はなこのアンテナ@無知の知

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『ブラッド・ダイヤモンド』―その後

2007年08月25日 | 映画(2007-08年公開)
 今朝のサンケイ・エクスプレス紙に映画『ブラッド・ダイヤモンド』の舞台となったアフリカ・シエラレオネ共和国の近況レポートが掲載されていた。以下は私なりに情報を付加してまとめたもの。

 10年以上続いた内戦が2002年に終結して以来、同国のダイヤ輸出は順調に伸びて来ているらしい。輸出額は内戦終結前の5倍を超え(01年:2800万ドル<約32億円>⇒05年:1億4200万ドル<約160億円>、慢性的な貧困状態からの脱却を目指す同国にとっては頼みの綱である一方、NGO「国際危機グループ」(本部ブリュッセル)は密輸の増加(注1)を警戒していると言う。

 シエラレオネは人口約550万人(2005年推定)、面積7万平方㎞の西アフリカの小国。世界最貧国のひとつで(注2)、一人当たりの国民総所得は2005年調べで年間僅か220ドル(約2万5000円)。因みに日本は3万6610ドル(約416万円、2003年調べ)でシエラレオネの実に166倍である。また国連によればシエラレオネの失業率は80%。一攫千金を夢見て失業中の若者が首都フリータウンから車で約6時間のダイヤ鉱山に集まって来ると言う。しかしダイヤ採掘は甘くない。映画でも描かれていたように、土砂を堀り、水ですすぎ、ダイヤを見つける。毎日がその繰り返しなのだが、数ヶ月見つからないのもザラというのが現実のようだ。

【注1】05年の生産額輸出額1億4200万ドル<約160億円>約3倍にあたる4億ドル<約456億円>と推計され、差額の2億5800万ドル<約300億円>相当が闇に消えているということか?

 まさにザルから漏れ放題のシエラレオネの富。いったい誰がその富を横領しているのだろう?酷い話だと思う。

【注2】世界銀行は国連加盟国191カ国を、一人当たりの国民総所得(GNI)によって細かく分類している。因みに2003年の基準では、一人当たりの国民総所得が765ドル以下の国を低所得国とし、アフガニスタン、カンボジア、エチオピアなど61カ国が分類されている。766ドル以上3035ドルまでが低中所得国で、ブラジル、フィリピン、トルコなど56カ国、3036ドルから9385ドルまでが上中所得国でアルゼンティン、マレイシア、サウジアラビアなど37カ国、9385ドル以上が日本、アメリカ、韓国などの高所得国である。(出典:英国通信vol.36)

■ブログ内関連記事:映画『ブラッド・ダイヤモンド』レビュー(1)

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