昨夜の降雨も止み、天気回復傾向の当地愛知。これから暫くは晴天が続く一方、気温が下がる様になり、風邪などが懸念されるので要注意。
同時に、空気乾燥からの、火災リスクも生じよう。改めて、健康安全への用心を新たにしたい所です。
さて、その「安全」に大きく関わる、高齢自動車運転者による深刻な交通事故が多発、社会問題と化しているのはご存じの所だろう。特に前途のある子供達に複数の犠牲、重い後遺症など深刻な被害を生じているのが遺憾だ。こうした事が積み重なり、我国の将来に暗影を落とす事ともなりかねないだけに、国民市民レベルでその抑え込みを考えなければならないだろう。昨日の記事だが、地元紙 C新聞に、随筆家 内藤洋子さんのご見解が載ったので、以下引用しながら見て参る事にしたい。
「高齢ドライバーの事故」
高齢ドライバーの事故があとを絶たない。記事に「アクセルとブレーキを踏み間違えた」とあるとゾッとする。私も運転をするが発進と停止は基本操作。それもおぼつかないドライバーが今この瞬間もハンドルを握っているかもしれないと思うと恐ろしい。
ならば、どんな対策がとられているか。11/24付の社説に事故のデータと今後の取り組みが載っていた。
「75歳以上の運転免許保有者は2015=平成27年末で、およそ480万人。10年間で倍増した。10万人当たりの死亡事故件数は、75歳未満の約2.5倍に及んだ」やはり事故は大幅に増えている。今後の動きについては「来年3月に施行される改正道路交通法で、75際以上の認知機能のチェックが強化される」とあり「3年に一度の免許更新の検査で認知症のおそれがあれば、医師の診断が義務づけられる。認知症と確定すると、免許取り消しになる。更新時ではなくても、信号無視や逆送といった違反行為があれば、同様の検査が課される」とのことだが、チェック強化というなら75歳以下でも希望者は検査を受けられるようにしてはどうか。
事故の増加から、最近は免許返納の話題も多い。11/12付の朝刊に「免許返納でスガキヤ(麺類メインの飲食店チェーン)特典」の見出しを見たときは一瞬キョトンとなったが、高齢者が免許を返納する代わりに発行される「運転経歴証明書」を愛知県内のスガキヤの店で提示するとラーメンのセットが値引きされるという。名古屋・中署と協定を結んでのスタート。返納を「お得」に結びつけた企業の起点には感心させられる。
先月、私は地元の警察署で免許の更新をした。その際、残念に思うことがあった。短い安全講習を受けたのだが、受講者一同、型通りの啓蒙ビデオを黙して見ただけ。進行役の警察官からタイムリーな注意喚起は一切なかった。私と同じ60代とおぼしき受講者も多かった。お役所仕事ではない緊張感ある姿勢を望む。(引用ここまで)
交警による、安全教育や指導のあり様は、以前に比べれば大きく進歩しているとは思う。ただ、前掲の 内藤さんのご見解にもある様に、従来の高齢層の公安策は、交通弱者の視点からはあったが、昨今大きく問題化した、運転中に加害者となってしまった場合の対処法が発達しておらず、当然確立もしていない。認知症、もしくはそれに準ずる思考力低下を抱える方々が、ハンドル生活とスムーズに訣別できる社会のあり様が必要だろう。車の運転ができなても、高齢者だけて地域の生活が維持できる様、新しい視点や態様の公共交通の整備とか(この場合、安全策を確立した上での、無人運転も視野に入るだろう)、既にある所では、電動車椅子の必要な普及で、安全な外出を容易にするとかだ。
又、高齢層には、趣味とか生甲斐で車を乗り回す向きもあるそうだが、周囲の生命や身体に危険を及ぼしてまでするべき事ではない、との高齢層向けの再教育も必要ではないだろうか。「高齢者に、教育は必要ない」との先入観が一人歩きしている印象を受けもするが、決して正しい認識ではないだろう。全国で、前途ある子供達を含む有能な方々が多く斃されている現実を、もっと重く受け止めなければならない。何よりも、自信過剰になりがちな、高齢者の意識の改革を、手間がかかっても取組み続ける必要がある。それが、事故を減らして行く決定打だろうと、拙者は愚考する。人間が全知全能でない以上、事故の根絶はできないが、大きく抑え込む事は、不可能ではないからだ。
今回画像は、滋賀・大津市内にての、京阪電気鉄道石山線沿いの様子。踏切待ちの僅かな時間ででも、鉄道画像は撮れるものだと実感した一枚。待機中の女性の日傘からお分かりの様に、過日の初夏の思い出であります。