線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

愛本橋

2016年11月21日 13時17分23秒 | 歴史
 富山県黒部市宇奈月町の愛本橋は、黒部川にかかる橋。かつては全長61.42m、幅3.62mという大きな橋で、両岸から刎(はね)橋というであったため、山口県岩国市の錦川に架かる錦帯橋、山梨県大月市の桂川に架かる猿橋とともに日本三奇橋の1つといわれていた。


 黒部川下流部を避けて敷かれた、北陸街道の上街道に架かる橋で、加賀藩五代藩主・前田綱紀が命じたという。現在の橋は、1969年(昭和44年)の豪雨で、以前の橋が流失したためにかけかえられたもので、12代目。元の位置から少し下流で、朱色に塗装されている。


 昔は木造で、現在は立派になったが、かつての写真を見ると岸には松の木もあり、風情があったようだ。



 愛本橋にはいろいろなお話が伝わっている。特に、大蛇に嫁いだお光のお話がよく知られている。
 橋のちかくの徳左衛門という茶屋に、親孝行のお光という娘がいたという。ある晩、戸をたたく者があるが、誰もいない。やがて三晩も続くと、お光の姿が見えなくなった。三年目の夜、そのお光が粽をもって帰ってきた。
 すると、妊婦となったお光は、出産をするので母親に「中を見てくれるな」と納屋に入った。しかし、母が約束を破って中をのぞいた。すると、大蛇体となった姿があった。お光は涙ながらに親子の縁を切り、別れを告げ、大蛇になって愛本橋の水の底へ消えていったという。

 そのお光にまつわる神社が、愛本姫社。

 解説板がこれ!御神体は、美しいお光にちなんで、花魁を描いた巻物であるそうだ。

 毎年6月21日には祭りが行われているとのことである。この日にはお光が持ち帰った粽にちなんで、地区の女性たちによって粽がつくられるのだそうだ。

 
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