変異型ウィルスの台頭が伝えられる 中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症流行に伴う首都圏・一都三県に継続中の緊急事態宣言が、昨日までの政府会合から 3/21付で解除の方向が濃厚になってきた。確かにこの所の感染状況は 全国レベルでは落ち着くも、宮城県などでは若い世代をメインに感染再拡大の兆しが見られるし、東京都辺りでも感染減少は下げ止まりの傾向が見られる。
更に今月末にかけては、年度末に伴う歓送会や謝恩会など 人々の会合と、入学や就職、異動による引っ越しなどに伴う人の移動、所謂「人流」が一年で最も活発になる時期だ。加えて今春 桜の見頃も例年より前倒しとなる傾向がはっきりしてきている。昨年からの動きを眺めても、戦後長きに亘って便利でイージーな生活に慣れきってしまった国民市民の多くが、抑制自制が肝要な感染症と対峙する為の、所謂「新しい生活様式」に堪えられなくなってきている有様は分からぬでもないが、これから順次本格化する全国民向けの予防ワクチン接種を順調に進める為にも 外出や人々との会合は極力絞った上でマスクの必着や手洗いの励行など基本対策を今一度徹底の上、少しでも気持ち良く春を迎えたいものと思うがどうだろう。
本題です。その「人の繋がり」を大きく支える主要通信アプリ・ソフト「LINE」の国外業務委託のあり方に大きな不良が発覚、我国民多数の個人情報などが 外国人関係者に複数回閲覧された可能性が指摘される。事実なら極めて深刻な事態であり、全国民レベルで共有されるべき問題だ。以下 毎日新聞ネット記事を引用して、みて参りたい。
「LINEの個人情報、中国(大陸)からアクセス 識者『非常に危うい』」
無料通信アプリ大手「LINE(ライン)」は 3/17、利用者の個人情報について、中国(大陸)にある現地法人の技術者からアクセスできる状態だったと発表し『利用者への説明が十分でなかった』と謝罪した。
LINEは個人情報に関する指針で 具体的な国名を明示しておらず、識者は「国家が情報収集をしている中国(大陸)からアクセスできていたのは、非常に危うい」と指摘している。
親会社の Zホールディングス(HD)は 第三者委員会を近く設置して、運用を改善する。同社などによると、LINEはサーヴィスで使う人工知能(AI)などを開発を中国(大陸)の「LINEディジタルテクノロジー上海」に委託していた。そこでは業務のため 現地人技術者 4人に対し、日本に設置してあるサーヴァーに保管されている「トーク」と呼ばれる書き込みの他、一部の利用者の氏名や電話番号、メール・アドレスなどの情報を閲覧できる権限を与えていた。
2018=平成 30年 8月からアクセスでき、(現地技術者ら) 4人は 少なくとも 32回アクセスしていた。外部からの指摘を受け、今年 2/24にできなくする措置を講じた。
ユーザー(利用者)間のトークの内容は暗号化されており、データにアクセスするだけでは中身の確認ができず、情報漏洩(じょうほうろうえい)などもないと説明している。
企業法務に詳しい ニッセイ基礎研究所の松沢 登・研究理事は「LINEが通信インフラになっている以上、個人情報には通常よりも敏感でなくてはならない。それができていなかったのは 認識が甘く、非常に残念」と指摘。中国(大陸)からアクセスしていたことも問題視して「中国(大陸)は民主的国家のような制限を設けずに国家が情報を収集しているので、同国からアクセスできていたのは非常に危うい」と警鐘を鳴らした。
この問題について、LINEは政府の個人情報保護委員会にも報告。個人情報保護法では、個人情報を外国に移転したり 外国からのアクセスを可能にしたりする場合は、利用者の同意を得るよう定めている。個人情報保護委員会も 原則として移転先の国名などを明記するよう求めているが、LINEが利用者に示している指針には「第三国にパーソナル・データ(個人情報)を移転することがある」と記され、国名を明示していなかった。(引用ここまで)
LINE本体は外資とも言われ、一概にこう捉えるのは適当でないかも知れないが、それにしても当該日本法人の危機感の希薄さは明らかだろう。引用記事中の識者のご見解通り、初めから「通信インフラである以上、個人情報の扱いにはより敏感に、慎重になるべき」であったのだ。結局はそうした業務を担う上で、思考が「平時のまま」だったのだろう。中国大陸企業にそうした厳重な扱いを要する業務を委託するのが適当だったのか?慎重な調査や審議をしたのだろうか。委託先情報サーヴァーの一部は 大韓民国内配置だったとの情報もあり、ただ「コスト的に有利だったから」だとしたら 言語道断だろう。
人的育成面もなっていなかった様だ。我国内の個人など重要情報に関わる業務内容である以上、それを担う人材は 初めから我国内で育成すべきではなかったか。LINEの個人使用は無料かも知れないが、例えば企業からの広告収入を増やす企業努力などを行って、高めの報酬で有能な日本人技術者を集め育てる努力余地はあった様に思うのだ。その事からも、中国大陸企業への業務委託は甘かったと言わざるを得ない。
拙者は以前、家具大手・ニトリ製品の石綿(アスベスト)含有問題に触れた記憶がありまして。その時も関与先に中国大陸企業が絡んでいたと思うのだが、今回の LINEによる業務委託も 共通の病理がある様に思えてならない。つまり かねてより諸問題の多い「チャイナ・リスク」が再三指摘されながら、日本人の陥り易い 相手国企業を安易に信じ込む「性善説」に嵌り易い体質から抜け出せていない様に感じられるのだ。
当然の事だが、今回の件は 政府機関も調査の意向を明らかにしている。総務省メインの複数官僚らの絡む接待問題解明も一方で必要だろうが、今回の LINE業務委託問題は、国民市民の個人情報セキュリティに関わるだけに それ以上に深甚だ。政府の調査に厳正を期すとともに、国会も 接待問題などよりこちら重視すべきではないのか。野党も報道も LINE関連企業のトップらの 少なくとも国会参考人招致を実現し、実態と詳しい所を こちらの方こそ厳しい追及の挙に出るべきだろう。今回画像も少し前ので恐縮。先日毎日の定期運転を終えた、旧国鉄 DD51型ディーゼル機関車の大いなる軌跡を称え、これまでの労いと共に その残像を再掲しておきます。当地西郊、愛西市付近にての模様です。