はなこのアンテナ@無知の知

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誰も責任を取らず、税金の無駄遣いは減らず

2012年06月11日 | はなこのMEMO
17年に及ぶ逃亡生活の末、菊池容疑者が逮捕されたのが6月3日(日)。夜9時頃だったか、NHKの番組を見ていて、速報のテロップで知った。

その翌日には、高橋容疑者が潜伏先から逃亡し、いまだ逮捕に至っていない。もう1週間が経過している。

おそらく、この経緯をニュースで見続けていた人、誰もが疑問に思っているはずだ。

菊池容疑者の証言を得て、高橋容疑者の潜伏先を知ったであろう警察は、なぜ菊池容疑者の逮捕を何の思慮もなくマスコミに伝えてしまったのか?そして、なぜマスコミは躊躇なく菊池容疑者逮捕を速報で流してしまったのか?

菊池容疑者逮捕のニュースが、高橋容疑者を再びの逃亡へと走らせたのは確実だ。

重要手配犯逮捕に舞い上がって、嬉しさの余り担当者が口を滑らせたのか?それとも、ネット上でまことしやかに噂される、大スクープによる(政府にとっては追及して欲しくない)重要案件への注目逸らし、なのか?警察の後手後手に回った捜査を見ていると、後者の理由の為に、わざと高橋容疑者を逃がしたと勘ぐられても仕方ない気さえして来る。次の為にスクープ・ネタを取っておこう、ってこと?

何れにしても、今回の高橋容疑者捜索に全国で延べ数千人もの警察官が動員されている。昨日のニュースでは、岡山県警の警察官が高橋容疑者の新たな似顔絵が刷られた紙を、市中で配って、捜査協力を求めていた。一体、高橋容疑者捜索に、どれだけの費用が新たに投入されているのだろう?専従でないにしても、動員されている警察官の人件費は相当なものである。それらは全て、国民が納めた税金なのである。

政府機関の金の無駄遣いは枚挙にいとまがない。

80年代に総額1兆5,000億円をかけて、全国301カ所に建設されたグリーンピアと呼ばれる保養施設(←どうせ、当時の厚生省役人の天下り用に発案した事業なのだろう)。その原資は、我々国民が毎月納める年金の掛け金を集めた年金積立金であった。民間宿泊施設と競合し、立地で劣るそれらの施設は経営で赤字を垂れ流し、結局破綻して、全て格安の値段で民間や地方自治体に払い下げられた。その時の売却総額は2,200億円。投資費用の7分の1にも満たない。国民の貴重な年金原資1兆2,800億円(グリーンピア経営時の累積赤字と、投資金額を適正に運用すれば得られたであろう利益を含めれば、それ以上)は、無計画な投資で跡形もなく消えてしまった。少子高齢化の進展で、年金原資の不足がいよいよ深刻な問題と化した今、つくづく政府機関の軽率さが腹立たしい。

しかし、これだけの損失を出したにも関わらず、その事業に関わった役人の誰も責任を取っていない。

役人に責任を取らせるシステムがこの国にはないから、こうした無駄遣いが一向に減らないのだろう。国民も江戸時代から「お上には逆らえない」意識が刷り込まれて、国からどんな理不尽な仕打ちを受けても、文句も殆ど言わず、ただただ我慢するだけだ。そして、国民生活は苦しくなる一方だ。

海外ニュースで、老若男女問わず大勢の市民がデモに参加し、さまざまな問題に対して声を上げている映像を見ると、日本はこのままで良いのか、大丈夫なのかと、本気で心配になる。

自分も心配しているだけじゃ、ダメなんだけどね。
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