老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     お花見    ✿

2018-03-27 17:20:46 | 俳句



高松で住んで二十年以上になるが、玉藻城にお花見に行ったのは今回が初めてである。
図書館で借りた本を返しに行った帰りに足を伸ばして行った。
まだ七分咲だが、今週の土、日曜日は満開だろう。
今日も小学生が遠足に来ていた。

       🍒    三の丸跡賑はへる植木市

 『玉藻城と呼ばれる高松城は 豊臣秀吉 の四国制圧の後、 生駒親正 によって築かれた城です。
現在見られる遺構は、江戸初期に 徳川光圀 の兄で常陸国から12万石で高松に移封された 松平頼重 によって改修されたものです。
近世城郭の海城としては最初にして最大の城で、その規模は「讃州さぬきは高松さまの城が見えます波の上」と謡われているほどで、 日本三大水城 の筆頭です』

      

今日はお花見日和。
海から海水を引き込んだ堀には和船が出て、観光客の案内をしている。
堀には、讃岐でんぶくと呼ばれる、河豚の子供が群を作って泳いでいる。
ナシフグとも呼ばれ、釣り人はこの河豚が針にかかれば、ああでんぶくだと、うっとうしげに針から外し捨てている。
美味しくない?始末に困る。何だか気の毒なでんぶくの子供である。

       🍒    たぷたぷと春潮讃岐の水城かな

       🍒    先生におんぶされをり遠足子

       🍒    鬼が島航路一日霞をり

       🍒    潮入りの堀行き戻り花筏


『讃岐でんぶぐは大きくなると美味。小さいのは捨てられるとプート顔をふくらます』
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    🐕 ワンコに吠えられた

2018-03-26 13:40:29 | 俳句

         

散歩の途中、ある屋敷の菜園に大きな辛夷の木を見つけた。
15メートルはあるだろう。
少し日影の土地だ。梅は今が盛り、ピンク色をした木瓜、雪柳と辛夷の木。
辛夷を見上げると、未だ莟みで開いている花はまばらである。

    ☆    月夜なる千珠の辛夷吹かれたつ    石原八束

    ☆    夜も青空辛夷千手の拳開く    原子公平

木蓮も辛夷も、莟みの時は蝋燭のように天を仰ぎ咲かんとしている。
千珠のような辛夷が夜空に、、、
現在の俳人が詠む句も良いが、古い俳人の句にも味がある。
類想だ、類句だと我が結社では通らないが。

インターネットで直ぐに検索されることも無かった。総合誌で他の結社の句を読むことも少なかった。
率にすると古い人ほど有利だ。今よりか、言葉を自由に使えた。

しかしながら両句、発想が同じに思える。


畦径から辛夷の写真を撮る。
大きい木にまばらに花。近づいて開いた花を写そうとした。

           

 犬が吠える。
自分の家の畑の傍に不審な人物が。。。お利口だ。ちゃんと番犬の役目をはたしている。

       

 盛んに吠え続けるから、門構えの屋敷から主人とおぼしき方が出てきた。
「辛夷の木が見事だから、写真を撮らせていただいています」
「犬がやかましいものだから、すみませんね。どうぞごゆっくり」
と云って下さった。

それっきり犬は吠えるのを止めた。
大きなあくびをして、そっぽを向いてしまった。

 もちろん、こういう場合も、私は 殿 の事を偲んでいる。


     🍒     辛夷咲く丘飛行機の航路らし

     🍒     辛夷咲く山家の番犬よく吠へて   

     


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       故郷の桜

2018-03-25 10:26:44 | 俳句


飼い猫が死んだけれど、我が家の日常はたいして変化がない。
昨日は姫ちゃんが占領をしていた部屋の掃除や彼女の持ち物の整理に明け暮れた。
ブログのコメントをいただいて、何度も涙が出た。
有り難うございます。
これからも殿と姫の想い出の沁み込んだ家で思い出すたび涙を流すこともあるだろうが、前に進むしかなし。
たかが猫と云う御仁もあるだろうが、私にとっては生きがいだった。

 
     

 徳島での用事を済ませた後、昔住んでいた近くの公園に寄った。
夫がいつもジョギングをしていた公園も今は美しく整備をされて、市民の憩いの場所になっている。
明日から桜祭りが始まるとぼんぼりが吊られ、屋台店の準備に余念がない。
日本の100選に選ばれている湧水を源流とした美しい江川。
水だけは、今も美しく流れている。
この川の畔で蜷を観察して小半日、川面を見つめていた事があったなぞと思い出した。
子供を連れた若いお母さんも多くきている。


     🍒    初花も見ずに消へゆく命あり

     🍒    初花にあはあはあはと嬰の声


自分の忘備録と思って、ブログを書き始めて三年近くたった。
ブログは書くものと思い、誰かに読んでもらえるなぞとは露ほども知らなかった。
最初に比べて 最近は訪問者の方が、格段と多くなっている。いつの間にか読んでもらえるのが楽しみになっている。
有り難うございます。

そろそろとゆっくりまいります。
        






    
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   姫ちゃん いっちゃった

2018-03-24 10:06:48 | 俳句
         まるで寝ているよう。寝息が聞こえそう。
「お早う姫ちゃん」と毎朝声をかける。
今朝も
「ニャーーー」と、上目づかいに私を見ながら、、、返事をしてくれそうだ。

         涙の跡があるように見える。泣き寝入りしているみたい。
昨日は、用事があり、徳島へ行った。
出かける時
「姫 行ってくるから、おりこうにしててよ」と声をかけた。

帰りの車の中で、思わず掌をあわせた。
夫が何?と聞くのから、
「姫が今朝は、スープを飲んだだけだから、早く帰って スープを飲ませたいから、元気でいててとお祈りしたの」
まさか、亡くなるとは思っていなかった。
体力が無くなり、食欲も無くなってはいたが、どうしてお祈りなぞをしたのか?
不思議だ。
死期が近づいてくるのは解っていた。
しかしそれは二か月先、一か月先、、、としか思っていなかった。
まだ、覚悟はしていなかった。

        一昨日の夜は、姫ハウスに入ったまま、私の膝の上にいた。
この時は膝の上で背を撫ぜてやる。
姫の体温は温かった。
そっと椅子から降ろし、ストーブの前に。
すぐそこに、死が待っているとは想像もしていなかった。

        外へ出て行って、ベランダで寝転がっていたのを夫は連れもどる。
徳島へ行く時間になっている。ベランダには自分で出て行った。
殿の犬小屋に近い、陽の当たる場所が好きで、そこから
「姫ちゃん、帰ってよ」と何度も呼ぶが帰らない。
夫が、身体を持ち上げて、部屋に入れる。


玄関を開けて、姫ちゃんの所へまっしぐらで行く。
うんちをしていて、
「おお姫ちゃん、おりこうだったね~」
と声をかける。
急いで空になっているスープの皿を洗って、スープを姫ハウスまで持って行く。
腰を落としたまま顔を持ち上げて、スープに口をつける。ほんのひと舐め。
「アァ~」「アァ~」「アァ~」と三回、声にならない声を発する。
そして姫ハウスから両手を万歳をするように外に出してそのまま冷たくなっていった。
夫は
「大好きな母さんが帰るのを待っていたんだよきっと」
と姫の事を云う。そうだろうか?そうだよねきっと!

ペットロスの日々が。
ブログに自分のペットの死を書くのはどうかと躊躇をしたが、私にとっては一大事件なのだ。
悲しい、辛い、寂しい、、、、

      🍒    恋もせず猫逝きにけり花の下

      🍒    猫の死に空っぽの宙春の風

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世の中は三日見ぬ、、、、

2018-03-23 09:51:21 | 俳句
      


    ☆ 世の中は三日見ぬ間の桜かな   大島蓼太

 世の中は、三日見ないうちに散ってしまう桜の花のようなものだ。世の中の移り変わりが激しいこと。

今日の我が街の、良いお天気。
東京での雪、雪の山へ登って、遭難騒ぎ。嘘みたいだ。一昨日の事だなんて。

ベランダに出ると、本当に三日みないうちに我が家の周辺の景も、、、。
500メートルほど西の家の、白木蓮が目に飛び込んできた。
4~5日前は気になって、その辺りまで見に行った。その時は莟さえ見あたらなかったが。
今日は見に行かなくちゃ!

     

 国会では承認喚問の日取りが決まって、風雲急をつげている。
毎日、毎日、この話題と 貴乃花 と、伊調選手に対するパワハラ問題。
一度、権力の座につくと、頭の回転が同じ方向ばかりに回って、休もうとしない、まてよ反対の方向に転換をしてみよう一歩立ち止まることもなく?と疑問も感じなかった。
一度、権力を手に入れると、周りが見えなくなってしまった。

「パンパカパンーパカ、パカ、パカ、パンー」
とテレビに出てくる トリオが昔いた。

安倍さん、貴乃花、栄監督、(おまけが、昭恵さんに至学館の学長)
揃い踏みをした。
全く権力亡者のトリオが起こした、小説より奇なりの物語だ。

さて三日見ぬうちにこの人達、どうなっているかしら。
天に吐いた唾をもろにかぶるのは誰と誰。


 貴乃花が告訴を取り下げるニュースが、、、
もっと早く気がつけばよかった。
次は誰か?
テレビのワイドショーが種切れになると世の中も平和になる。


しりとり俳句から

    🍒    しゃぼん玉露地には露地の匂ひあり

    🍒    既視感のあり木々芽吹く春の森

    🍒    雉子啼く夕べ遊学子を想ふ

    🍒    母の忌の桜隠しとなりにけり
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