昨年、埴科郡坂城町は合併50周年の年だった。中之条村、南条村、坂城町合併を記念して「ふるさと探訪」という記念誌が昨年発行され、今週ある方からお届けいただいた。以前坂城町に勤務していたわたくしも、転勤してぼちぼち1年になりそうな頃。この本はなつかしい感じものだ。
坂城町は歴史のある町だ。戦国の雄・村上義清は無敵の甲斐の武田軍を2度打ち破ったということで、村上氏は坂城のシンボルだ。
もっと歴史をさかのぼれば、古代の遺跡として貴重な青木下遺跡が知られる。この遺跡は、多量の土器を環状に並べた祭祀場だといい、古墳時代後期のものと見られる。祭りのあと、円形に土器がそのまま残されていたものという。そこがまだナゾだという。
考古学に疎いわたくしだが、こうした遺跡で祭りがあったと聞くと、素朴にどんなまつりだったのか?という点に関心がいく。
日本刀を芸術品として、その素晴らしさを伝えた刀匠、人間国宝だった宮入行平は、鉄の町・坂城ならではの人物。
「まばたきの詩人」と言われる水野源三も忘れられない。10歳の時、集団赤痢から脳性マヒを併発し、見る聞く以外は何もできない重度の障害を負うが、詩作を始める。母が指さす50音表の文字を見ながら、「はい」の時は目をつぶるという意思表示によるものだった。
「父」
六十近い父が
自動車教習所に
通い出した
免許証をもらったが
一度も運転しないで
天に召されてしまった
日記には
免許証を取って
源三を乗せたいと
書いてあった
「まばたきでつづった詩」
口も手足もきかなくなった私を
二十八年間も
世話をしてくれた母
良い詩をつくれるようにと
四季の花を咲かせてくれた母
詩を書いてやれないのが
悲しいと言って天国に召されて行った母
まばたきでつづった詩を
ひとつ残らずノートに書いておいてくれた母
今も夢の中で
老眼鏡をかけ
書きつづけていてくれる母
まだまだ坂城町も知らないことがいっぱいだ。
今日は土曜日。このいただいた本を眺めて、あらためて坂城を振り返ろうと思う。
坂城町は歴史のある町だ。戦国の雄・村上義清は無敵の甲斐の武田軍を2度打ち破ったということで、村上氏は坂城のシンボルだ。
もっと歴史をさかのぼれば、古代の遺跡として貴重な青木下遺跡が知られる。この遺跡は、多量の土器を環状に並べた祭祀場だといい、古墳時代後期のものと見られる。祭りのあと、円形に土器がそのまま残されていたものという。そこがまだナゾだという。
考古学に疎いわたくしだが、こうした遺跡で祭りがあったと聞くと、素朴にどんなまつりだったのか?という点に関心がいく。
日本刀を芸術品として、その素晴らしさを伝えた刀匠、人間国宝だった宮入行平は、鉄の町・坂城ならではの人物。
「まばたきの詩人」と言われる水野源三も忘れられない。10歳の時、集団赤痢から脳性マヒを併発し、見る聞く以外は何もできない重度の障害を負うが、詩作を始める。母が指さす50音表の文字を見ながら、「はい」の時は目をつぶるという意思表示によるものだった。
「父」
六十近い父が
自動車教習所に
通い出した
免許証をもらったが
一度も運転しないで
天に召されてしまった
日記には
免許証を取って
源三を乗せたいと
書いてあった
「まばたきでつづった詩」
口も手足もきかなくなった私を
二十八年間も
世話をしてくれた母
良い詩をつくれるようにと
四季の花を咲かせてくれた母
詩を書いてやれないのが
悲しいと言って天国に召されて行った母
まばたきでつづった詩を
ひとつ残らずノートに書いておいてくれた母
今も夢の中で
老眼鏡をかけ
書きつづけていてくれる母
まだまだ坂城町も知らないことがいっぱいだ。
今日は土曜日。このいただいた本を眺めて、あらためて坂城を振り返ろうと思う。