たまにではあるが、カッコイイじじに出会うことがある。
着ている物もお洒落で、そこはかとなく洗練された雰囲気が漂っている。
間違ってもふんどしから、ポロリと袋をはみ出したりしないじじである。
某大学のOBの集まりで、胸にエンブレムのついたお揃いのブレザーを着て、およそ「じじい」などとは呼べないくらい、背筋が伸びてしゃきっとしている。
中途半端に歳をとった、訳の分からない男よりはああいうじじのほうがずっといい。
彼らは大声で、「おお山本」「斎藤、元気そうじゃないか」
などと声をかけ合いながら再会を喜んでいる。
しゃきっとしてはいるものの、やはり耳は遠くなっているのか、おのずと声が大きくなってしまうのであった。
「あの人は残念なことをしたなぁ」「あっという間だったそうだ」
今まで元気に話をしていたのに、声をひそめて、先にあの世に行ってしまった友のことを話している姿も、なかなか悲哀が漂っている。
アタクシも近い将来確実に、このような年代のじじになるのではあるが、妙にカッコイイじじよりも、見るからにしょうがない風体のじじのほうが似合っているのではないか
などと思ったりするのであった。
そんなたいした学校も出てないし…
畑にポツンと立つ紫坊主
本文とは何ら関係ありません。