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先日台所仕事をしながら何とはなしに聞いていたテレビのクイズ。
その昔(明治の頃?)海軍がビーフシチューをヒントに編み出した
料理は?という問題でした。
はて、なんだろうねえ?ビーフ・ストロガノフじゃ能がないし、
カレーライスでは単純過ぎてクイズの問題になりそうもないし…
と考えながら手を動かしていたのですが、そうこうしているうちに
解答者の磯野貴理子が見事正解を出しました。
果たして正解は…『肉じゃが』だったんですね。
その答えに辿り着く過程で彼女が考えたこと。
和食で、使っているのは同じ食材…じゃが芋、牛肉、玉ねぎ
↓
和食の調味料と言えば…醤油
↓
じゃが芋+牛肉+玉ねぎ+醤油…そうか!肉じゃが!!
なるほど見事な推理です!短時間で答を導く頭の回転の速さ、
これは時間勝負のバラエティ番組では必須の資質でしょう。
私はトロいからダメだわ(苦笑)。
この話が頭の片隅に残っていたせいか、
あり合わせの食材で作った昨晩のおかずは肉じゃがでした。
と言っても我が家の肉じゃがは牛肉ではなくて豚ばら肉を使う。
さらに千切りしょうがも。これはこれでなかなかイケマス。
私も息子も肉じゃがが大好きなのですが、
夫はじゃが芋自体が嫌い。カレーの中で若干身が崩れた
(これこそがおいしいと私は思うのですが)じゃが芋が
あるだけで不機嫌になります。理由は喉が渇くからだとか。
昨晩など「じゃが芋なんて何の栄養もない役立たず」
なんて言う始末。
それに対して息子が遠慮がちに反論しました。
「じゃが芋はいろいろな料理に使える便利な野菜なんだよ」
(そう言えば、かつて『料理の鉄人』で、家庭料理研究家の
小林カツ代さんが、じゃが芋対決で見事勝利しましたね。
病に倒れられてから、お姿が見えないのが寂しいです。)
今、家庭科で調理実習をしたり、食材の栄養素についても
いろいろ学んでいるらしい息子。
お弁当の中身についてもあれこれ注文をつけるほど、
こと食べ物に関しては興味津々のようです。
育ち盛りだからか、「肉、肉、肉ぅ~」と連呼するのには、
笑ってしまうけど。身体がたんぱく質を欲しているんでしょうね。
「そうよ。ビタミンCも豊富なんだから」と私も援護射撃。
なんたってじゃが芋は西洋では「大地のりんご」と
呼ばれているんですから。ドイツでは主食なんですから。
しかし、「とにかく嫌いなんだ」と夫は聞き入れません。
でも毎日食べているわけではないんだし、食べてくださいね、
とお願いしたのでした。ドイツ人に生まれなくて良かったね。
私の夫には、かつてあったエバラの調味料のCM(肉じゃがで
男性のハートをゲットという主旨の)も効果なしですね。
さて、最近は毎週日曜夜9時にはTBS系ドラマ
『鉄板少女アカネ!!』を息子とふたりで見ています。
母親を亡くし、失踪した父親を捜して全国各地へと出向き、
それぞれの訪問地で行きがかり上、料理対決をするハメになる、
というのが基本ストーリー。
マンガが原作ということもあってか、
見どころの主人公アカネの調理シーンではCGを多用し、
笑ってしまうほど大げさな演出です(アカネの手さばきは、
さながら千手観音?!)。アカネ役の堀北真希も
そのつぶらな瞳に星が瞬いているようでマンガチック。
夫はバカにして見ません(笑)。
そのアカネが、今回は北海道で料理対決。
その材料は北海道らしいと言えば北海道らしいですが、
我が家の一連の流れからすれば、奇しくもと言っていい
じゃが芋でした。
しかし、アカネの展開を見ていた息子。
「なんだ、味平にそっくりじゃん」
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小学生の頃『少年ジャンプ』連載中に夢中になって読んだマンガ。
特に後半の「カレー対決」「ラーメン対決」は圧巻。
味平少年の成長物語としても十分読み応えがありました。
息子は、以前私が懐かしさで思わず買ってしまったマンガ
『包丁人味平』の文庫版の第一巻を読んで気に入ったのか、
夏休みのアルバイト代を費やして、全12巻を買い揃えて
しまいました。
そのクライマックスは、北海道は札幌の雪まつり会場での
全国ラーメン選手権。そこで、飛び入り参加した味平は
地元北海道ならではの食材じゃが芋で勝負するのです。
確かに『鉄板少女アカネ!!』は、アカネの食への情熱、
土壇場でひらめく奇抜なアイデアなど、
『包丁人味平』のテイストに近いものがあります。
このアカネに限らず、後発のマンガ家達は確実に、
料理マンガの草分けとも言える『包丁人味平』の影響を
受けているのではないでしょうか?
それにしても、一口にじゃが芋といっても、
びっくりするような味の違いがありますね。
同じ袋の中に入っているじゃが芋でも、です。
口の中に入れ、ひと噛みしたとたん、
何とも言えぬおいしさが広がるじゃが芋に出会えた時には、
ホント幸せな気分になります。