私は以前にも警察広報についてこのブログで取り上げたほど、月に1~2回自宅に回ってくる回覧板を結構熱心に読んでいる。
今回はその回覧板の中でも「文化会館」の月報に告知のあった市民講座を受講することにした。期間は1カ月半ほどで、異文化交流をテーマに地元在住の外国人を講師に招き、出身国のことや日本での暮らしについて聞く、と言うものだ。プログラムの中には都内にあるイスラム教のモスク訪問もある。
参加者は下は30代から上は80代前半と言ったところ。自治体職員オーガナイザーの「今後、行ってみたい国は?」の質問に大半の人が「アフリカ諸国」と言う辺り、定番の国々はほぼ渡航済みの旅慣れた人々なのだろうか?
皆さんの希望に沿うかのように、本日第一回の講師は西アフリカのブルキナファソ出身の在日大使館員エミールさん(57)であった。
ブルキナファソと言う国は正直、多くの日本人には馴染が薄いだろうが、国名は現地の言葉で「高潔な人々の国」を意味するのだそうだ。
ブルキナファソはカカオで有名なガーナ共和国に隣接し、面積が日本の70%程度の国土に、約60の部族から成る1700万人が暮らす内陸国である。
主に3つの言語が話され、帝国主義の時代にはフランスに統治された歴史から、公用語としてフランス語が使用されていると言う。
国民の57%が伝統的な土着の宗教を信仰し、次いで31%がイスラム教徒、12%がキリスト教徒と続く。「君臨すれど統治せず」の双子の国王もおられるそうで、信仰でも土着の宗教が過半数を占めることから、自国の伝統を重んじるお国柄なのだろうか?
その国名に違わず、国民は実直で、社会のルールを守る人が殆どのこと。観光バスを止めてお金をせびる悪徳警官はいないし、路上にタバコのポイ捨てをする人など殆どいないらしい(ここで「日々、自宅前のタバコのポイ捨てに悩まされている。その点、ブルキナファソの人は立派ね」との女性からの感想が出た)。
西アフリカを周遊する日本からのツアー参加者の間でも、事後のアンケートでは一番人気の国なんだそうだ。
エミールさんが撮影した現地の写真を見ながら、講義は進んだ。途中、エミールさんが持参した現地特産のバオバブ(右写真)の果実から作られたジュースを飲む機会があった。
ほのかに甘い香りで、色は薄いベージュ、少しとろみがあって、味は過去に味わった経験のないもので個人的には好みではなかったが、現地では健康飲料として飲まれているものらしい。
ブルキナファソの人々の日本人観は概ね良好で、現地在住40年を超える日本人もいるのだそうだ。彼らの多くは農業指導や井戸掘り等のインフラ整備に従事しているらしく、現地の人々の生活に直結した事業に貢献しているからこその、日本人全般への厚い信頼なのだろう。
オーガナイザーによる「日本で暮らして困ったことは?」と言う質問に、エミールさんは「来日間もない頃、近隣の住民に挨拶しても誰一人挨拶を返してくれず、故国に家族を残して単身赴任であったことも相俟って、かなり寂しい思いをした」と答えられた。
「家族と遠く離れて暮らす私にとっては、日本のご近所の皆さんが家族。仲良くすることは大事です。」と語った。
3度目の日本駐在とのことですが、片言ながらも懸命に日本語で話をされたエミールさん、どうもありがとうございました。
矢継ぎ早に質問が飛ぶ好奇心旺盛な参加者と共に興味深いお話を伺えて、充実した時間を過ごせた。
来週の講師はロシア人(配布資料によると、日本人と結婚したロシア人女性らしい)。ロシアは未踏の地なので、これまた楽しみ