はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

じゃが芋つながりの話

2006年10月30日 | 「食」についての話題


先日台所仕事をしながら何とはなしに聞いていたテレビのクイズ。
その昔(明治の頃?)海軍がビーフシチューをヒントに編み出した
料理は?という問題でした。
はて、なんだろうねえ?ビーフ・ストロガノフじゃ能がないし、
カレーライスでは単純過ぎてクイズの問題になりそうもないし…
と考えながら手を動かしていたのですが、そうこうしているうちに
解答者の磯野貴理子が見事正解を出しました。
果たして正解は…『肉じゃが』だったんですね。

その答えに辿り着く過程で彼女が考えたこと。
和食で、使っているのは同じ食材…じゃが芋、牛肉、玉ねぎ

和食の調味料と言えば…醤油

じゃが芋+牛肉+玉ねぎ+醤油…そうか!肉じゃが!!

なるほど見事な推理です!短時間で答を導く頭の回転の速さ、
これは時間勝負のバラエティ番組では必須の資質でしょう。
私はトロいからダメだわ(苦笑)。

この話が頭の片隅に残っていたせいか、
あり合わせの食材で作った昨晩のおかずは肉じゃがでした。
と言っても我が家の肉じゃがは牛肉ではなくて豚ばら肉を使う。
さらに千切りしょうがも。これはこれでなかなかイケマス。
私も息子も肉じゃがが大好きなのですが、
夫はじゃが芋自体が嫌い。カレーの中で若干身が崩れた
(これこそがおいしいと私は思うのですが)じゃが芋が
あるだけで不機嫌になります。理由は喉が渇くからだとか。
昨晩など「じゃが芋なんて何の栄養もない役立たず」
なんて言う始末。

それに対して息子が遠慮がちに反論しました。
「じゃが芋はいろいろな料理に使える便利な野菜なんだよ」
(そう言えば、かつて『料理の鉄人』で、家庭料理研究家の
小林カツ代さんが、じゃが芋対決で見事勝利しましたね。
病に倒れられてから、お姿が見えないのが寂しいです。)
今、家庭科で調理実習をしたり、食材の栄養素についても
いろいろ学んでいるらしい息子。
お弁当の中身についてもあれこれ注文をつけるほど、
こと食べ物に関しては興味津々のようです。
育ち盛りだからか、「肉、肉、肉ぅ~」と連呼するのには、
笑ってしまうけど。身体がたんぱく質を欲しているんでしょうね。
「そうよ。ビタミンCも豊富なんだから」と私も援護射撃。

なんたってじゃが芋は西洋では「大地のりんご」と
呼ばれているんですから。ドイツでは主食なんですから。
しかし、「とにかく嫌いなんだ」と夫は聞き入れません。
でも毎日食べているわけではないんだし、食べてくださいね、
とお願いしたのでした。ドイツ人に生まれなくて良かったね。
私の夫には、かつてあったエバラの調味料のCM(肉じゃがで
男性のハートをゲットという主旨の)も効果なしですね。

さて、最近は毎週日曜夜9時にはTBS系ドラマ
『鉄板少女アカネ!!』を息子とふたりで見ています。
母親を亡くし、失踪した父親を捜して全国各地へと出向き、
それぞれの訪問地で行きがかり上、料理対決をするハメになる、
というのが基本ストーリー。
マンガが原作ということもあってか、
見どころの主人公アカネの調理シーンではCGを多用し、
笑ってしまうほど大げさな演出です(アカネの手さばきは、
さながら千手観音?!)。アカネ役の堀北真希も
そのつぶらな瞳に星が瞬いているようでマンガチック。
夫はバカにして見ません(笑)。

そのアカネが、今回は北海道で料理対決。
その材料は北海道らしいと言えば北海道らしいですが、
我が家の一連の流れからすれば、奇しくもと言っていい
じゃが芋でした。
しかし、アカネの展開を見ていた息子。
「なんだ、味平にそっくりじゃん」


小学生の頃『少年ジャンプ』連載中に夢中になって読んだマンガ。
特に後半の「カレー対決」「ラーメン対決」は圧巻。
味平少年の成長物語としても十分読み応えがありました。


息子は、以前私が懐かしさで思わず買ってしまったマンガ
『包丁人味平』の文庫版の第一巻を読んで気に入ったのか、
夏休みのアルバイト代を費やして、全12巻を買い揃えて
しまいました。
そのクライマックスは、北海道は札幌の雪まつり会場での
全国ラーメン選手権。そこで、飛び入り参加した味平は
地元北海道ならではの食材じゃが芋で勝負するのです。
確かに『鉄板少女アカネ!!』は、アカネの食への情熱、
土壇場でひらめく奇抜なアイデアなど、
『包丁人味平』のテイストに近いものがあります。
このアカネに限らず、後発のマンガ家達は確実に、
料理マンガの草分けとも言える『包丁人味平』の影響を
受けているのではないでしょうか?

それにしても、一口にじゃが芋といっても、
びっくりするような味の違いがありますね。
同じ袋の中に入っているじゃが芋でも、です。
口の中に入れ、ひと噛みしたとたん、
何とも言えぬおいしさが広がるじゃが芋に出会えた時には、
ホント幸せな気分になります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 父親たちの星条旗 | トップ | 今日は安藤美姫でウルウル(T_T) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。