らなっかった。
そして、吾が属している結社の誌友だとも知らなかった。
その対談記事を読んでから、意識をして、投句者の名前を見るようになった。

 言い負けて、誰に! 奥さまに若い弟子に、孫に?
言葉少なく、反論を試みたが言い負かされて、なかなか頭が冴えて落ち着けない。
世間一般の生活の片鱗である平凡な事項か、それとも我々が近寄ることの出来ない 芸術論 かも? 想像をするところでは、肩書は関係ない普通の人間の一面が見えてくるような句である。

片や、ある結社では 巻頭句の常連のような人らしいが。
面白い、我が結社との比較をすると、、、。
そのような、正月休みの ブログの種が転がっていた。

 

         駅伝にくぎ付けとなる二日かな

         二日はや猫平然と粗相して    

     

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