今年のNHK大河ドラマは「義経」。今日は渡哲也演ずる平清盛が亡くなる場面だった。
「おごる平家は久しからず…」などと言われる平家ではあるが、清盛はいろいろエピソードの多い人物だ。
ところで、わたくしが喜んで出かけている新潟県糸魚川市能生では、4月24日の能生祭で、
舞楽が奉納されている。この舞楽では一番最後に
陵王という演目がある。陵王とは龍を頭にいただき、怖そうな面を着けて舞うのであるが、これがなかなかいわれのある舞だ。
中でも舞台上で、正面に見える日本海の夕日を招く手がある。
「日招きの手」というのだが、沈もうとする太陽を手に持った中啓で招き返すという。ちなみにこの舞楽の舞台は、ほぼ真西を向いている。
これをきくと、ふと清盛の逸話を思い出す。清盛は、やはり沈もうとする日を扇で招き返したという。彼がそんなにスーパーマジシャン的な力があったとは思えないが(笑)、それほど清盛が栄華を誇ったということのエピソードの一つであろう。しかし、この能生の陵王の舞と清盛のエピソードとがつながっているような気がしてならない。
というのは、能生の舞台の目の先には「弁天岩」があるのだ。そしてそこには何と「厳島神社」がある。安芸の宮島・厳島神社はまさに清盛が建てた神社。能生の陵王は、それを勧請した厳島神社に向かって舞っているのだ。
ちなみにNHK大河ドラマ「義経」のオープニングで、暗がりの厳島神社をバックに、鮮やかな朱色の装束で舞っているのが、まさに舞楽・陵王の舞である。やはり陵王は平家のシンボルか?