Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

横行する偏向記事を見分ける努力を

2021-03-11 15:03:37 | 社会・経済

今日午後、未だ復興途上にある 東日本大震災発生より 10周年を迎えた。地震発生時刻とされる 2:46pmに、TV中継された 政府主催追悼式典に合わせ、拙者も暫しの黙祷を捧げた次第。20,000に迫る犠牲、数千とも言われる行方不明の各位への弔意、そして特に大原発事故とも重なり 苦労の多い福島県浜通りをメインに引き続いての復興に取り組む方々へも、改めてのお見舞いを申したい。そして流行続く中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症鎮静化と共に、できるだけ早い復興の完遂を祈念したく思う。

本題です。新型感染症禍についてもよく言われた事だが、東日本大震災においても 報道のあり方が問題にされた記憶はおありになる事だろう。今回は拙趣味絡みで恐縮なのだが、鉄道長距離列車のトイレ設備にまつわる問題の事で 明らかに偏向が疑われる記事を目撃したので、震災の日の折余り適切ではないかもの想いもあるが、敢えて取り上げようと思う。

問題の記事は、経済雑誌などで実績があるとされる プレジデント社のオンライン記事。3/10付記事で長距離列車のトイレ処理問題につき取り上げていたのだが、昔日の列車トイレ下水は広く知られる様に所謂「開放式」とか「垂れ流し式」などと揶揄に近い呼ばれ方で、正直全部線路に捨てられていた。明治期の鉄道開業以来のスタイルで、長らく旧国鉄を中心とする事業側からも沿線住民側からも黙認されてきたのだが 不衛生は事実。特に戦後に至って鉄道高速化が志向されると、沿線住民側からの苦情が増して行く。

大きな転換点を迎えたのが 1964=昭和 39年の東海道新幹線初開業。営業速度が 200km/H超えとなると、トイレ下水の放出は軽視できぬ問題となり、各新幹線車両は当初から下水を外に出さない汚水槽を備え 必ず車両基地へ戻った折に汲み取るスタイルを採った。これが何度かの改良を経て 節水式の現代型に引き継がれ、平成期に入った辺りからは在来線や私鉄線を含む全鉄道線に普及して下水放出問題をほぼ解消したのだが、前述記事はここの努力に全く触れていない。明らかな片手落ち、偏向記事と申して良かろう。

「よくまぁ、こんな粗雑記事でカネが取れるもんだ。このプロ失格!」と揶揄の一つもくれてやりたくなるものだ。下水外部放出をしない 衛生に配慮した処理技術が確立するまでの関係各位と沿線住民各位のご苦労は記事通りだが、それを真に受けては その後の改善努力が皆無だった様な印象を刷り込まれかねないではないか。

東海道初め 各新幹線で当初から務めていたトイレ下水の処理技術は、大阪万博の頃になると 当然当時多くが運行された長距離夜行列車にも、所謂「ブルー・トレイン」の愛称を取った寝台専用特急列車から順次採用され、旧国鉄から全国 JR社に運営が移管される頃には、ほぼ外部放出は根絶されていたのである。プレジデント社記事は この重い事実を全く無視しており、言論ブロの風上にも置けぬ不埒な印象を免れまいて。

参考までに この下らない記事を末尾リンク致しておくが、言論人は印象操作と共に 自己正当化や自己情宣が上手いので、あくまで参考程度にされる事をお勧めしたい所だ。こうした片手落ちや偏った報道の体たらくは震災などの報道でも見られ、徒に不安を煽る事に終始するケースもある様だ。

又 東日本大震災を振り返る時、当時の旧民主党・菅 直人(かん・なおと)政権の再評価を訴える論調もある様だが、旧民主党は震災以外にも 沖縄・尖閣問題での中国大陸船舶衝突事件などで 同大陸側容疑者船長を取り調べ不十分のまま釈放したり、大韓民国人権勢力逮捕者の釈放嘆願に際し 北鮮の幹部工作員を放免させてしまった失態などを犯したとされる。そうした事から、震災対応の経験不足があった事を考えても、安易な再評価など断じて認められるものではあるまいて。

又 旧民主政権でも現自公政権でも、共通してあるのは既成メディアが「不都合な真実」を伝えない様工作をしている疑いが拭えない事だろう。所謂「報道しない自由」の不当行使という奴だ。旧民主・菅元総理は当初の避難所での対話を早めに打ち切った後、改めて対話機会を持ったとされるが、それとても当時のメディアは丁寧に伝える努力をしなかった。だから国民レベルに伝わらなかったという事だ。それを棚に上げて「再評価」も糞もない。

旧民主政権の再評価は一部位は良いかもだが、その前にその所をきちんと伝える事をしなかった報道メディアの猛省と、血の出る様な総括が絶対の条件だろう。どうせ NHKを含む各社局にそんな意思などないかも知れないが。今回画像も先年ので恐縮だが、横浜市内で見かけた 西日本と四国から途中合流して東京を目指す 現存唯一の夜行特急列車「サンライズ」の様子を。編成複数の箇所に備わるトイレは、当然ながら下水を一切外に出さない仕様であります。以下、出来の悪い関連記事をリンク致します。(プレジデント・オンライン 3/10付) 「寝台特急がいちばん厄介」120年間も鉄道マンを悩ませ続けた"黄害"の正体 日本中を撒き散らしながら走った | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

コメント (4)
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