はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

以前から気になっていたこと~門外漢のつぶやき

2008年04月07日 | はなこのMEMO
 柔道女子48㎏級の谷亮子選手。昨日の北京五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選抜柔道体重別選手権大会で、山岸絵美選手に2度の有効を取られての完敗。それでも「コーチ陣は谷に太鼓判を押している」という理由で、北京五輪の代表に選ばれた。確か、世界選手権代表選考会でも谷選手は決勝で敗れたのに、代表に選出されたのではなかったか?
 一応谷選手は世界選手権優勝という結果は残したが、「選考会での勝敗に関係なく代表に選出される」となればこれは出来レース(新聞には「消化試合」とあった)と言ってもよく、他の選手がとても気の毒だ。他の選手は選考会で優勝しても代表に選ばれないとなれば、一体何を目標に頑張れば良いのだろう?「過去の実績を勘案して」と言うのならば、最終選考会は何の為にあるのだろう?たとえ谷選手がベテランの勝負強さを発揮して北京五輪で金メダルを獲得したとしても、他の選手のモチベーションは下げ止まらないような気がする。これでは谷選手の後に続く選手が育たないと思う。

 谷選手の黄金時代が続く間に、長期的に見れば日本女子柔道界は凋落して行くのではないか?18年間も第一線で活躍し、前人未踏の実績を残した谷選手。柔道史に名を残す名選手であることは誰も否定すまい。素人目には選手としてもう十分にやり遂げたように見えるのだが、彼女自身はまだ選手としてやり残したことがあるのだろうか?柔道という「道」を極める方法は、何も第一線で戦い続けることだけではないような気がするのだが。

 名選手だからこそ柔道界全体のことを考え、その将来を展望した新たな道を模索して欲しいと願うのは間違っているのだろうか?以前から谷選手の試合後のコメントがいつも自己陶酔型なのが気になっていたが、それは図らずも彼女の内面を端的に表しているのだろうか?俳優で、世界最高の武道家のひとりでもあるジェット・リーがかつてインタビューの中で「武術の技術を極めて9段、それを越えた10段とは精神性を高めることにある」と語っていたのとは対照的である。「無我の境地」とは谷選手ほどの名選手を以てしても到達は容易ではない、ということなのだろうか?

 コーチ陣も谷選手を腫れ物に触るように扱ってはいないか?彼女には誰も物を言えないのか?「お家芸は常勝せねばならない」と言う至上命題に囚われすぎて、過去に実績のある谷選手を別格扱いで重用し続け、ポスト谷の育成をおろそかにすればどうなるのか、誰も心配ではないのか?若手を「生殺し状態」にし、「女王谷の君臨する時代に選手になったのが運の尽き」と諦めさせるつもりなのか?日本柔道界に清新さが感じられないのは、こうした代表選考の不透明さにも原因があるのだと思う。せめて選考基準をもっと明確にしないと、若手選手はやりきれないよ。
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