はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

ブレない…(MB『良いこと探し』より再掲)

2006年11月07日 | はなこのMEMO
宮里聖志、優作、藍の3兄弟の父、宮里優という人は、
その生き方に太くて揺るぎない一本の芯が通っている。
著書を読んで、まずそのことを感じた。

彼自身はこれまでの人生の中で何度となく挫折を味わっている。
しかし、けっして人生を諦めることなく、投げ出すことなく、
むしろ挫折をバネに、新たな道を自ら切り開いて来た人だ。
今はゴルフのティーチング・プロとして、
沖縄で3兄弟妹に続く若手を育成し、
門下生から何人ものジュニアチャンピオンを輩出している。
一流のプレイヤーを育てる、
その手腕とはいったいどんなものなのか?

その秘密が、著書には詰まっていた。
その中にはゴルフの技術論などひとつもない。
さまざまな子育てエピソードを挙げながら、
我が子ひとりひとりへの愛情溢れる記述。
もちろんその中で、兄弟妹の輝かしいジュニア時代の
ゴルフ経歴も披露されている。
それが単なる親バカの自慢話に留まらないのは、
宮里氏の主張が首尾一貫して、
「心を育てる、精神を鍛えることを第一義とした
 ゴルフとの関わり」
であったからだ。



各章の末尾に章の内容をまとめた標語のようなものがあって
分かり易い。以下はその標語を列挙。

・親が子どもに与えられる最も大きなものは厳しさと愛情。
・貧しさは不幸ではない。
 ハングリー精神を身につけるまたとないチャンスだ。
・親の背中を見て子は育つ。
・幼児期は感性を育てる時期。
 体で覚えたものはいつまでも忘れない。
・体罰も必要だがやり過ぎたと思ったらすぐに止めること。
 子どもを怯えさせてはいけない。
・子どもは案外、親の知らないところで、
 自分の役割をしっかりと自覚し、務めを果たしているものである。
・子どもが運命の分かれ目にさしかかったときは、
 子どもを信じて見守ろう。
・成長は一直線にはいかない。見守りながら叱咤激励も必要。
・練習三昧の厳しい生活をさせることも必要。
 甘やかすばかりではいけない。
・深い愛情を体験するためにも、
 お年寄りを大切にする気持ちを育てるためにも、
 祖父母との同居が望ましい。
・夢をかなえた後も、原点を忘れさせてはならない。
・人間の生き方は目に表れる。
 夢に向かって努力し続けているときは、目の芯が燃えている。
・長男には長男のプライドがある。
 弟妹の活躍は自分のことのように嬉しい。
・悪いことは悪いと教える。
 しかし、もって生まれた子どもの気質は伸ばしてやること。
 バランスが大切である。
・子どもは親だけが育てるのではない。
 教師もまた子どもの人生の「水先案内人」である。
・「自分の子に限って・・・」はない。
 子どもが悪いことをした時、親がどう対処するか、
 どういう姿勢を見せるかで、子どもは変わる。
・子どもが何かの被害に遭ったら、全力で守る。
 そうすれば子どもは親に愛されていることを実感できる。
 「逃げるな親父、どこまでいってもお前の子」
・子どもの才能を信じること。だが、過大な期待は禁物。
 運・不運が勝負を決めることもある。
・「学校一番ゴルフ二番」何事も最後は人格の勝負。
 トータルな人格は友達との付き合い、部活動、勉強など、
 あらゆることで形成される。
・子どもには豊かな感性を身につけさせたい。
・評価の対象は結果だけではない。
・たとえ細かいことでも、自分の考えを述べ、指摘すること。
・「アマチュアだから・・・」と言い訳しているうちは駄目。
 プロになったつもりの意識があれば、
 それなりの結果が出せるはず。
・最後に勝負を決めるのは気迫。
 勝ちたいという気迫が強い方が勝負を制する。
・やる気を起させるのは、まずほめること。
・子どものSOSには即時に対応。
 ありのままの子どもを受け入れていることを示そう。
・自分の力ではどうしようもない壁にぶち当たった時は、
 慰めるのではなく、もう一段高い目標を設定してやる。
・子どもには自信をつけさせ、誇りを持たせること。
 そのためには冒険も必要だ。
・「性」についても隠すのではなく、
 オープンに語り合える雰囲気をつくりたい。
・嘘やごまかしに対しては、徹底的に叱る。
・たとえわずかでも、親子で会話する時間は欠かさないこと。
・思春期に作るべき財産は友達。
 そのためには周囲から浮き上がらない
 「普通の子」であることが一番。
・子どもの進路は子どもの立場になって考える。
・弱点は見過ごさず、的確にアドバイスすること。
・善悪の区別をきちんと教えるためには、時には体罰も必要。
 だがその根底には親の愛情がなければならない。
・思春期以降は子どもの人格を尊重すること。
 まずは子どもの意見をきちんと聞くこと。
・どんな時も自分の意見を言えるのは、
 裏づけとなる自信と訓練があってこそ。
・生活習慣を規則正しく。
 自分の健康管理は社会人として当然のこと。
 子どもの頃からその意識を徹底させたい。
・どんなくだらない話題でもいい。
 親子で話そう。うんとほめよう。
・物怖じしないパフォーマンス力を。
 「ハレの日」のパフォーマンスが、物怖じしない心をつくる。
・(親は)どんな場面でも筋を通すこと。
 親が実践すれば、子供も自然とそれを身につける。
・子どもはできるなら自然環境の豊かなところで育てたい。
 自然によって育まれるものがある。
・子どもは大人の鏡。
 子どもを変えようと思ったら、まずは自分自身から。
・子どもの能力は無限。
 大人の役割はその潜在能力を引き出してやること。
・父親の役割は大切。父親だからこそできることもある。
子育ての重要ポイントは、
 自分の子どもを誇りに思えるように育てられるかどうか。

お見事!
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