いつもの散歩道とは云え、ここを歩いたのは一か月も前か。さだかではない。
高速道路のフェンス越しの海。今日は暖かだったが、雲っていて海の色はどんよりとしている。
🍒 海坂の鈍いうねりも初景色
神社に冬桜が咲いていると、毎日ここへ体操に来る夫から知らされていた。
🍒 知らされて訪ひ来れば冬桜かな
🍒 表札の新しき家笹子鳴く
🍒 あと一ト月この径椿のトンネルに
少し車が通れる道を曲がれば美しい椿が咲く径がある。
未だ早かったらしく、一輪だけ咲いていた。莟はぎっしりと付いている。
馬酔木が早くも朱い莟をつけて遠目にも 馬酔木だと解る。
🍒 行くところ馬酔木の莟ありにけり
🍒 野水仙水音たかき暗渠かな
🍒 寒菊や痛む脚なだめなだめては
🍒 寒菊や今日は誰にも逢わず過ぐ
野面に蜜柑の皮を捨てている。それをめがけて雀が集まってきた。
🍒 どれが親子はどれ群て寒雀
🍒 冬田反すあとさき歩む石叩き
歩き慣れた散歩道も一ケ月ご無沙汰をしていれば、吟行まがいとなる。楽しいことだ。