日曜日、春の陽気に誘われて、川崎市は多摩区にある生田緑地に行って来ました。
川崎駅から南武線に乗って30分弱、小田急線と交わる登戸駅(小田急線なら向ヶ丘遊園駅)で下車し、そこからさらに30分程歩くと生田緑地東口に到着です。
↓生田緑地全体図
まず、北は岩手、山形から、南は鹿児島・沖永良部島まで、日本各地から23戸もの古民家を移築した日本民家園へ。昨夏、訪ねた白川郷を彷彿させる合掌造りの家もありました。ここは起伏に富んだ地形に古民家をうまく配置して、緑豊かな中にそれぞれの民家が静謐な佇まいを見せています。おそらく各地でも名だたる建築だったのでしょう。何れもが威風堂々として、それぞれの気候風土、生活様式に適った合理的な間取りには、まさにそこに暮らした人々の知恵が詰まっています。
【古民家豆知識】
I字型の家を「直家」と書いて「すごや」、I字型に馬屋等を加えてL字型になった家を「曲がり家」と言うそうです。ボランティアの方の解説を小耳に挟んだのですが、「なるほど!」と思いました。
既にツツジの生け垣には花がほころび始めていました。お昼も近かったので、園内にある手打ちそばの店「白川郷」(←実際に白川郷から移築した民家)で、もりそばや冷やしとろろそばを食べました。630円とお手頃価格で味はバッチリ。器も冷やした心遣いが嬉しい。すぐ近くにはだんごを売る屋台もあって、そこで「みたらし」「ごま」「のり」だんごを買って食べました。素朴な味わいで、これまたおいしい。
出口の西門へ向かう後半の道のりは上りが続きます。長い階段では息切れがしそう。それだけに、西門を出てすぐの展望ポイントから見る風景は絶景です。
そこから下った右手奥に岡本太郎美術館がありました。入館料のいらない内庭には、《母の塔》と言う作品。塔に立つ人物像の、空に向かって伸びた手が青空に映え、おおらかな雰囲気を湛えていました。岡本太郎の作品には一貫して伸びやかさと力強さが感じられます。生命を称えるイメージがある。そこに岡本作品の魅力を感じます。
最後は川崎市青少年科学館でプラネタリウム体験です。メガスターと呼ばれる、画期的なプラネタリウム投影機を開発した大平貴之氏が川崎市多摩区在住と言うこともあり、この青少年科学館にはメガスターⅡが設置されています。そのメガスターⅡが映し出す星の数はなんと410万個。従来の投影機では薄い帯状の光で映し出す天の川も、メガスターⅡでは沢山の微細な星の集まりとして映し出す能力があるのです。ですから、ここでは2人にひとつの双眼鏡が貸し出され、肉眼では白い帯に見える天の川を双眼鏡で観察すると言うユニークな試みが行われています。料金も大人200円、大・高生100円、中学生以下無料と格安です。
生田緑地へは10年ぶりの訪問でしたが、以前とは見違えるような施設の充実ぶりでした。これなら1日中楽しめますね。実際、お弁当持参で来ている家族連れが大勢いました。犬の散歩で訪れている人も多かったし、何より小さい子供達が大喜びで走り回っている姿が微笑ましかったですね。また、古い電車の車両が休憩場所として利用されていて、疲れたらそこでひと休みすることもできます。お年寄りから子供まで、誰もが楽しめる場所だと思います。
◆川崎市生田緑地公式HP→こちら
◆2008年夏に白川郷他を訪ねた時の旅行記→こちら