はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

小林カツ代さんのこと

2006年02月06日 | 「食」についての話題

小林カツ代さんの著書『すぐ作れるおかず』
(企画室、1988)と私のレシピカード。


小林カツ代さん、その後お体の具合はいかがだろうか?
特に家庭料理に光を当てた料理研究家として名高い
小林カツ代さんが、ブラウン管から姿を消して、
8カ月近くが経つ。
息子で、同じく料理研究家のケンタロウ氏が10月に
マスコミ宛てファックスで明らかにした話によれば、
昨年8月にクモ膜下出血で倒れ、手術後はリハビリに
励んでいるが、復帰について言及できる状態ではない由。
その一報以後、何の音沙汰もない。すごく気になる。

私はお世辞にも料理上手とは言えない。
子供の頃は、朝早くに家を出て帰りも遅い母親に代わって、
家族の為に夕ご飯を作ってはいた。
しかし、その頃は正直言ってイヤイヤ作っていたので、
少ないレパートリーを短いサイクルで使い回していた。
新しいレシピを覚えようなんて意欲ゼロだった。

でも結婚以来、努力はしている。
三日坊主の私が、珍しく努力を続けている。
結婚してから、夫の為においしい料理を作りたいと
俄然張り切って、レシピカードを作り始めた。
市販の15×10㎝大の情報カードを使って。
表(おもて)のインデックス部に、和食、洋食、中華、
デザート類と言ったカテゴリーと、鶏、牛、豚、魚と
言ったメインの食材名と料理名、その下に材料名と分量、
裏に調理方法を記した。それをインデックスタグで、
カテゴリーごとに分類している。
大学時代に教わった情報管理方法を応用したものだ。

数えていないので正確な枚数は知らないが(アバウトな
性格がバレバレ(^_^;))、もうとうに100枚は超えている。
最初は一枚一枚丁寧に書き込んでいた。次第に雑誌や
新聞の切り抜きを切り貼りしたりして簡易型に、
そして最近はかなりズボラで切り抜きをそのまま、
情報カードケースやクリアファイルに入れたりしている。
情報カードへの書き込みは完全にやめたわけではなく、
これは、と思う料理はカードに書き写すようにしている。
最初は切り抜きを見ながら試しに作ってみて
家族に好評ならレパートリーに仲間入り、
といった昇格制度がある、と言ったら良いだろうか。

とにかくオイシイ、家にある材料、手に入りやすい材料で
簡単に作れそうなもの、がレパートリーに加える目安。
ひとつ手の込んだ料理を作るより、調理が簡単な料理を
複数組み合わせる。その方が合理的だと思っている。
だから、小林カツ代さんのシンプルな材料、調理方法の
レシピは、私のようなズボラ系にはうってつけだ。
写真の本も、新婚の頃から重宝している。

ただズボラ系の割には計量には神経質なところがあって、
調味の際には必ず計量スプーンや計量カップを使う。
目分量だった調味料の分量をきちんと計量化させたのは、
女子栄養大学の創設者、香川綾さんの発案だと聞いた
ことがある。計量スプーンも彼女の考案?
個人のものだった味つけを、誰でも再現できるようにした
功績は大きいのではないか?
これには異論もあるかもしれない。
例えば、味は舌で覚えるべきものだと。
もちろん、こうでなければいけない、ということはなく、
人によって、料理の学び方はいろいろあって良いと思う。
私のように、母親があまり料理を作らなくなった家庭に
育った子供にとっては、きちんと計量すれば確実に
おいしいものが作れる、という方法はとても有り難かった、
それだけのことです。

最近は食の細かった息子が、人並みに食べるようになった。
時には一度ならず二度も、おかわりをしてくれる。
これが、母としては嬉しい。
「肉、とにかく肉」には、笑ってしまうけど。

小林カツ代さんは、神楽坂合唱団の創設者であり、
CMの出演料は私腹に入れることなく、どこかの
慈善団体に全額寄付しておられたのだとか。
そういう心意気を持った方が病に倒れられたのは
本当に気の毒に思う。いつかの本に将来はエッセイストに
という夢を語っておられた。それは実現しかけていた。
志半ばの闘病生活に、さぞかし無念の思いであろう。
でもまだ60代。私の祖母も60代半ばでやはり倒れ、
半身不随となったが、数年のリハビリを経て、
また元気を快復した。
小林さんの一日も早い快復、そして復活を祈念しつつ、
私も日々の料理に頑張るぞ。家族の為に。 

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